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学院編
145 帰宅
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馬車の中。
僕の正面にはニコニコ顔のエドワード王子が座っている。
その隣に座る仏頂面のブライアンを見て僕の隣のクリフトンがクスリと笑いを漏らした。
「おや、ブライアン、随分と機嫌が悪そうですね。さてはエドワード王子をエドアルド君に取られそうなのが気に食わないのかな」
クリフトンに揶揄われてブライアンはカッと顔を赤くする。
図星だったのか、見当外れの指摘だったのかはわからないが気づかなかったふりをしよう。
すると、正面に座るエドワード王子が手を伸ばして来たかと思うとサッと僕の眼鏡を取り上げた。
「あ、ちょっと!」
慌てて取り返そうと手を伸ばしたが、エドワード王子はヒョイと手を上に伸ばしてそれを躱した。
「僕達以外は誰もいないんだからこのままでいいだろう。…それにしても見れば見るほどそっくりだよね。鏡を見ている気分になるよ」
それに関しては僕も同意するけれど、誰かに馬車を覗かれるんじゃないかと思うと気が気ではない。
「大丈夫。この馬車の窓には認識阻害の魔法がかけてあるからね。外から中の様子はわからないよ」
僕の心境を察したのかエドワード王子がそんな説明をしてくれる。
流石は王家の馬車だな。
馬車はやがてエルガー家の門前へと辿り着いた。
「エドワード王子、早く眼鏡を返してください」
そう言って手を差し出したが、一向に返してくれる気配がない。
「そんな言い方じゃ返せないな。そういう言い方は嫌だって言っただろ?」
あー、めんどくさい!
「エドワード、さっさと眼鏡を返せ!」
公衆の面前で放ったら不敬だと取られかねない口調で手を差し出すと、エドワード王子はニコニコ笑顔で眼鏡を返してきた。
隣のブライアンが目を釣り上げているのが印象的だ。
眼鏡をかけると隣にいるクリフトンが扉を開けて先に降り立った。
僕と一緒にアーサーも馬車から降りる。
流石にあの馬車の中に一人で取り残されたくないのだろう。
クリフトンが乗り込むと僕とアーサーは深々と頭を下げる。
「乗せていただきありがとうございました」
頭を下げたままの僕達の前で扉が閉じられ、馬車は走り去っていった。
ホッと息をつく間もなく、門番の騎士が話しかけてきた。
「エドアルド様、今のは王家の馬車ですよね? どうして王家の馬車に乗っていらしたんですか!?」
あー。
義両親の前にこっちに説明しなきゃいけなかったな。
「学院でちょっとあって授業が中止になったんだ。スクール馬車に僕達が乗り遅れて困っていたら『送ってあげよう』と言われたんだ。申し出を断るのも不敬かと思って乗らせてもらったけれど、流石に緊張したよ」
そんな言い訳をすると門番達はうんうんとうなずいていた。
「わかります。王家からの申し出なんて断れるわけないですよね」
「乗ったはいいけれど、身の置き場がないですよね。お疲れ様でした」
門番に労われて僕とアーサーは門の中へと入っていった。
アーサーと歩いて屋敷に向かうと、門番から連絡を受けたのか義母様が僕達を出迎えた。
「まあ、どうしたの? こんなに早く帰ってくるなんて…」
「午後の授業が中止になったんです」
「あら、そうなの? 珍しい事もあるのね」
義母様は僕の言葉を疑う事もなく、僕達を中に入れてくれた。
どうやら王家の馬車で帰ってきた事は門番から告げられていないようだ。
そのままアーサーと二人で僕の部屋へ向かった。
部屋に入り、誰の目もないのを確認すると、僕達はソファーにぐったりと腰を下ろした。
「ああ、疲れた…」
「僕も…。でもエドワード王子のあの様子じゃ、明日からも何かと絡んできそうだな」
「勘弁してくれよ。こっちは関わりたくはないって言うのに…」
グチグチとこぼしながらもアーサーと一緒に学院に出てきたジャイアントモールについて本を読みあさっていた。
『明日の事は明日考えよう』
某有名映画の主人公の台詞を思い出していると、ノックの音が鳴り響いた。
