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18 お祖父様のお見舞い
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馬車に揺られているとやがて公爵邸の門が見えて来たが、そこで私は今日はまだお祖父様のお見舞いに行っていない事を思い出した。
「…あ…」
ハミルトンに聞こえないくらいの声を発したと思っていたが、ハミルトンは耳聡く私の声に気付いたようだ。
「どうした? 何かあったのか?」
…何でそんなに反応がいいのかしら?
きっと私が何かしでかさないように神経を尖らせていたんでしょうね。
ハミルトンに問われた以上、知らん顔も出来ないので、私は素直に答えておく。
「すみません、今日はまだお祖父様のお見舞いに行っていない事を思い出したんです」
ペコリと頭を下げるとハミルトンはホッとしたように息を吐いた。
もっととんでもない事を言い出すかと思っていたようね。
「ああ、お祖父様のお見舞いか。屋敷に戻ったら僕と一緒に行こう」
別にハミルトンに付き合って貰わなくてもいいんだけれど、私を監視している以上、そうはいかないんでしょうね。
そんな事をしなくてもお祖父様に危害を加えたりはしないけれど、昨日会ったばかりの私が信用ないのは仕方がないわね。
いつの間にか馬車は公爵邸の門を抜けて屋敷に近付いていた。
程なくして馬車が止まり、玄関の外で待ち構えていた使用人によって扉が開かれる。
ハミルトンが先に降りて私に向かって手を差し出して来た。
一人でも降りられるんだけど、仲睦まじく見せる事は大事だわ。
玄関を入ると執事のモーガンが私達を出迎えた。
「モーガン、お祖父様のお見舞いに行こうと思うが、行っても大丈夫かい?」
「はい。お二人が戻られたら顔を出すようにと言いつかっております」
どうやらお祖父様は私達が戻るのを今か今かと待ち構えていたようね。
私とハミルトンはモーガンに先導されてお祖父様の部屋へと向かった。
ポロック商会に車椅子を注文しているけれど、流石に昨日の今日では出来ては来ないだろう。
モーガンがお祖父様の部屋の扉をノックすると、すぐにお祖父様から返事があった。
「ジェシカが戻ったのか? 入っていいぞ」
扉が開かれて部屋の中が見えた瞬間、ハミルトンが驚いたような声をあげる。
「カーテンが開いている。お祖父様、カーテンを開けても大丈夫なのですか?」
どうやらハミルトンはお祖父様の部屋のカーテンが開いている事を知らなかったようだ。
お祖父様はベッドに起き上がって枕を背にもたれかかっている。
「おや、ハミルトンは知らなかったな。昨日、ジェシカがカーテンを開けるように進言してくれたんだ。お陰で随分と気分が良くなったよ。それに私のために車椅子と言う物を作らせてくれているんだ」
「車椅子? 何ですか、それは?」
「ジェシカが私のために考えてくれたんだ。それがあると椅子に座ったままで移動出来るようになるそうだ」
ハミルトンが何か言いたそうに私を見つめるけれど、別にハミルトンの地位を脅かすつもりはないわよ。
何か言い訳をしようかと口を開くより先にお祖父様が側の椅子を指差した。
「ジェシカ、こっちに座りなさい。…おや、随分と可愛らしいネックレスを着けているな。ジェシカに良く似合っているぞ」
お祖父様にネックレスを褒められて私はまんざらでもなかった。
それにハミルトンが選んでくれたのがたまらなく嬉しい…って、そんな感情を持ってはいけないわよね。
「ありがとうございます。先程お兄様に買っていただきました」
「ほう、ハミルトンはなかなかセンスがあるな。それに二人が仲が良いようで私も嬉しいぞ」
ハミルトンもお祖父様に褒められて嬉しいのか、やけにニコニコしている。
…やっぱり、そうやって笑っているほうが好きだわ…
「ありがとうございます、お祖父様。ジェシカは美人で、何でも似合うので選びがいがありますよ」
…うわー、何か胡散臭いわ…
でも、ここは嬉しそうに笑っていないとダメよね。
あまりお祖父様の側にいて疲れさせてもいけないと言う事で、私とハミルトンは退室する事にした。
お祖父様の部屋から廊下に出ると、ハミルトンはさっさと先に行ってしまう。
そういつまでも私と一緒に居たいとは思わないんでしょうね。
私も自室に戻り、昼食に呼ばれるまで本を読んで過ごした。
「…あ…」
ハミルトンに聞こえないくらいの声を発したと思っていたが、ハミルトンは耳聡く私の声に気付いたようだ。
「どうした? 何かあったのか?」
…何でそんなに反応がいいのかしら?
