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8 待ち合わせ場所
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やれやれ、今度は何処に飛ばされたんだ?
周りを見渡して見ても王宮から出た事がない僕には解らない。
アレクシスを見上げると、はぁ~と大きなため息を吐いていた。
そういえばオーギュが現れた途端、何故か直立不動で固まっていたっけ。
「びっくりしました。まさか守護神様に会えるなんて」
「だからってそんなに緊張する?」
「当然じゃないですか! 王子は紋章で繋がっているから平気かも知れませんが、オーラが半端なかったですよ!」
アレクシスは力説するけど、そんなものはまるで感じなかった。やっぱり紋章のおかげなのかな。
気を取り直したように、アレクシスが僕の手を取り歩き出す。
「父上との待ち合わせ場所はこちらです。行きましょう」
アレクシスに促されるまま歩き出す。
オーギュは森の出口に転移させてくれたらしいけど、アレクシスはまた森の中に入って行くようだ。
辺りは同じ様な景色が続くけど、何処まで行くんだろう?
しばらく歩くと前方に小屋が見えた。
「あれは?」
問い掛けるとアレクシスは苦笑した。
「我が家で使っている休憩所です。緊急事態の待ち合わせ場所でもあります。隠匿の魔法をかけているので、魔力の低い者には見つからないようになっています。私はこの魔導具で辿り着けるのですが、やはり王子は魔力が高いのですね」
そうか。僕はこの小屋が見える位、魔力があるのか。今まで魔力なんて測った事がなかったから知らなかったよ。
中に入ると思ったより広かった。魔法で拡張してあると言う。食料に着替え、武器までも置いてあった。何があっても良いように備えてあるんだろう。
備えあれば憂い無し、と言う言葉を思い出した。ちょっとおバカな友人は「備えあれば嬉しいな」って言ってたっけ。あながち間違いじゃないけどね。
部屋の真ん中にテーブルと椅子が置いてある。椅子に腰掛けてようやく落ち着いた。
「お腹空いてませんか?」
「いや、別に‥‥」
言いかけた途端、お腹がく~っと鳴った。
お行儀のいいヤツだ。
アレクシスは笑いながらすぐに食べられる物がいいだろうと、パンを出しお茶を入れてくれた。
「「いただきます」」
二人で黙ってパンを囓る。
僕は疑問に思っている事を口にした。
「新王っていうのはやっぱり宰相かな?」
「おそらくそうでしょう。王家の血筋の方は何人か居られますが、国王夫妻以外は宰相、カイン、王子の3人です。その中で成人しているのは宰相だけですから」
アレクシスの言葉に頷く。宰相は王位を得るために両親を殺したのか。
「カインはアレクシスと同い年だったっけ?」
「そうです。小さい頃は母親同士のお茶会で何回か顔を合わせました。僕と同じ様な普通のやんちゃな男の子でしたよ。でも7才の頃にカインの母親が亡くなってからはほとんど交流がありません。この間、久しぶりに見かけた時はまるで雰囲気が変わっていてびっくりした覚えがあります」
そういえば僕のお披露目の時、そんな話をしていたな。
覚えていると、言うわけにもいかないので「ふうん」とだけ返事をする。
「僕を殺そうとしたのは何故だろう?」
アレクシスは首を捻りながら
「今思えば不思議ですね。宰相が命じたとも思えないし。確実に殺したいならカインではなくて他の人に命令するでしょう」
そう言った後で「すみません」と謝ってくる。
そんなに気にしなくてもいいのに。
沈黙が流れる中、突然ドアが開いた。
敵か! と身構えたらジェイクだった。
「父上! ご無事でしたか?」
アレクシスが嬉しそうに駆け寄って行く。二人が抱き合うのを見て鼻の奥がツンとなった。
「遅くなってすまない。ちょっと情報収集をしていた」
アレクシスから体を離し、ジェイクは椅子に腰掛けた。アレクシスも元の席に戻る。
「王宮は今どうなってる?」
僕の問い掛けに一瞬目を見開いたが、すぐに真剣な顔つきになった。
「ユリウスから見た目通りの子供じゃないと、聞いていましたが、本当の様ですね。それでは何もかも包み隠さずお話しましょう」
父上を陛下ではなくて名前で呼ぶ。
父上とは友達だと聞いた事があった。よく見るとジェイクの目が赤い。父上の死に泣いてくれたのだろう。
ジェイクの言葉に僕は力強く頷いた。
周りを見渡して見ても王宮から出た事がない僕には解らない。
アレクシスを見上げると、はぁ~と大きなため息を吐いていた。
そういえばオーギュが現れた途端、何故か直立不動で固まっていたっけ。
「びっくりしました。まさか守護神様に会えるなんて」
「だからってそんなに緊張する?」
「当然じゃないですか! 王子は紋章で繋がっているから平気かも知れませんが、オーラが半端なかったですよ!」
アレクシスは力説するけど、そんなものはまるで感じなかった。やっぱり紋章のおかげなのかな。
気を取り直したように、アレクシスが僕の手を取り歩き出す。
「父上との待ち合わせ場所はこちらです。行きましょう」
アレクシスに促されるまま歩き出す。
オーギュは森の出口に転移させてくれたらしいけど、アレクシスはまた森の中に入って行くようだ。
辺りは同じ様な景色が続くけど、何処まで行くんだろう?
