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27 訃報
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食後のお茶を飲み終えようかという頃、慌ただしく扉が開けられ、モーガンが息せき切って食堂に入って来た。
知り合って間がないモーガンだけれど、沈着冷静な人物で慌てるような行動を起こす事が無いと勝手に思い込んでいたので、この慌てぶりにはとてもびっくりした。
私だけではなく、お義母様もお兄様も驚いていたので、相当珍しい事みたいね。
だけど、どうしてそんなに慌てているのかしら?
もしかして、私が偽者だとバレた?
モーガンがお義母様の隣に立って、テーブルの向こうから指差して「この娘は偽物です!」なんて叫ぶのを想像してしまったわ。
そして想像の通りにモーガンはお義母様の隣に立った。
…いよいよ断罪されるのかしら…。
私は更に身を固くしながらモーガンの言動を見守った。
けれどモーガンは私を指差す事もなく、お義母様に向かって恭しく頭を下げる。
「奥様、只今王宮から使いが参りました。先程、王妃様が亡くなられたそうです」
お義母様の側に来て告げられたモーガンの言葉に、私の正体がバレたのでは無いとわかってホッと安堵する。
けれど、それと同時に王妃様が亡くなられたという驚きと、どうしてそれがこの公爵家にすぐ知らされるのかという疑問が湧いた。
「そう、わかったわ。流石にこれから弔問に行くわけにもいかないでしょうから、明日伺うと伝えてちょうだい。ああ、明日はハミルトンが向かうと言う事も付け加えておいてね」
モーガンは再びお義母様にお辞儀をすると、入って来た時とは対象的に、いつもの落ち着き払った態度で食堂から出て行った。
王妃様が亡くなったという知らせを聞いてもお義母様もお兄様も特に驚いたり悲しんだりはしていない。
知らせは来るけれど、特に身内でも親しい間柄でもないって事なのかしら?
お兄様も淡々とした様子でお義母様に「わかりました」とだけ返している。
その事務的な返事に、まるでこうなる事がわかっていたような印象を受けてそういえば、と思い出した。
今朝の買い物の時に街でお兄様の友人と会った際、その人の叔母がもう長くはないと言っていたっけ。
つまりはその叔母が王妃様という事になって、あの友人も王家と繋がりがあると言う事になるわね。
それでもどうしてこの家にその知らせが来るのか知りたくて、私はおずおずとお義母様に切り出した。
「あの、お義母様。王妃様が亡くなられたと知らせが来るのはどうしてですか?」
私の質問にお義母様は嫌な顔もせずにあっさりとした口調で答えてくれた。
「ああ、それはこの家が王家の親族に当たるからよ。お義父様が前国王の弟なの」
「えっ?」
お義父様って事はつまり、お祖父様が前国王の弟って事!?
予想外の答えに私は頭がクラリとする。
まさか、この公爵家が王家と繋がりがあるなんて思ってもみなかった。
確かに王族の次に位が高いし、王位を継がなかった王族が公爵の地位を賜る事はよくある話だけれど、まさかお祖父様が前国王の弟だとは思ってもみなかったわ。
最初からそれを知っていれば、身代わりなんてだいそれた事を考えたりはしなかったのに…。
いえ、違うわね。
ベイルさんが私をジェシカだと勘違いした時点でちゃんと正していれば良かったのよ。
ジェシカの無念を直接訴えてやろうとか、少しお金を融通して貰おうとか考えた私がバカだったんだわ。
最初からジェシカの友達で、ジェシカの思いを直接伝えたいから会わせて欲しいとお願いしてたら良かったのよ。
そう言っていれば、ベイルさんも私の訴えを無下にはしなかったはずだわ、多分…。
けれど今更言っても仕方がないわね。
お祖父様の車椅子が出来て、問題なく過ごせるようになったら、隙を見てこの屋敷から逃げ出す事にしよう。
私は密かに心に誓うのだった。
知り合って間がないモーガンだけれど、沈着冷静な人物で慌てるような行動を起こす事が無いと勝手に思い込んでいたので、この慌てぶりにはとてもびっくりした。
私だけではなく、お義母様もお兄様も驚いていたので、相当珍しい事みたいね。
だけど、どうしてそんなに慌てているのかしら?
もしかして、私が偽者だとバレた?
モーガンがお義母様の隣に立って、テーブルの向こうから指差して「この娘は偽物です!」なんて叫ぶのを想像してしまったわ。
そして想像の通りにモーガンはお義母様の隣に立った。
…いよいよ断罪されるのかしら…。
私は更に身を固くしながらモーガンの言動を見守った。
けれどモーガンは私を指差す事もなく、お義母様に向かって恭しく頭を下げる。
「奥様、只今王宮から使いが参りました。先程、王妃様が亡くなられたそうです」
お義母様の側に来て告げられたモーガンの言葉に、私の正体がバレたのでは無いとわかってホッと安堵する。
けれど、それと同時に王妃様が亡くなられたという驚きと、どうしてそれがこの公爵家にすぐ知らされるのかという疑問が湧いた。
「そう、わかったわ。流石にこれから弔問に行くわけにもいかないでしょうから、明日伺うと伝えてちょうだい。ああ、明日はハミルトンが向かうと言う事も付け加えておいてね」
モーガンは再びお義母様にお辞儀をすると、入って来た時とは対象的に、いつもの落ち着き払った態度で食堂から出て行った。
王妃様が亡くなったという知らせを聞いてもお義母様もお兄様も特に驚いたり悲しんだりはしていない。
知らせは来るけれど、特に身内でも親しい間柄でもないって事なのかしら?
お兄様も淡々とした様子でお義母様に「わかりました」とだけ返している。
その事務的な返事に、まるでこうなる事がわかっていたような印象を受けてそういえば、と思い出した。
今朝の買い物の時に街でお兄様の友人と会った際、その人の叔母がもう長くはないと言っていたっけ。
つまりはその叔母が王妃様という事になって、あの友人も王家と繋がりがあると言う事になるわね。
それでもどうしてこの家にその知らせが来るのか知りたくて、私はおずおずとお義母様に切り出した。
「あの、お義母様。王妃様が亡くなられたと知らせが来るのはどうしてですか?」
私の質問にお義母様は嫌な顔もせずにあっさりとした口調で答えてくれた。
「ああ、それはこの家が王家の親族に当たるからよ。お義父様が前国王の弟なの」
「えっ?」
お義父様って事はつまり、お祖父様が前国王の弟って事!?
予想外の答えに私は頭がクラリとする。
まさか、この公爵家が王家と繋がりがあるなんて思ってもみなかった。
確かに王族の次に位が高いし、王位を継がなかった王族が公爵の地位を賜る事はよくある話だけれど、まさかお祖父様が前国王の弟だとは思ってもみなかったわ。
最初からそれを知っていれば、身代わりなんてだいそれた事を考えたりはしなかったのに…。
いえ、違うわね。
ベイルさんが私をジェシカだと勘違いした時点でちゃんと正していれば良かったのよ。
ジェシカの無念を直接訴えてやろうとか、少しお金を融通して貰おうとか考えた私がバカだったんだわ。
最初からジェシカの友達で、ジェシカの思いを直接伝えたいから会わせて欲しいとお願いしてたら良かったのよ。
そう言っていれば、ベイルさんも私の訴えを無下にはしなかったはずだわ、多分…。
けれど今更言っても仕方がないわね。
お祖父様の車椅子が出来て、問題なく過ごせるようになったら、隙を見てこの屋敷から逃げ出す事にしよう。
私は密かに心に誓うのだった。
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