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29 弔問(ユージーン視点)
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母上が亡くなった事はすぐに実家であるハリントン侯爵家と、父上の叔父のアシェトン公爵家に伝えられた。
その他の貴族達には明日、葬儀の日時が決まってから伝えられるだろう。
ハリントン侯爵家とアシェトン公爵家からはすぐにお悔やみの言葉と明日の弔問の連絡が来た。
きっとロジャーとハミルトンが弔問客として来るはずだ。
ハリントン侯爵家の当主である母上の兄は母上の事をあまり良く思っていなかった。
自分のライバルを蹴落とす為に侯爵家の権限を使いたいだけ使ってきたからな。
娘に甘い当時のハリントン侯爵は、娘の言いなりで次期当主としては苦々しく思っていたようから、亡くなってくれてホッとしている事だろう。
翌朝、両家を迎え入れる準備を終えて待っていると、アシェトン公爵家がやってきたと連絡が入った。
すぐに玄関に向かって出迎えると、やはりやって来たのはハミルトンだった。
「ユージーン様、この度はお悔やみを申し上げます」
周りに人がいるせいか、かしこまった物言いをしてくるハミルトンに「ああ」とだけ返す。
ロジャーは到着次第、案内するようにと告げてそのまま母上の遺体が安置してある別邸へと向かった。
以前、ハミルトンが母上を見舞った時はまだ彼の祖母が存命の時だった。
あれだけ元気だった彼の祖母が母上よりも先に天に召されるとは誰もが想像すらしていなかった。
「母上が亡くなったと聞いて遺体を見れば涙の一つも出るかと思ったが、何の感情も沸かなかったよ」
母上の遺体の前で自虐気味に告げると、ポンと慰めるように肩を叩いてくる。
そんなハミルトンを見ると、以前と雰囲気が違っているのに気が付いた。
もしかして最近アシェトン公爵家に来たという妹の存在が関係しているのか?
「そういえばハミルトンには妹がいたんだって? ロジャーが街で出会ったと言っていたぞ」
そう話を振ると何故か照れたような表情を浮かべる。
…何だ、その顔は?
詳しく話を聞こうとした所で、ロジャーが侍従に案内されて部屋に入って来た。
「ユージーン、遅れてすまない。ハミルトン、随分と早かったな」
ロジャーは軽く挨拶をすると母上の遺体の側に近寄って黙祷を捧げた。
「後で父上も顔を出すと言っていた。散々面倒をかけられたが、それでもたった一人の妹だからって言ってたよ」
ロジャーが伯父上について知らせてくれた。
「そうか、ありがとう。向こうでお茶でもどうだ? ハミルトンには色々と聞きたい事もあるしな」
母上の部屋を出て応接室に向かい、侍従にお茶を用意させる。
僕達がソファーでくつろぐ中、カチャカチャと茶器の置かれる音が響く。
準備が終わって侍従達が退室して僕達だけになると、皆が取り繕った顔をフニャリと緩めた。
「ハミルトンに聞きたい事って、例の妹の事か? なかなか可愛い娘だったな。ハミルトンとはあまり似てなかったが…」
「ハミルトンはパトリシア様にそっくりだからな。妹はどっちに似ているんだ?」
ロジャーと僕が矢継ぎ早に質問する中、ハミルトンはお茶を飲みながら次に発する言葉を捜しているようだった。
僕とロジャーがハミルトンの言葉を待っていると、やがて決心したように口を開く。
「…ジェシカは僕の妹じゃないようだ」
「「は?」」
突然の爆弾発言に僕とロジャーの間の抜けたような返事が重なる。
いきなり現れた妹の存在を認めたくないのはわかるが、「妹じゃない」と否定するのはどうなんだ?
ロジャーからは「仲良く買い物をしていた」と聞かされていたから、てっきり受け入れていると思っていたが違うのか?
