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97 処罰
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「フェリシア様、申し訳ありません。僕がきちんとアンジェリカに『妹以上の感情はない』と告げていればこんな事にはならなかったでしょうに…」
ハミルトンが私に謝罪してくるが、別にハミルトンの責任ではないと思う。
私だってアンジェリカの気持ちには薄々気付いていながら、私とハミルトンの婚約が発表されれば諦めてくれるとたかをくくっていたのだから。
それよりも婚約が決まったのに未だに私に対して敬語を使ってくるハミルトンに少々不満がある。
人目がある以上、そういう態度を崩せないのは仕方がないのだろう。
今は私が王女という立場でハミルトンより上なのだから。
アンジェリカ達が退出してからは、滞りなくパーティーは進んで行き、やがてお開きの時間になった。
ハミルトンは名残惜しそうにしながらアシェトン公爵家に帰って行った。
招待客がすべて居なくなると私とお兄様はお父様の部屋に呼び出された。
話の内容は当然、アンジェリカに対する処罰についてだろう。
私とお兄様が着席すると、おもむろにお父様が口を開いた。
「さて、フェリシア。アンジェリカ嬢に対してどんな処罰を望むのか聞かせてもらおうか」
普段のお父様からは想像もつかないくらいの厳しい目が私に向けられる。
大勢の人の前で私がアンジェリカに罵倒されてはらわたが煮えくり返るくらいの怒りを覚えているのだろう。
おまけにただのパーティーではなくて、息子の婚約発表の場だったのだから尚更だろう。
だけど、私にはアンジェリカを罰する気にはならない。
私だって長年好きだった人を、横から掻っ攫われたら平静ではいられないと思うからだ。
かと言って処罰無しでは、王族としての威厳も保てなくなるだろう。
「直接被害を被ったわけでもないので、出来れば不問にしたいところですが、そういうわけにはいかないんでしょう?」
お父様の顔色を伺いながら尋ねると、当たり前だと言わんばかりに頷かれた。
「これが女性だけのお茶会とかなら、口外無用として処理出来たかもしれないが、流石にそれは難しいな。今まで平民として生きてきたフェリシアには納得がいかないかもしれないが、相応の罰を与えるのは当然の事だ」
思わず膝の上に置いた手でドレスをぎゅっと握りしめた私をお兄様が優しく指に触れてくる。
「フェリシア。私とセシリアの事なら気にしなくて良いよ。すぐにフェリシアが場を治めてくれたからね」
お兄様に慰められて私はそっと指の力を抜いた。
前世で読んでいた異世界物では、強制労働だったり、国外追放だったり、処刑されたりという展開だったけれど、流石にそこまで厳しいものにしたくない。
「それでは、お父様。アンジェリカ嬢には一年間、修道院に行ってもらいたいと思います」
社交デビューしたばかりのアンジェリカが修道院送りにされるのは辛いだろう。
一年後、戻ってきても社交界で受け入れられるかどうかも微妙なところだ。
けれど、後の事はフォスター侯爵家で考えればいいだろう。
アンジェリカは現在自宅にいるが、部屋の扉の前には騎士が立っていて実質軟禁状態らしい。
「わかった。明日、フォスター侯爵家にそのように伝えよう。もう戻っていいぞ」
私とお兄様は立ち上がってお父様に暇を告げると、自室へと戻った。
「フェリシア、気に病む事はないよ。あの場でフェリシアを凶弾したらどうなるかくらい考えが及ばなかったアンジェリカ嬢が悪いんだ。貴族としての体面を保つ事を忘れたらどうなるか、知らないはずはないからね」
部屋に入ろうとする私をお兄様が慰めてくれる。
「ありがとうございます、お兄様。おやすみなさい」
私はお兄様に軽く微笑んで部屋に入った。
ドレスを脱いでお風呂に入っても、私の気分が晴れる事はなかった。
本当にこれで良かったのだろうか?
