【完結】大魔法師様は運命の恋人を溺愛中。〜魔法学院編〜

みるくくらうん

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一年生・冬の章

必ず4人で③

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「ありがとう、ございます」


 ギュンターは羽根を受け取ると、優しく握り締め胸元に持っていき大事そうに目を閉じてお礼を言う。


「本当に……ありがとうございます」


 ギュンターは深くお辞儀をして再度お礼を言うと、三人は笑みを浮かべてギュンターを教室まで送り届けた。


「みなさん……僕頑張ります」

「ああ。お前なら大丈夫だ」


 ルイは小さく笑って軽くギュンターの頭を撫でる。


「ギュンちゃん、4月から同じクラスになろうな?」


 よく見るとうっすらと目の下にクマのあるセオドア。
 ギュンターはそれを見て、セオドアもこの一週間必死に勉学に励んだことを察した。


「(セオドアさんだってすごく頑張ってるんだ。僕も絶対に頑張るぞ)……はい!!!」

「ギュンターくん、頑張ってね!!あのね、リヒトにも言っておいたよ。ちゃんと時間作ってくれるって!」


 フィンは満面の笑みでギュンターを見上げる。


「っはい!」


 ギュンターは背筋を伸ばして大きく頷き、三人はそれぞれギュンターに喝を入れて手を振った。
 

「絶対に、合格してみせます。みなさん」



 ギュンターは小さく呟き席につく。
 この時点でギュンターをヒソヒソと噂するものはいなくなり、羨望の眼差しを向けられるようになった。




----------------------------------


 期末試験は5日間続き、最終日の最後、試験終了の鐘が鳴ると、ギュンターは大きくため息をついて机に突っ伏した。
 回答用紙は魔法で素早く回収され、生徒達は安堵と不安が入り混じる表情を浮かべている。


「(さすがに疲れたなぁ……ようやく終わった……熱が上がってる気がする。早く帰らなきゃ)」


 ギュンターはよろめきながら立ち上がり、教室を出る。


「ギュンターくーん!」


 すると、ちょうど同じくして教室から出たフィンがギュンターに気付き大きく手を振る。その後ろには自信満々な表情を浮かべるルイと、安堵の溜息を吐くセオドアが続いた。


「みなさん……!」


 ギュンターは三人に駆け寄ろうと一歩足を踏み出す。
 しかし、途端に眩暈がし、ギュンターはそのまま倒れ込んだ。


「!?」
「ギュンターくん!」
「ギュンちゃん!」


 驚くフィンとセオドア。ルイはいち早くギュンターに駆け寄り、床に顔をぶつける前に受け止める。


「ギュンター!?大丈夫か!?」


 ルイはギュンターの顔を覗き込んで額に手を当てると、高熱を出していることに気付き顔を顰めた。


「相当無理してたのか」


 苦しそうに息をするギュンターを見ながら胸を痛めるルイ。


「ルイさ……すみませっ」

「すぐ王宮に運んで診てもらうぞ」


 ルイは外で待機しているであろう、寄宿先の王族宮殿からの馬車を急ぎ呼び出した。騒ぎを聞き付けた副学長のエリオットが慌ててその場に来ると、周囲の野次馬を避けるように空間魔法を作り上げ、いち早く馬車が到着する地点に運び込んだ。


「ルイ、馬車の手配をありがとう。先にシャルロット様に治療要請の連絡をしておく。実はここ数日様子を見ていたんだが、2日前ほどから調子が悪そうだったんでな。注意深く確認していたところだった」


 ルイはギュンターを馬車に乗せると、その横に座り自分の膝を枕にしてギュンターを寝かせた。その対面に心配そうな表情を浮かべるフィンとセオドアが乗り込む。
 そしてエリオットも伝書鳩を飛ばしてすぐに乗り込んだ。



「ギュンターくん……」


 フィンは目を潤ませながらギュンターを見つめ祈るように両手を組む。


「ギュンター・ヴァーグナー、5日間よく頑張った。良い知らせだ。お前の治療法の活路が見出せた。今日から一週間ほどその治療ステージに入る。辛い治療になるが、必ず良くなる」


 エリオットは機密書類を確認しながらそう言うと、ギュンターは力なく笑みを浮かべた。


「そう、ですか……」


 ギュンターは朦朧とする意識の中、振り絞るように声を出す。


「一緒に……4人で……2年生に」


 ギュンターはそう言って目を閉じる。


「ああ。必ず4人で進級するぞ」


 ルイは小さく笑みを浮かべ、優しく声をかけた。


「必ず4人で」


 セオドアはそう復唱しギュンターの手を握る。


「絶対に一緒のクラスになろうね」


 フィンは同じようにギュンターの手を握った。


「クラスの件に関しては、セオドアにかかってるけどな」


 ルイは鼻で笑いながらセオドアに視線を向ける。


「ちょっ……やめてよもう。絶妙に自信ないんだよ俺」


 セオドアはがそう言うと、フィンは励ますように「セオくんなら大丈夫」と声をかけた。
 3人のやり取りを聞いていたギュンターは、まるで良い夢を見ているかのように笑みを浮かべたのであった。




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大魔法師様は運命の恋人を溺愛中。~魔法学院編~

本編はこれにて終了となります!
みなさま長らくご愛読いただきましてありがとうございますm(_ _)m
不定期な更新でお待たせしまくっている状況の中見てくださったこと、大変感謝しております。

番外編を数話展開してから次回作を展開する予定です。
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