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19 襲来者?
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王都を追われて十年、僕は十五歳になった。
身長も随分伸びたけど、相変わらず兄さんには追いつけない。
本当の兄弟じゃないから当たり前なんだけど、それがなんだかとても悔しい。
実の両親と過ごした時間より、今の父さん達といる時間の方が長くなってしまったからだ。
鏡をみれば、両親の顔を思い出す事が出来るけど、声なんて記憶にあるものが正しいのかわからなくなる。
父さんに言わせると、僕は母上にそっくりらしい。目の色が同じだからかな。
時々、ふと思う。
このまま、ずっと父さん達と家族として暮らしていってもいいんじゃないかって。
でもそれは僕の我儘だ。
父さんも兄さんも口にはしないけど、エミリア、つまり父さんの奥さんがどうしているか気になっていると思う。
こっそりロビンに尋ねてみたところ、彼も色々探っているらしいが、王宮に戻れない今はわからないそうだ。
そのロビンは辺境伯の所をまわっているという。話を聞いてくれる人もいるが、中には顔を合わせた途端、騎士を差し向けられて慌てて逃げた事もあるらしい。
辺境伯の中には闇魔法をかけられている人もいるって事なんだろう。
あと三年がもどかしい。
だけど、僕に闇魔法をどうにかする事が出来るんだろうか。
今日は朝からシオンと森を探索中だ。
最近、また別の場所に引っ越してきた。
だが、確実に王都に近づいてきている。
いずれ、グレイ達と対峙する時が来るだろう。できれば、無関係の人達は巻き込みたくない。そう考える僕は甘いんだろうか。
『おいっ! ぼやっとするな! 向こうからゴブリンが来るぞ!』
シオンの声にはっと身構えると、ゴブリンが茂みから飛び出して来た。
剣を振り下ろし、一撃で仕留める。
ホッと息をつきシオンは、と見やると‥‥高みの見物かよ。
僕一人に対処させて、自分は知らん顔で後ろ足で耳の後ろを掻いている。
おかしいな?
僕はテイマーのはずなんだけど。
何で僕が魔物を倒してるんだ。
「シオン、何やってんだよ」
『悪い悪い。急に痒くなって。ノミかな?』
僕のジト目を意に介さずなおも掻きむしってる。あんまり掻くと血が出るぞ。
あれじゃ、フェンリルじゃなくてただの犬だな。
シオンは放っといて更に奥へと進むと少し開けた所に出る。
空を見上げると雲一つない晴天で、すごく気持ちがいい。
「あれ?」
何かがこっちに向かって飛んで来ているみたいだ。
「なんだろう?」
見ているとグングン近づいてきている。かなりスピードが出ているみたい。
『危ない! 避けろ!』
えっ、と思った時にはシオンに突き飛ばされ、地面に倒れ込んでいた。と同時に僕が立っていた場所に何かが激突している。
それよりも‥‥
「シオン、重たい! 降りて!」
何でシオンが僕の上に乗ってるんだよ。
ジタバタしてると、『チッ』と舌打ちをしてしぷしぶ降りてくれた。
ホント、最近僕の扱いがヒドくないか。
危うく窒息死するところだった。
だけどいったい、何が落ちてきたんだ。
起き上がって見ると、何かが倒れてる。
あれは、鳥?
すごくキラキラ光ってる。
生きてるのかな?
恐る恐る近づくと、目を閉じたまま動かない。
死んじゃったのかな、と思いながらツンツンと突いてみると
『キャー、エッチ! どこ触ってんのよ!』
と飛び上がってバタバタ羽ばたきだした。
どこって言われても適当に突いたから知らないよ。
てか、鳥が喋ってる?
「君、誰?」
僕の言葉が聞こえたのか、鳥はその場に降り立つと僕をじっと見た。首を傾げながら
『あなたがフェリクス?』
「そうだけど、君は?」
どうして僕を知っているんだろうと思いながら問うと、パッと人型になった。ブロンドの妖艶なお姉さんだ。
びっくりしていると、いきなり僕に抱きついてくる。
『イヤ~ン、かわいい』
ワタワタしていると、唇にディープキスをされる。
あ、僕のファーストキスが‥‥。
「ん~~~!」
何とかお姉さんを引き剥がそうとするのに、どこにそんな力があるのか、びくともしない。
誰か、助けて~!
