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学院編
142 暴露話(サイラス視点)
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「実は…リリベットが産んだのは双子の男の子だったのだ。…だが、二百年前の悲劇を繰り返させないために捨てさせた…」
「…は?」
フィリップ王から語られた話はサイラスにとっては寝耳に水だった。
にわかには信じられず、フィリップ王の言葉を繰り返してようやく話の内容を理解した。
「つまり、エドワード王子には双子の兄弟がいるということですか? それでその子は今どこに?」
「わからない。あの日、サラに命じてどこかに捨てに行かせた。サラがどこに捨てに行ったのかは聞いていない」
そこまで聞いてサイラスは違和感を覚えた。
「リリベットは…いえ、王妃様はその事に賛成されたのですか? 第一、王妃様から『双子を産んだ』という話は聞いていないのですが?」
サイラスの質問にフィリップ王は力なく首を振った。
「リリベットはエドワードを産んだときには意識が朦朧としていたそうだ。それで最初に生まれた子に『エドアルド』という名前を付けてサラに渡した」
サイラスはそこで『エドアルド』という名前に引っ掛かりを覚えた。
先ほど目を通した報告書にそんな名前があったのを思い出した。
「まさか、エルガー家の息子がその子だと仰るのですか?」
いくら何でもそれは出来過ぎだと思ったが、否定するだけの材料もない。
「わからない。実際にその子に会ったわけではないからな。それにエドワードも学院での話を一切しないしな」
少し投げやりなフィリップ王の口調にサイラスは心の中でうなずいた。
サラとの関係がエドワード王子との関係にひびを入れているという自覚はあるのだろう。
フィリップ王の突然の告白にサイラスは頭を抱えたくなった。
せめてその場に自分を呼び出してくれていたら、もっとマシな方法を考えついたかもしれなかった。
だが、どう考えてもその子の養子先が思い浮かばなかった。
サイラスの所もブライアンが生まれたばかりだったし、ダウナー公爵家もクリフトンがすぐ後に生まれていた。
王家から養子を迎える事が出来て、なおかつその子を政治利用しないような家門は思い浮かばなかった。
『フィリップ王の判断は致し方なかったのかもしれない…』
サイラスがそう思った時、フィリップ王がポツリとこぼした。
「リリベットは、自分が双子を産んだ事を知っているのかもしれない…」
「双子を産んだ事を知っている? 王妃様が?」
「ああ。以前、私の執務室に突然やって来て『私は双子を産んだのか?』と聞いてきた。すぐに否定したら何かを確信したような顔で『そうですか』とだけ告げてきた。恐らく私の言葉が嘘で、双子を産んだのだと確信したのだろう。だが、リリベットがその子を探したのかどうかはわからない」
疲れ切ったような口調で答えるフィリップ王の言葉を聞きながら、サイラスはリリベットの顔を思い浮かべた。
『確信があるからこそ、そんな質問をフィリップ王にぶつけたに違いない。リリベットには後で話を聞くとして、今はフィリップ王がこれからどうしたいのかが先決だろう』
そう判断したサイラスはフィリップ王の顔を覗き込んだ。
「それで、陛下はこれからどうされたいのですか?」
フィリップ王はすがるような目でサイラスを見返してくる。
「今更とは思うが、エドアルドに会いたい。そして、もしエドアルドが望むのであれば、王家に迎え入れたい」
フィリップ王の決意を聞いたサイラスは「ふうっ」と大きく息を吐き出した。
「わかりました。まずはエドアルド様をお探ししましょう。それでは失礼いたします」
サイラスはそう告げると静かに執務室から出て行った。
「…は?」
フィリップ王から語られた話はサイラスにとっては寝耳に水だった。
にわかには信じられず、フィリップ王の言葉を繰り返してようやく話の内容を理解した。
「つまり、エドワード王子には双子の兄弟がいるということですか? それでその子は今どこに?」
「わからない。あの日、サラに命じてどこかに捨てに行かせた。サラがどこに捨てに行ったのかは聞いていない」
そこまで聞いてサイラスは違和感を覚えた。
「リリベットは…いえ、王妃様はその事に賛成されたのですか? 第一、王妃様から『双子を産んだ』という話は聞いていないのですが?」
サイラスの質問にフィリップ王は力なく首を振った。
「リリベットはエドワードを産んだときには意識が朦朧としていたそうだ。それで最初に生まれた子に『エドアルド』という名前を付けてサラに渡した」
サイラスはそこで『エドアルド』という名前に引っ掛かりを覚えた。
先ほど目を通した報告書にそんな名前があったのを思い出した。
「まさか、エルガー家の息子がその子だと仰るのですか?」
いくら何でもそれは出来過ぎだと思ったが、否定するだけの材料もない。
「わからない。実際にその子に会ったわけではないからな。それにエドワードも学院での話を一切しないしな」
少し投げやりなフィリップ王の口調にサイラスは心の中でうなずいた。
サラとの関係がエドワード王子との関係にひびを入れているという自覚はあるのだろう。
フィリップ王の突然の告白にサイラスは頭を抱えたくなった。
せめてその場に自分を呼び出してくれていたら、もっとマシな方法を考えついたかもしれなかった。
だが、どう考えてもその子の養子先が思い浮かばなかった。
サイラスの所もブライアンが生まれたばかりだったし、ダウナー公爵家もクリフトンがすぐ後に生まれていた。
王家から養子を迎える事が出来て、なおかつその子を政治利用しないような家門は思い浮かばなかった。
『フィリップ王の判断は致し方なかったのかもしれない…』
サイラスがそう思った時、フィリップ王がポツリとこぼした。
「リリベットは、自分が双子を産んだ事を知っているのかもしれない…」
「双子を産んだ事を知っている? 王妃様が?」
「ああ。以前、私の執務室に突然やって来て『私は双子を産んだのか?』と聞いてきた。すぐに否定したら何かを確信したような顔で『そうですか』とだけ告げてきた。恐らく私の言葉が嘘で、双子を産んだのだと確信したのだろう。だが、リリベットがその子を探したのかどうかはわからない」
疲れ切ったような口調で答えるフィリップ王の言葉を聞きながら、サイラスはリリベットの顔を思い浮かべた。
『確信があるからこそ、そんな質問をフィリップ王にぶつけたに違いない。リリベットには後で話を聞くとして、今はフィリップ王がこれからどうしたいのかが先決だろう』
そう判断したサイラスはフィリップ王の顔を覗き込んだ。
「それで、陛下はこれからどうされたいのですか?」
フィリップ王はすがるような目でサイラスを見返してくる。
「今更とは思うが、エドアルドに会いたい。そして、もしエドアルドが望むのであれば、王家に迎え入れたい」
フィリップ王の決意を聞いたサイラスは「ふうっ」と大きく息を吐き出した。
「わかりました。まずはエドアルド様をお探ししましょう。それでは失礼いたします」
サイラスはそう告げると静かに執務室から出て行った。
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