御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅

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冒険者編

233 疑問

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「あの赤ん坊がウィルと同じ日に生まれた兄弟なんですよね? でも、どうしてあんなに姿が違うんですか?」

 ウィルは生まれたばかりの時は僕の片手に乗るくらいの大きさだった。

 だが、一晩寝て起きたら一回り大きくなっていた。

 その後も順調に成長し、人間の姿にもなれるようになっていた。

 ドラゴンの姿は小さいけれど、人間としての姿は僕と同じくらいの大きさになれるのだ。

 だが、先ほど会ったウィルの兄弟は本当に生まれたばかりの赤ん坊のような姿だった。

 ウィルの両親とおぼしき二人も普通の人間のように見えた。

 あの集落にいた人達も普通の人間の姿だった。

 本当に彼らはドラゴンなのだろうか?

「どうして姿が違うのかは持っている能力の差でしょうね」

 オーウェンは事もなげにそう告げた。

 確かに持っている能力に違いがあるのはわかるけれど、あそこまで差が出るものなのだろうか?

「それにずっと人間の姿をしていたのが気にかかりました。彼等は本当にドラゴンなんでしょうか?」

 僕の質問にオーウェンはゆっくりとうなずいた。

「まぎれもなくドラゴンですよ。ドラゴンの姿では不便なのでと人間の姿で過ごすようになりましたけどね」

 オーウェンの説明に僕は「なるほど…」と短く返した。

 確かにあの集落ではドラゴンの姿で生活するには小さすぎる。

 それにせっかく人間に姿を変えられるならば、やはりそちらの方が生活しやすいだろう。

 それにしても、あそこまでウィルとウィルの兄弟の間に能力の差があるとは思わなかった。

 するとオーウェンが何かを思い出したように「クックッ」と小さく笑いを漏らした。

 僕が驚いてオーウェンを見やると、オーウェンは片手を挙げた。

「ああ、失礼。卵をもらうときにドラゴンの王と交わした会話を思い出しましてね」

 そう言いながらもなおも含み笑いを止めようとしない。

 こんなオーウェンも珍しいなと思っていると、ようやく笑うのをやめたオーウェンが僕を見据えてきた。

「お話しましょうか。私がどうしてドラゴンの卵をもらってきたかを」

 オーウェンの視線を受けて僕も背筋を正した。
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