身長も随分伸びたけど、相変わらず兄さんには追いつけない。
本当の兄弟じゃないから当たり前なんだけど、それがなんだかとても悔しい。
実の両親と過ごした時間より、今の父さん達といる時間の方が長くなってしまったからだ。
鏡をみれば、両親の顔を思い出す事が出来るけど、声なんて記憶にあるものが正しいのかわからなくなる。
父さんに言わせると、僕は母上にそっくりらしい。目の色が同じだからかな。
時々、ふと思う。
このまま、ずっと父さん達と家族として暮らしていってもいいんじゃないかって。
でもそれは僕の我儘だ。
父さんも兄さんも口にはしないけど、エミリア、つまり父さんの奥さんがどうしているか気になっていると思う。
こっそりロビンに尋ねてみたところ、彼も色々探っているらしいが、王宮に戻れない今はわからないそうだ。
そのロビンは辺境伯の所をまわっているという。話を聞いてくれる人もいるが、中には顔を合わせた途端、騎士を差し向けられて慌てて逃げた事もあるらしい。
辺境伯の中には闇魔法をかけられている人もいるって事なんだろう。
あと三年がもどかしい。
だけど、僕に闇魔法をどうにかする事が出来るんだろうか。
今日は朝からシオンと森を探索中だ。
最近、また別の場所に引っ越してきた。
だが、確実に王都に近づいてきている。
いずれ、グレイ達と対峙する時が来るだろう。できれば、無関係の人達は巻き込みたくない。そう考える僕は甘いんだろうか。
『おいっ! ぼやっとするな! 向こうからゴブリンが来るぞ!』
シオンの声にはっと身構えると、ゴブリンが茂みから飛び出して来た。
剣を振り下ろし、一撃で仕留める。
ホッと息をつきシオンは、と見やると‥‥高みの見物かよ。
僕一人に対処させて、自分は知らん顔で後ろ足で耳の後ろを掻いている。
おかしいな?
僕はテイマーのはずなんだけど。
何で僕が魔物を倒してるんだ。
「シオン、何やってんだよ」
『悪い悪い。急に痒くなって。ノミかな?』
僕のジト目を意に介さずなおも掻きむしってる。あんまり掻くと血が出るぞ。
あれじゃ、フェンリルじゃなくてただの犬だな。
シオンは放っといて更に奥へと進むと少し開けた所に出る。
空を見上げると雲一つない晴天で、すごく気持ちがいい。
「あれ?」
何かがこっちに向かって飛んで来ているみたいだ。
「なんだろう?」
見ているとグングン近づいてきている。かなりスピードが出ているみたい。
『危ない! 避けろ!』
えっ、と思った時にはシオンに突き飛ばされ、地面に倒れ込んでいた。と同時に僕が立っていた場所に何かが激突している。
それよりも‥‥
「シオン、重たい! 降りて!」
何でシオンが僕の上に乗ってるんだよ。
ジタバタしてると、『チッ』と舌打ちをしてしぷしぶ降りてくれた。
ホント、最近僕の扱いがヒドくないか。
危うく窒息死するところだった。
だけどいったい、何が落ちてきたんだ。
起き上がって見ると、何かが倒れてる。
あれは、鳥?
すごくキラキラ光ってる。
生きてるのかな?
恐る恐る近づくと、目を閉じたまま動かない。
死んじゃったのかな、と思いながらツンツンと突いてみると
『キャー、エッチ! どこ触ってんのよ!』
と飛び上がってバタバタ羽ばたきだした。
どこって言われても適当に突いたから知らないよ。
てか、鳥が喋ってる?
「君、誰?」
僕の言葉が聞こえたのか、鳥はその場に降り立つと僕をじっと見た。首を傾げながら
『あなたがフェリクス?』
「そうだけど、君は?」
どうして僕を知っているんだろうと思いながら問うと、パッと人型になった。ブロンドの妖艶なお姉さんだ。
びっくりしていると、いきなり僕に抱きついてくる。
『イヤ~ン、かわいい』
ワタワタしていると、唇にディープキスをされる。
あ、僕のファーストキスが‥‥。
「ん~~~!」
何とかお姉さんを引き剥がそうとするのに、どこにそんな力があるのか、びくともしない。
誰か、助けて~!
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