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学院編
128 待ち伏せ?
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翌朝、スクール馬車で登校してきた僕は馬車を降りた途端、回れ右してまた馬車に乗り込もうとした。
先に降りたアーサーがそれに気付き、慌てて僕の袖を引っ張る。
「エド、どうしたんだよ。何でまた、馬車に乗ろうとするんだ?」
そんなやり取りをしている僕達に一人の人物が近付いてくる。
「おはよう、エドアルド君。何をそこで揉めているんだい?」
僕は馬車に乗るのを諦めて、ため息をつきつつ振り返る。
「おはようございます、エドワード王子」
僕が挨拶をすると、エドワード王子に気付いたアーサーも慌てて頭を下げる。
「お、おはようございます、エドワード王子」
「おはよう。失礼だけど君の名前は?」
「アーサー・コールリッジでごじゃいます」
アーサーったら、テンパっているのか盛大に噛んでいる。
「アーサー君か。よろしく」
エドワード王子はアーサーに軽く挨拶を返すと僕の方に近寄って来た。
ただでさえ皆の注目を集めているのにこれ以上、何を言うつもりなんだろうか。
身構えている僕をよそにエドワード王子は親しげな笑顔を向ける。
「エドアルド君。昨日は決着がつかなくて残念だったね。次は負けないからね。君もしっかり腕を磨いてくれよ」
エドワード王子がそんな宣戦布告をしていると、向こうから誰かが走ってくる足音が近付いて来た。
そちらに視線を向けるとブライアンの姿が目に入った。
恐らくエドワード王子を探しに来たのだろう。
ブライアンが声をかけるより早くエドワード王子はクルリと向きを変えると、そのままブライアンと共に自分の教室へと歩きだした。
エドワード王子がいなくなった事で僕に注目する人は減ったけれど、それでも何人かは僕を見てヒソヒソと話をしている。
「下位貴族なのにどうしてエドワード王子が話しかけたのかしら」
「あんな冴えない風貌でよく恥ずかしげもなくエドワード王子の前に立てるわね」
などと言う陰口が聞こえてくる。
まあ、こんな陰口なんてどうって事はない。
僕が恐れているのは『二人が似ている』と言われる事だ。
幸いこの眼鏡のおかげでそんな声はあがらないみたいだな。
ヒソヒソ声にムッとしているアーサーを宥めながら僕達も教室に向かった。
チャイムが鳴ってディクソン先生がホームルームに現れた。
「おはようございます。急で申し訳ありませんが、今日の魔術の授業は中止になりました。その時間は自習になります」
突然告げられた授業の変更に僕達は驚くばかりだった。
「ディクソン先生。どうして変更になったんですか?」
クラスメイトの一人が質問したが、ディクソン先生は困惑した表情のまま答える。
「私にも理由はわかりません。ただ、マーリン先生に急用が出来たとしか聞いていません」
急用?
一体どうしたんだろう?
昨日のブレンドン王の事と何か関係があるのだろうか?