ロジャーもハミルトンの発言に怪訝な顔をしている。
実際に二人を間近で見ているから余計に困惑しているようだ。
「ハミルトン、一体どういう事だ? ちゃんと弁護士が見つけて来たんだろう?」
僕がハミルトンに説明を求めると、ハミルトンは何故か喜々として話し始める。
それは驚きの内容だった。
その他の貴族達には明日、葬儀の日時が決まってから伝えられるだろう。
ハリントン侯爵家とアシェトン公爵家からはすぐにお悔やみの言葉と明日の弔問の連絡が来た。
きっとロジャーとハミルトンが弔問客として来るはずだ。
ハリントン侯爵家の当主である母上の兄は母上の事をあまり良く思っていなかった。
自分のライバルを蹴落とす為に侯爵家の権限を使いたいだけ使ってきたからな。
娘に甘い当時のハリントン侯爵は、娘の言いなりで次期当主としては苦々しく思っていたようから、亡くなってくれてホッとしている事だろう。
翌朝、両家を迎え入れる準備を終えて待っていると、アシェトン公爵家がやってきたと連絡が入った。
すぐに玄関に向かって出迎えると、やはりやって来たのはハミルトンだった。
「ユージーン様、この度はお悔やみを申し上げます」
周りに人がいるせいか、かしこまった物言いをしてくるハミルトンに「ああ」とだけ返す。
ロジャーは到着次第、案内するようにと告げてそのまま母上の遺体が安置してある別邸へと向かった。
以前、ハミルトンが母上を見舞った時はまだ彼の祖母が存命の時だった。
あれだけ元気だった彼の祖母が母上よりも先に天に召されるとは誰もが想像すらしていなかった。
「母上が亡くなったと聞いて遺体を見れば涙の一つも出るかと思ったが、何の感情も沸かなかったよ」
母上の遺体の前で自虐気味に告げると、ポンと慰めるように肩を叩いてくる。
そんなハミルトンを見ると、以前と雰囲気が違っているのに気が付いた。
もしかして最近アシェトン公爵家に来たという妹の存在が関係しているのか?
「そういえばハミルトンには妹がいたんだって? ロジャーが街で出会ったと言っていたぞ」
そう話を振ると何故か照れたような表情を浮かべる。
…何だ、その顔は?
詳しく話を聞こうとした所で、ロジャーが侍従に案内されて部屋に入って来た。
「ユージーン、遅れてすまない。ハミルトン、随分と早かったな」
ロジャーは軽く挨拶をすると母上の遺体の側に近寄って黙祷を捧げた。
「後で父上も顔を出すと言っていた。散々面倒をかけられたが、それでもたった一人の妹だからって言ってたよ」
ロジャーが伯父上について知らせてくれた。
「そうか、ありがとう。向こうでお茶でもどうだ? ハミルトンには色々と聞きたい事もあるしな」
母上の部屋を出て応接室に向かい、侍従にお茶を用意させる。
僕達がソファーでくつろぐ中、カチャカチャと茶器の置かれる音が響く。
準備が終わって侍従達が退室して僕達だけになると、皆が取り繕った顔をフニャリと緩めた。
「ハミルトンに聞きたい事って、例の妹の事か? なかなか可愛い娘だったな。ハミルトンとはあまり似てなかったが…」
「ハミルトンはパトリシア様にそっくりだからな。妹はどっちに似ているんだ?」
ロジャーと僕が矢継ぎ早に質問する中、ハミルトンはお茶を飲みながら次に発する言葉を捜しているようだった。
僕とロジャーがハミルトンの言葉を待っていると、やがて決心したように口を開く。
「…ジェシカは僕の妹じゃないようだ」
「「は?」」
突然の爆弾発言に僕とロジャーの間の抜けたような返事が重なる。
いきなり現れた妹の存在を認めたくないのはわかるが、「妹じゃない」と否定するのはどうなんだ?
ロジャーからは「仲良く買い物をしていた」と聞かされていたから、てっきり受け入れていると思っていたが違うのか?
ロジャーもハミルトンの発言に怪訝な顔をしている。
実際に二人を間近で見ているから余計に困惑しているようだ。
「ハミルトン、一体どういう事だ? ちゃんと弁護士が見つけて来たんだろう?」
僕がハミルトンに説明を求めると、ハミルトンは何故か喜々として話し始める。
それは驚きの内容だった。
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