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学院編
165 束の間の休息
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使節団歓迎のセレモニーは滞りなく終わり、使節団は先にホールを退出して行った。
それを受けて国王陛下と王妃、それに僕がホールを出ていく。
ホールを出た事で気が緩みかけたが、まだ完全に人目がなくなったわけじゃない。
「エドワード王子、お疲れ様でした。晩餐会までは時間がありますので一旦自室に戻りましょう」
僕の後に続いてホールから出て来たブライアンに告げられ、僕はエドワード王子としての対応をする。
「ああ、わかった」
そのままブライアンを後ろに従えて僕はホールからプライベートゾーンへと続く廊下を歩き出す。
時折すれ違う使用人達が足を止めては会釈をして、僕が通り過ぎるのをやりすごしている。
渡り廊下を渡ってプライベートゾーンのある棟へとたどり着いた。
こちらには本当に人気がない。
使節団が来るという事でそちらに人員を割くという名目で遠ざけているのだそうだ。
僕とエドワード王子が同じ空間に存在している事を悟られないためだが、嘘も方便とはよく言ったものだ。
割り当てられた部屋に入ってようやく僕は人心地がついた。
「はあー、疲れた」
上着をサラに脱がせられて、少し身軽になった僕はソファに力無くもたれかかる。
「それを言うなら私だって同じですよ。誰かから『エドワード王子じゃない!』という声が上がるんじゃないかとヒヤヒヤしていましたからね」
同じように僕の向かいにソファにもたれかかったブライアンが愚痴っている。
貴族達とはかなり離れていたとはいえ、気が気じゃなかったのは僕も同じだ。
「お疲れ様でした。お腹がお空きになったでしょう。お食事をご用意いたしました」
サラがワゴンを押して部屋に入って来たので、僕とブライアンはテーブル席に移動する。
テーブルに並べられたお皿からサラがフードカバーを外すと、美味しそうな匂いが僕達の鼻をくすぐる。
「「ぐうぅー」」
その匂いに僕とブライアンのお腹が真っ先に返事をした。
身支度をしている時に軽く軽食を摘んだくらいだったからな。
もっとも食事を出されても緊張して喉を通らなかっただろう。
ブライアンも僕と同じように軽食を食べただけだったようだ。
前方にブライアンが座っていなければ、思い切りがっつきたいところだが、ここはエドワード王子として優雅に食べるべきだろう。
そう思いカトラリーを動かしていると、ブライアンがじっと僕の手の動きを見ているのに気づいた。
そんなに見られていては食事も喉を通らなくなりそうだ。
そう思いつつも食事を終えて、サラの淹れてくれたお茶を前にホッと息を吐いた。
「それで、いかがでしたか? サウスフォード王国の王女の印象は?」
突然ブライアンにそう問われて僕は飲みかけていたお茶を思わず吹き出しそうになる。
「え? 王女の印象? 可愛いとは思ったけど、少なくとも僕の好みじゃないな」
そう言うとブライアンはどこかホッとしたような顔を見せた。
恐らく僕が王女を気に入ってエドワード王子と取り合いになるような事態にならなくてホッとしているのだろう。
だが、そもそもエドワード王子の婚約者候補と聞かされているのだから、まず恋愛対象として見てはいない。
それに顔を見ただけで会話を交わしてもいないのだから、好きも嫌いもないだろう。
まあ一目惚れという事もあるかもしれないが、少なくとも僕は王女に一目惚れなんてしていない。
そんなことよりもエドワード王子として明日まで過ごさなければならない事の方が僕には重大な問題だ。
僕はこの後開かれる晩餐会へと意識を集中させた。
それを受けて国王陛下と王妃、それに僕がホールを出ていく。
ホールを出た事で気が緩みかけたが、まだ完全に人目がなくなったわけじゃない。
「エドワード王子、お疲れ様でした。晩餐会までは時間がありますので一旦自室に戻りましょう」
僕の後に続いてホールから出て来たブライアンに告げられ、僕はエドワード王子としての対応をする。
「ああ、わかった」
そのままブライアンを後ろに従えて僕はホールからプライベートゾーンへと続く廊下を歩き出す。
時折すれ違う使用人達が足を止めては会釈をして、僕が通り過ぎるのをやりすごしている。
渡り廊下を渡ってプライベートゾーンのある棟へとたどり着いた。
こちらには本当に人気がない。
使節団が来るという事でそちらに人員を割くという名目で遠ざけているのだそうだ。
僕とエドワード王子が同じ空間に存在している事を悟られないためだが、嘘も方便とはよく言ったものだ。
割り当てられた部屋に入ってようやく僕は人心地がついた。
「はあー、疲れた」
上着をサラに脱がせられて、少し身軽になった僕はソファに力無くもたれかかる。
「それを言うなら私だって同じですよ。誰かから『エドワード王子じゃない!』という声が上がるんじゃないかとヒヤヒヤしていましたからね」
同じように僕の向かいにソファにもたれかかったブライアンが愚痴っている。
貴族達とはかなり離れていたとはいえ、気が気じゃなかったのは僕も同じだ。
「お疲れ様でした。お腹がお空きになったでしょう。お食事をご用意いたしました」
サラがワゴンを押して部屋に入って来たので、僕とブライアンはテーブル席に移動する。
テーブルに並べられたお皿からサラがフードカバーを外すと、美味しそうな匂いが僕達の鼻をくすぐる。
「「ぐうぅー」」
その匂いに僕とブライアンのお腹が真っ先に返事をした。
身支度をしている時に軽く軽食を摘んだくらいだったからな。
もっとも食事を出されても緊張して喉を通らなかっただろう。
ブライアンも僕と同じように軽食を食べただけだったようだ。
前方にブライアンが座っていなければ、思い切りがっつきたいところだが、ここはエドワード王子として優雅に食べるべきだろう。
そう思いカトラリーを動かしていると、ブライアンがじっと僕の手の動きを見ているのに気づいた。
そんなに見られていては食事も喉を通らなくなりそうだ。
そう思いつつも食事を終えて、サラの淹れてくれたお茶を前にホッと息を吐いた。
「それで、いかがでしたか? サウスフォード王国の王女の印象は?」
突然ブライアンにそう問われて僕は飲みかけていたお茶を思わず吹き出しそうになる。
「え? 王女の印象? 可愛いとは思ったけど、少なくとも僕の好みじゃないな」
そう言うとブライアンはどこかホッとしたような顔を見せた。
恐らく僕が王女を気に入ってエドワード王子と取り合いになるような事態にならなくてホッとしているのだろう。
だが、そもそもエドワード王子の婚約者候補と聞かされているのだから、まず恋愛対象として見てはいない。
それに顔を見ただけで会話を交わしてもいないのだから、好きも嫌いもないだろう。
まあ一目惚れという事もあるかもしれないが、少なくとも僕は王女に一目惚れなんてしていない。
そんなことよりもエドワード王子として明日まで過ごさなければならない事の方が僕には重大な問題だ。
僕はこの後開かれる晩餐会へと意識を集中させた。
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