僕の正面にはニコニコ顔のエドワード王子が座っている。
その隣に座る仏頂面のブライアンを見て僕の隣のクリフトンがクスリと笑いを漏らした。
「おや、ブライアン、随分と機嫌が悪そうですね。さてはエドワード王子をエドアルド君に取られそうなのが気に食わないのかな」
クリフトンに揶揄われてブライアンはカッと顔を赤くする。
図星だったのか、見当外れの指摘だったのかはわからないが気づかなかったふりをしよう。
すると、正面に座るエドワード王子が手を伸ばして来たかと思うとサッと僕の眼鏡を取り上げた。
「あ、ちょっと!」
慌てて取り返そうと手を伸ばしたが、エドワード王子はヒョイと手を上に伸ばしてそれを躱した。
「僕達以外は誰もいないんだからこのままでいいだろう。…それにしても見れば見るほどそっくりだよね。鏡を見ている気分になるよ」
それに関しては僕も同意するけれど、誰かに馬車を覗かれるんじゃないかと思うと気が気ではない。
「大丈夫。この馬車の窓には認識阻害の魔法がかけてあるからね。外から中の様子はわからないよ」
僕の心境を察したのかエドワード王子がそんな説明をしてくれる。
流石は王家の馬車だな。
馬車はやがてエルガー家の門前へと辿り着いた。
「エドワード王子、早く眼鏡を返してください」
そう言って手を差し出したが、一向に返してくれる気配がない。
「そんな言い方じゃ返せないな。そういう言い方は嫌だって言っただろ?」
あー、めんどくさい!
「エドワード、さっさと眼鏡を返せ!」
公衆の面前で放ったら不敬だと取られかねない口調で手を差し出すと、エドワード王子はニコニコ笑顔で眼鏡を返してきた。
隣のブライアンが目を釣り上げているのが印象的だ。
眼鏡をかけると隣にいるクリフトンが扉を開けて先に降り立った。
僕と一緒にアーサーも馬車から降りる。
流石にあの馬車の中に一人で取り残されたくないのだろう。
クリフトンが乗り込むと僕とアーサーは深々と頭を下げる。
「乗せていただきありがとうございました」
頭を下げたままの僕達の前で扉が閉じられ、馬車は走り去っていった。
ホッと息をつく間もなく、門番の騎士が話しかけてきた。
「エドアルド様、今のは王家の馬車ですよね? どうして王家の馬車に乗っていらしたんですか!?」
あー。
義両親の前にこっちに説明しなきゃいけなかったな。
「学院でちょっとあって授業が中止になったんだ。スクール馬車に僕達が乗り遅れて困っていたら『送ってあげよう』と言われたんだ。申し出を断るのも不敬かと思って乗らせてもらったけれど、流石に緊張したよ」
そんな言い訳をすると門番達はうんうんとうなずいていた。
「わかります。王家からの申し出なんて断れるわけないですよね」
「乗ったはいいけれど、身の置き場がないですよね。お疲れ様でした」
門番に労われて僕とアーサーは門の中へと入っていった。
アーサーと歩いて屋敷に向かうと、門番から連絡を受けたのか義母様が僕達を出迎えた。
「まあ、どうしたの? こんなに早く帰ってくるなんて…」
「午後の授業が中止になったんです」
「あら、そうなの? 珍しい事もあるのね」
義母様は僕の言葉を疑う事もなく、僕達を中に入れてくれた。
どうやら王家の馬車で帰ってきた事は門番から告げられていないようだ。
そのままアーサーと二人で僕の部屋へ向かった。
部屋に入り、誰の目もないのを確認すると、僕達はソファーにぐったりと腰を下ろした。
「ああ、疲れた…」
「僕も…。でもエドワード王子のあの様子じゃ、明日からも何かと絡んできそうだな」
「勘弁してくれよ。こっちは関わりたくはないって言うのに…」
グチグチとこぼしながらもアーサーと一緒に学院に出てきたジャイアントモールについて本を読みあさっていた。
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某有名映画の主人公の台詞を思い出していると、ノックの音が鳴り響いた。
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