きっと私が何かしでかさないように神経を尖らせていたんでしょうね。
ハミルトンに問われた以上、知らん顔も出来ないので、私は素直に答えておく。
「すみません、今日はまだお祖父様のお見舞いに行っていない事を思い出したんです」
ペコリと頭を下げるとハミルトンはホッとしたように息を吐いた。
もっととんでもない事を言い出すかと思っていたようね。
「ああ、お祖父様のお見舞いか。屋敷に戻ったら僕と一緒に行こう」
別にハミルトンに付き合って貰わなくてもいいんだけれど、私を監視している以上、そうはいかないんでしょうね。
そんな事をしなくてもお祖父様に危害を加えたりはしないけれど、昨日会ったばかりの私が信用ないのは仕方がないわね。
いつの間にか馬車は公爵邸の門を抜けて屋敷に近付いていた。
程なくして馬車が止まり、玄関の外で待ち構えていた使用人によって扉が開かれる。
ハミルトンが先に降りて私に向かって手を差し出して来た。
一人でも降りられるんだけど、仲睦まじく見せる事は大事だわ。
玄関を入ると執事のモーガンが私達を出迎えた。
「モーガン、お祖父様のお見舞いに行こうと思うが、行っても大丈夫かい?」
「はい。お二人が戻られたら顔を出すようにと言いつかっております」
どうやらお祖父様は私達が戻るのを今か今かと待ち構えていたようね。
私とハミルトンはモーガンに先導されてお祖父様の部屋へと向かった。
ポロック商会に車椅子を注文しているけれど、流石に昨日の今日では出来ては来ないだろう。
モーガンがお祖父様の部屋の扉をノックすると、すぐにお祖父様から返事があった。
「ジェシカが戻ったのか? 入っていいぞ」
扉が開かれて部屋の中が見えた瞬間、ハミルトンが驚いたような声をあげる。
「カーテンが開いている。お祖父様、カーテンを開けても大丈夫なのですか?」
どうやらハミルトンはお祖父様の部屋のカーテンが開いている事を知らなかったようだ。
お祖父様はベッドに起き上がって枕を背にもたれかかっている。
「おや、ハミルトンは知らなかったな。昨日、ジェシカがカーテンを開けるように進言してくれたんだ。お陰で随分と気分が良くなったよ。それに私のために車椅子と言う物を作らせてくれているんだ」
「車椅子? 何ですか、それは?」
「ジェシカが私のために考えてくれたんだ。それがあると椅子に座ったままで移動出来るようになるそうだ」
ハミルトンが何か言いたそうに私を見つめるけれど、別にハミルトンの地位を脅かすつもりはないわよ。
何か言い訳をしようかと口を開くより先にお祖父様が側の椅子を指差した。
「ジェシカ、こっちに座りなさい。…おや、随分と可愛らしいネックレスを着けているな。ジェシカに良く似合っているぞ」
お祖父様にネックレスを褒められて私はまんざらでもなかった。
それにハミルトンが選んでくれたのがたまらなく嬉しい…って、そんな感情を持ってはいけないわよね。
「ありがとうございます。先程お兄様に買っていただきました」
「ほう、ハミルトンはなかなかセンスがあるな。それに二人が仲が良いようで私も嬉しいぞ」
ハミルトンもお祖父様に褒められて嬉しいのか、やけにニコニコしている。
…やっぱり、そうやって笑っているほうが好きだわ…
「ありがとうございます、お祖父様。ジェシカは美人で、何でも似合うので選びがいがありますよ」
…うわー、何か胡散臭いわ…
でも、ここは嬉しそうに笑っていないとダメよね。
あまりお祖父様の側にいて疲れさせてもいけないと言う事で、私とハミルトンは退室する事にした。
お祖父様の部屋から廊下に出ると、ハミルトンはさっさと先に行ってしまう。
そういつまでも私と一緒に居たいとは思わないんでしょうね。
私も自室に戻り、昼食に呼ばれるまで本を読んで過ごした。
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