しばらく歩くと前方に小屋が見えた。
「あれは?」
問い掛けるとアレクシスは苦笑した。
「我が家で使っている休憩所です。緊急事態の待ち合わせ場所でもあります。隠匿の魔法をかけているので、魔力の低い者には見つからないようになっています。私はこの魔導具で辿り着けるのですが、やはり王子は魔力が高いのですね」
そうか。僕はこの小屋が見える位、魔力があるのか。今まで魔力なんて測った事がなかったから知らなかったよ。
中に入ると思ったより広かった。魔法で拡張してあると言う。食料に着替え、武器までも置いてあった。何があっても良いように備えてあるんだろう。
備えあれば憂い無し、と言う言葉を思い出した。ちょっとおバカな友人は「備えあれば嬉しいな」って言ってたっけ。あながち間違いじゃないけどね。
部屋の真ん中にテーブルと椅子が置いてある。椅子に腰掛けてようやく落ち着いた。
「お腹空いてませんか?」
「いや、別に‥‥」
言いかけた途端、お腹がく~っと鳴った。
お行儀のいいヤツだ。
アレクシスは笑いながらすぐに食べられる物がいいだろうと、パンを出しお茶を入れてくれた。
「「いただきます」」
二人で黙ってパンを囓る。
僕は疑問に思っている事を口にした。
「新王っていうのはやっぱり宰相かな?」
「おそらくそうでしょう。王家の血筋の方は何人か居られますが、国王夫妻以外は宰相、カイン、王子の3人です。その中で成人しているのは宰相だけですから」
アレクシスの言葉に頷く。宰相は王位を得るために両親を殺したのか。
「カインはアレクシスと同い年だったっけ?」
「そうです。小さい頃は母親同士のお茶会で何回か顔を合わせました。僕と同じ様な普通のやんちゃな男の子でしたよ。でも7才の頃にカインの母親が亡くなってからはほとんど交流がありません。この間、久しぶりに見かけた時はまるで雰囲気が変わっていてびっくりした覚えがあります」
そういえば僕のお披露目の時、そんな話をしていたな。
覚えていると、言うわけにもいかないので「ふうん」とだけ返事をする。
「僕を殺そうとしたのは何故だろう?」
アレクシスは首を捻りながら
「今思えば不思議ですね。宰相が命じたとも思えないし。確実に殺したいならカインではなくて他の人に命令するでしょう」
そう言った後で「すみません」と謝ってくる。
そんなに気にしなくてもいいのに。
沈黙が流れる中、突然ドアが開いた。
敵か! と身構えたらジェイクだった。
「父上! ご無事でしたか?」
アレクシスが嬉しそうに駆け寄って行く。二人が抱き合うのを見て鼻の奥がツンとなった。
「遅くなってすまない。ちょっと情報収集をしていた」
アレクシスから体を離し、ジェイクは椅子に腰掛けた。アレクシスも元の席に戻る。
「王宮は今どうなってる?」
僕の問い掛けに一瞬目を見開いたが、すぐに真剣な顔つきになった。
「ユリウスから見た目通りの子供じゃないと、聞いていましたが、本当の様ですね。それでは何もかも包み隠さずお話しましょう」
父上を陛下ではなくて名前で呼ぶ。
父上とは友達だと聞いた事があった。よく見るとジェイクの目が赤い。父上の死に泣いてくれたのだろう。
ジェイクの言葉に僕は力強く頷いた。
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