ベッドに横になっても一向に眠れそうにない。
まんじりともしないまま、私は朝を迎えた。
ハミルトンが私に謝罪してくるが、別にハミルトンの責任ではないと思う。
私だってアンジェリカの気持ちには薄々気付いていながら、私とハミルトンの婚約が発表されれば諦めてくれるとたかをくくっていたのだから。
それよりも婚約が決まったのに未だに私に対して敬語を使ってくるハミルトンに少々不満がある。
人目がある以上、そういう態度を崩せないのは仕方がないのだろう。
今は私が王女という立場でハミルトンより上なのだから。
アンジェリカ達が退出してからは、滞りなくパーティーは進んで行き、やがてお開きの時間になった。
ハミルトンは名残惜しそうにしながらアシェトン公爵家に帰って行った。
招待客がすべて居なくなると私とお兄様はお父様の部屋に呼び出された。
話の内容は当然、アンジェリカに対する処罰についてだろう。
私とお兄様が着席すると、おもむろにお父様が口を開いた。
「さて、フェリシア。アンジェリカ嬢に対してどんな処罰を望むのか聞かせてもらおうか」
普段のお父様からは想像もつかないくらいの厳しい目が私に向けられる。
大勢の人の前で私がアンジェリカに罵倒されてはらわたが煮えくり返るくらいの怒りを覚えているのだろう。
おまけにただのパーティーではなくて、息子の婚約発表の場だったのだから尚更だろう。
だけど、私にはアンジェリカを罰する気にはならない。
私だって長年好きだった人を、横から掻っ攫われたら平静ではいられないと思うからだ。
かと言って処罰無しでは、王族としての威厳も保てなくなるだろう。
「直接被害を被ったわけでもないので、出来れば不問にしたいところですが、そういうわけにはいかないんでしょう?」
お父様の顔色を伺いながら尋ねると、当たり前だと言わんばかりに頷かれた。
「これが女性だけのお茶会とかなら、口外無用として処理出来たかもしれないが、流石にそれは難しいな。今まで平民として生きてきたフェリシアには納得がいかないかもしれないが、相応の罰を与えるのは当然の事だ」
思わず膝の上に置いた手でドレスをぎゅっと握りしめた私をお兄様が優しく指に触れてくる。
「フェリシア。私とセシリアの事なら気にしなくて良いよ。すぐにフェリシアが場を治めてくれたからね」
お兄様に慰められて私はそっと指の力を抜いた。
前世で読んでいた異世界物では、強制労働だったり、国外追放だったり、処刑されたりという展開だったけれど、流石にそこまで厳しいものにしたくない。
「それでは、お父様。アンジェリカ嬢には一年間、修道院に行ってもらいたいと思います」
社交デビューしたばかりのアンジェリカが修道院送りにされるのは辛いだろう。
一年後、戻ってきても社交界で受け入れられるかどうかも微妙なところだ。
けれど、後の事はフォスター侯爵家で考えればいいだろう。
アンジェリカは現在自宅にいるが、部屋の扉の前には騎士が立っていて実質軟禁状態らしい。
「わかった。明日、フォスター侯爵家にそのように伝えよう。もう戻っていいぞ」
私とお兄様は立ち上がってお父様に暇を告げると、自室へと戻った。
「フェリシア、気に病む事はないよ。あの場でフェリシアを凶弾したらどうなるかくらい考えが及ばなかったアンジェリカ嬢が悪いんだ。貴族としての体面を保つ事を忘れたらどうなるか、知らないはずはないからね」
部屋に入ろうとする私をお兄様が慰めてくれる。
「ありがとうございます、お兄様。おやすみなさい」
私はお兄様に軽く微笑んで部屋に入った。
ドレスを脱いでお風呂に入っても、私の気分が晴れる事はなかった。
本当にこれで良かったのだろうか?
ベッドに横になっても一向に眠れそうにない。
まんじりともしないまま、私は朝を迎えた。
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