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学院編
173 作業
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月日が過ぎるのは早いもので、僕は十五歳を迎え学院の最終学年になった。
相変わらず黒縁眼鏡で顔を隠す生活を続けているが、誰からも「エドワード王子に似ている」という指摘を受ける事はない。
たかが眼鏡一つでとは思うが、皆黒縁眼鏡に引きつけられてしまっているのだろう。
学院を卒業したら夜会などの貴族の集まりに参加するようになるのだが、僕は『養子』という立場を理由に不参加するつもりである。
義両親も僕が国王の血を引いていると知っているので、無理に社交界に出そうとはしないだろう。
僕のわがままを許してくれる義両親には感謝しかない。
だからこそ、クリスに何かあったときには僕が全力で守ってやりたい。
学院では相変わらずお昼休みには五人でつるんでいる。
初めの頃は下位貴族の食堂にやって来るエドワード王子達は皆の注目を集めていたが、今ではすっかり日常の風景となり、誰からも注目されなくなっていた。
年度初めに新入生達がエドワード王子達の姿に驚いていたが、一週間も過ぎる頃には見向きもしなくなっていた。
中にはエドワード王子の婚約者の座を狙っているような女子生徒もいたが、ブライアンとクリフトンの鉄壁の守りに阻まれていた。
それはそれでどうなのかと思うのだが、未だにエドワード王子の婚約者が決まらないのはどういう訳なのだろうか?
まあ、王家と関わりたくない僕が口を挟む問題じゃないな。
それよりも、学院を卒業した後、冒険者として生きていくために必要な準備をしていくことが先決だ。
十五歳になったので冒険者ギルドに登録する事が可能になったのだ。
アーサーと二人で組むと決めているので、一緒に冒険者ギルドへ登録に向かう事にした。
庶民に見えるような服に着替えて門に向かうと、門番の騎士が僕を見て目を丸くした。
「エドアルド様? その格好はどうされたんですか?」
あまりの驚きように僕はクスッと笑いを漏らした。
「これから冒険者ギルドに登録に行くんだよ。これなら貴族だってバレないだろう?」
「え? いやぁー。どう見てもどこかのお金持ちの子息にしか見えませんよ」
騎士の一人がちょっと呆れたような顔を見せる。
そう言われて僕は自分の服装を見直したけれど、どこがダメなんだろう?
「なんで? どう見ても庶民だよね?」
「いや、庶民にしては服が少し綺麗すぎますって」
騎士曰く、庶民はもう少しヨレヨレの服を着ていて、こんなに綺麗な服は着ていないらしい。
そう言えば、昔孤児院にいた頃、子供達の服装はどこか継ぎ接ぎがあるような服を着ていたっけ。
でも、もう今更着替えている暇はない。
仕方がないが今日はこれで我慢しよう。
門の前で待っていると向こうからアーサーがやって来た。
アーサーの格好も僕と似たり寄ったりである。
門番の騎士達の苦笑を背に受けながら、僕とアーサーは冒険者ギルドに向かう。
貴族街から一本向こうの通りに入ると、そこは多くの庶民が行き交っていた。
貴族街は馬車で出かけるのが殆どで、このように歩いている人は少ない。
いつもとは違う光景に少し戸惑いつつも僕とアーサーは冒険者ギルドを目指す。
その途中にあった広場で何やら作業が行われているのを見て僕は思わず足を止めた。
広場の奥にステージが設えてあったが、そこに大きなテレビ画面のような物を設置していたのだ。
「なんだ、あれ? 随分と大きな黒板だなぁ」
アーサーにはあれが黒板に見えるらしく、そんな事を言っている。
「…そうだね。一体何に使うんだろうね」
僕はそう返事をすると先に歩きだしたアーサーの後を追った。
相変わらず黒縁眼鏡で顔を隠す生活を続けているが、誰からも「エドワード王子に似ている」という指摘を受ける事はない。
たかが眼鏡一つでとは思うが、皆黒縁眼鏡に引きつけられてしまっているのだろう。
学院を卒業したら夜会などの貴族の集まりに参加するようになるのだが、僕は『養子』という立場を理由に不参加するつもりである。
義両親も僕が国王の血を引いていると知っているので、無理に社交界に出そうとはしないだろう。
僕のわがままを許してくれる義両親には感謝しかない。
だからこそ、クリスに何かあったときには僕が全力で守ってやりたい。
学院では相変わらずお昼休みには五人でつるんでいる。
初めの頃は下位貴族の食堂にやって来るエドワード王子達は皆の注目を集めていたが、今ではすっかり日常の風景となり、誰からも注目されなくなっていた。
年度初めに新入生達がエドワード王子達の姿に驚いていたが、一週間も過ぎる頃には見向きもしなくなっていた。
中にはエドワード王子の婚約者の座を狙っているような女子生徒もいたが、ブライアンとクリフトンの鉄壁の守りに阻まれていた。
それはそれでどうなのかと思うのだが、未だにエドワード王子の婚約者が決まらないのはどういう訳なのだろうか?
まあ、王家と関わりたくない僕が口を挟む問題じゃないな。
それよりも、学院を卒業した後、冒険者として生きていくために必要な準備をしていくことが先決だ。
十五歳になったので冒険者ギルドに登録する事が可能になったのだ。
アーサーと二人で組むと決めているので、一緒に冒険者ギルドへ登録に向かう事にした。
庶民に見えるような服に着替えて門に向かうと、門番の騎士が僕を見て目を丸くした。
「エドアルド様? その格好はどうされたんですか?」
あまりの驚きように僕はクスッと笑いを漏らした。
「これから冒険者ギルドに登録に行くんだよ。これなら貴族だってバレないだろう?」
「え? いやぁー。どう見てもどこかのお金持ちの子息にしか見えませんよ」
騎士の一人がちょっと呆れたような顔を見せる。
そう言われて僕は自分の服装を見直したけれど、どこがダメなんだろう?
「なんで? どう見ても庶民だよね?」
「いや、庶民にしては服が少し綺麗すぎますって」
騎士曰く、庶民はもう少しヨレヨレの服を着ていて、こんなに綺麗な服は着ていないらしい。
そう言えば、昔孤児院にいた頃、子供達の服装はどこか継ぎ接ぎがあるような服を着ていたっけ。
でも、もう今更着替えている暇はない。
仕方がないが今日はこれで我慢しよう。
門の前で待っていると向こうからアーサーがやって来た。
アーサーの格好も僕と似たり寄ったりである。
門番の騎士達の苦笑を背に受けながら、僕とアーサーは冒険者ギルドに向かう。
貴族街から一本向こうの通りに入ると、そこは多くの庶民が行き交っていた。
貴族街は馬車で出かけるのが殆どで、このように歩いている人は少ない。
いつもとは違う光景に少し戸惑いつつも僕とアーサーは冒険者ギルドを目指す。
その途中にあった広場で何やら作業が行われているのを見て僕は思わず足を止めた。
広場の奥にステージが設えてあったが、そこに大きなテレビ画面のような物を設置していたのだ。
「なんだ、あれ? 随分と大きな黒板だなぁ」
アーサーにはあれが黒板に見えるらしく、そんな事を言っている。
「…そうだね。一体何に使うんだろうね」
僕はそう返事をすると先に歩きだしたアーサーの後を追った。
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