マーリン先生ことオーウェンが授業を休むなんてよほどの事があったに違いない。
言動はアレだけど、くだらない用事で授業をサボるような先生ではない。
少なくとも僕はそう信じている。
「マーリン先生、どうしたんだろうね」
ディクソン先生が教室を出て行くと、早速アーサーが僕の机の所にやって来た。
「さぁね? 体調でも崩したのかな?」
マーリン先生がエルフだとは言えないので、当たり障りのない事を口にする。
エドワード王子とだったら、昨日の事を引き合いにして色々と考察するんだけど、アーサー相手にそんな話は出来ない。
お得意の時間を止めてオーウェンが現れる事もなく、午前中の授業が終わった。
「エド、食事に行こう」
アーサーと連れ立って食堂に行き、向かい合って座っていると誰かが僕達のテーブルにやって来た。
「一緒に座って良いかな」
「…どうぞ」
そう言って顔を上げた僕は思わず口の中の物を吹き出しそうになった。
「ゴホッ! ゴホッ!」
思いっきりむせていると、隣の席に座った人物が僕の背中を擦ってくる。
「大丈夫か? エドアルド君」
そこにいたのはエドワード王子だった。
先に降りたアーサーがそれに気付き、慌てて僕の袖を引っ張る。
「エド、どうしたんだよ。何でまた、馬車に乗ろうとするんだ?」
そんなやり取りをしている僕達に一人の人物が近付いてくる。
「おはよう、エドアルド君。何をそこで揉めているんだい?」
僕は馬車に乗るのを諦めて、ため息をつきつつ振り返る。
「おはようございます、エドワード王子」
僕が挨拶をすると、エドワード王子に気付いたアーサーも慌てて頭を下げる。
「お、おはようございます、エドワード王子」
「おはよう。失礼だけど君の名前は?」
「アーサー・コールリッジでごじゃいます」
アーサーったら、テンパっているのか盛大に噛んでいる。
「アーサー君か。よろしく」
エドワード王子はアーサーに軽く挨拶を返すと僕の方に近寄って来た。
ただでさえ皆の注目を集めているのにこれ以上、何を言うつもりなんだろうか。
身構えている僕をよそにエドワード王子は親しげな笑顔を向ける。
「エドアルド君。昨日は決着がつかなくて残念だったね。次は負けないからね。君もしっかり腕を磨いてくれよ」
エドワード王子がそんな宣戦布告をしていると、向こうから誰かが走ってくる足音が近付いて来た。
そちらに視線を向けるとブライアンの姿が目に入った。
恐らくエドワード王子を探しに来たのだろう。
ブライアンが声をかけるより早くエドワード王子はクルリと向きを変えると、そのままブライアンと共に自分の教室へと歩きだした。
エドワード王子がいなくなった事で僕に注目する人は減ったけれど、それでも何人かは僕を見てヒソヒソと話をしている。
「下位貴族なのにどうしてエドワード王子が話しかけたのかしら」
「あんな冴えない風貌でよく恥ずかしげもなくエドワード王子の前に立てるわね」
などと言う陰口が聞こえてくる。
まあ、こんな陰口なんてどうって事はない。
僕が恐れているのは『二人が似ている』と言われる事だ。
幸いこの眼鏡のおかげでそんな声はあがらないみたいだな。
ヒソヒソ声にムッとしているアーサーを宥めながら僕達も教室に向かった。
チャイムが鳴ってディクソン先生がホームルームに現れた。
「おはようございます。急で申し訳ありませんが、今日の魔術の授業は中止になりました。その時間は自習になります」
突然告げられた授業の変更に僕達は驚くばかりだった。
「ディクソン先生。どうして変更になったんですか?」
クラスメイトの一人が質問したが、ディクソン先生は困惑した表情のまま答える。
「私にも理由はわかりません。ただ、マーリン先生に急用が出来たとしか聞いていません」
急用?
一体どうしたんだろう?
昨日のブレンドン王の事と何か関係があるのだろうか?
マーリン先生ことオーウェンが授業を休むなんてよほどの事があったに違いない。
言動はアレだけど、くだらない用事で授業をサボるような先生ではない。
少なくとも僕はそう信じている。
「マーリン先生、どうしたんだろうね」
ディクソン先生が教室を出て行くと、早速アーサーが僕の机の所にやって来た。
「さぁね? 体調でも崩したのかな?」
マーリン先生がエルフだとは言えないので、当たり障りのない事を口にする。
エドワード王子とだったら、昨日の事を引き合いにして色々と考察するんだけど、アーサー相手にそんな話は出来ない。
お得意の時間を止めてオーウェンが現れる事もなく、午前中の授業が終わった。
「エド、食事に行こう」
アーサーと連れ立って食堂に行き、向かい合って座っていると誰かが僕達のテーブルにやって来た。
「一緒に座って良いかな」
「…どうぞ」
そう言って顔を上げた僕は思わず口の中の物を吹き出しそうになった。
「ゴホッ! ゴホッ!」
思いっきりむせていると、隣の席に座った人物が僕の背中を擦ってくる。
「大丈夫か? エドアルド君」
そこにいたのはエドワード王子だった。
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