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学院編
78 魔力感知器
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「エドアルド・エルガーさん」
名前を呼ばれて僕は立ち上がると衝立ての方に向かって歩き出した。
ギクシャクとした動きになるのは、それだけ緊張しているのだろうか?
衝立てのない所から中に入ると、中央の台の上に置かれたボウリングの球くらいの大きな水晶玉がその存在を露わにしていた。
「さあ、座ってください」
ディクソン先生に促されて僕は奥の椅子に腰掛けた。
「では、この魔力感知器に両手を置いてください」
ただの水晶玉ではなくて、魔力感知器らしい。
よく見ると水晶玉の置かれた台座の周囲に魔石が嵌め込まれている。
僕は両手を水晶玉に押し当てた。
すると、水晶玉に触れている部分から、何かが身体の中から引き出されるような感覚に襲われた。
すると、台座に嵌め込まれた魔石が一斉に光りだした。
「こ、これは…」
ディクソン先生が驚愕の目で魔石の光を見つめている。
だが、いつまでこうやっていればいいんだろう?
「あの、先生? もう手を離してもいいですか?」
驚いたまま固まっているディクソン先生に声をかけると、先生はハッと我に返ったようだ。
「も、もう、良いですよ。手を離してください」
僕が水晶玉から手を離すと、光っていた魔石もその光を失くした。
「エ、エルガーさん、あなたは一体、誰ですか?」
ディクソン先生に問われ、僕はドキッとするが、必死で何気ないふりを装う。
「誰って、どういう意味ですか?」
「だって、男爵家の血筋ではあり得ない魔力量ですよ。まるで王族に匹敵するくらいの…」
どうやら魔石をすべて光らせた事がマズかったようだ。
だけど、僕が狙って魔石を光らせた訳じゃないから、ただの不可抗力なんだけれどな。
けれど、ここでディクソン先生に不信感を抱かれるわけにはいかない。
「先生、実は僕は捨て子で孤児院に居たんです。それを今の両親が僕を養子にしてくれました。実の両親が何処の誰かは分かっていません。だから、もしかしたら僕は高位貴族の落し胤なのかもしれません」
そう切り出すとディクソン先生はまたもや驚いた顔を見せる。
「万が一、僕の親が高位貴族だった場合、僕の存在は彼等にとっては疎ましいだけかもしれません。場合によっては命を狙われるかも…。だから。先生。この事は誰にも秘密にしてもらえませんか?」
僕は必死でディクソン先生に訴えかけた。
実際に命を狙われるかは疑問だけれど、僕の存在が国王夫妻にとっては疎ましいものなのは間違いないだろう。
ディクソン先生も貴族との付き合いは長いようで、僕の話を聞いて納得したような表情を見せる。
「エルガーさんの事情はわかりました。魔力検査の結果は学院に報告の義務はありませんので、私の胸の中に収めておきます。ただ、こうして魔力があるとわかったので、これからの授業での選択肢が広がる事は覚えておいてください」
「先生、ありがとうございます!」
勢いよく頭を下げたせいで「ゴン」と台に頭をぶつけてしまった。
そんな僕を見てディクソン先生がクスクスと笑う。
「まあ、エルガーさんは意外とそそっかしいのですね」
ディクソン先生に笑われて、僕はおでこをさすりながら「エヘヘ」と照れ笑いをする。
衝立てから出ると、こちらを見ているアーサーと目が合った。
心配そうなアーサーの視線を受けて、僕は軽く微笑んでみせると、アーサーも安心したように微笑み返してくれた。
そのまま僕は席に戻ると読みかけていた本を開いた。
とりあえず、魔力検査は乗り切ったと言えるだろう。
けれど、これからの学院生活はどうやって乗り切るべきか、悩ましいところだ。
名前を呼ばれて僕は立ち上がると衝立ての方に向かって歩き出した。
ギクシャクとした動きになるのは、それだけ緊張しているのだろうか?
衝立てのない所から中に入ると、中央の台の上に置かれたボウリングの球くらいの大きな水晶玉がその存在を露わにしていた。
「さあ、座ってください」
ディクソン先生に促されて僕は奥の椅子に腰掛けた。
「では、この魔力感知器に両手を置いてください」
ただの水晶玉ではなくて、魔力感知器らしい。
よく見ると水晶玉の置かれた台座の周囲に魔石が嵌め込まれている。
僕は両手を水晶玉に押し当てた。
すると、水晶玉に触れている部分から、何かが身体の中から引き出されるような感覚に襲われた。
すると、台座に嵌め込まれた魔石が一斉に光りだした。
「こ、これは…」
ディクソン先生が驚愕の目で魔石の光を見つめている。
だが、いつまでこうやっていればいいんだろう?
「あの、先生? もう手を離してもいいですか?」
驚いたまま固まっているディクソン先生に声をかけると、先生はハッと我に返ったようだ。
「も、もう、良いですよ。手を離してください」
僕が水晶玉から手を離すと、光っていた魔石もその光を失くした。
「エ、エルガーさん、あなたは一体、誰ですか?」
ディクソン先生に問われ、僕はドキッとするが、必死で何気ないふりを装う。
「誰って、どういう意味ですか?」
「だって、男爵家の血筋ではあり得ない魔力量ですよ。まるで王族に匹敵するくらいの…」
どうやら魔石をすべて光らせた事がマズかったようだ。
だけど、僕が狙って魔石を光らせた訳じゃないから、ただの不可抗力なんだけれどな。
けれど、ここでディクソン先生に不信感を抱かれるわけにはいかない。
「先生、実は僕は捨て子で孤児院に居たんです。それを今の両親が僕を養子にしてくれました。実の両親が何処の誰かは分かっていません。だから、もしかしたら僕は高位貴族の落し胤なのかもしれません」
そう切り出すとディクソン先生はまたもや驚いた顔を見せる。
「万が一、僕の親が高位貴族だった場合、僕の存在は彼等にとっては疎ましいだけかもしれません。場合によっては命を狙われるかも…。だから。先生。この事は誰にも秘密にしてもらえませんか?」
僕は必死でディクソン先生に訴えかけた。
実際に命を狙われるかは疑問だけれど、僕の存在が国王夫妻にとっては疎ましいものなのは間違いないだろう。
ディクソン先生も貴族との付き合いは長いようで、僕の話を聞いて納得したような表情を見せる。
「エルガーさんの事情はわかりました。魔力検査の結果は学院に報告の義務はありませんので、私の胸の中に収めておきます。ただ、こうして魔力があるとわかったので、これからの授業での選択肢が広がる事は覚えておいてください」
「先生、ありがとうございます!」
勢いよく頭を下げたせいで「ゴン」と台に頭をぶつけてしまった。
そんな僕を見てディクソン先生がクスクスと笑う。
「まあ、エルガーさんは意外とそそっかしいのですね」
ディクソン先生に笑われて、僕はおでこをさすりながら「エヘヘ」と照れ笑いをする。
衝立てから出ると、こちらを見ているアーサーと目が合った。
心配そうなアーサーの視線を受けて、僕は軽く微笑んでみせると、アーサーも安心したように微笑み返してくれた。
そのまま僕は席に戻ると読みかけていた本を開いた。
とりあえず、魔力検査は乗り切ったと言えるだろう。
けれど、これからの学院生活はどうやって乗り切るべきか、悩ましいところだ。
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