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幼少期
19 新たな養子縁組
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孤児院で僕の誕生日のお祝いがあった数日後に、王宮ではエドワード王子のお披露目があったらしい。
ここにきて僕はようやく双子の片割れの名前がエドワードだと知った。
僕をエドアルドと名付けたから、もう一人の方は別の名前を付けたと思っていたから、同じような名前にびっくりした。
けれど、どちらも縮めると『エド』になるからね。
一緒に育てるつもりだったら、もっと違う名前を付けられたんだろうな。
この頃の僕は、一人で歩けるようになって、行動範囲が広がった。
一応分別があるから、他の一歳児のようにうろちょろしたりはしないけれど、やはり好奇心には勝てない。
それに、そろそろ一人でトイレにも行きたいんだよ。
とりあえずトイレを探そうと廊下に出ようとすると、必ず誰かに目ざとく見つかってしまう。
「エド、どこ行くの? 一人でうろちょろしちゃ駄目だよ」
ヒョイと後から両脇を抱えられては部屋の中へと連れ戻される。
そんな攻防を幾度となく繰り返している。
一歳三ヶ月になった頃、またしても僕に養子縁組の話が持ち上がった。
いや、正確には『レンタル』だな。
最初に僕を養子にしてくれた貴族の所に無事に男の子が生まれたらしい。
それを聞いて羨ましがった別の貴族が、僕を養子にしてから子供を授かったと聞き及んだらしい。
僕を養子にしても子供を授からなかった場合には、そのまま僕を育ててくれると言う。
僕を養子にしたからといって、子供を妊娠出来るとは思えないんだけれど、『二度ある事は三度ある』って言うからね。
養子に貰われて行く僕を、子供達が見送ってくれた。
「エド、元気でね」
「エド、バイバイ」
「エド、もう戻ってきたりすんなよ!」
ジャックがまたしても禁句を口にする。
だから、それがフラグなんだってば!
******
エドアルドが養子に貰われて行ってから数日後の事だった。
子供達が孤児院の敷地内で遊んでいると、生垣の外から孤児院の中を覗いている男性がいた。
黒のローブを着てフードを目深に被り、見るからに怪しげな男性だった。
その男性は外で遊ぶ子供達を物色しているようにも見えた。
すかさずミアがその男性に近寄っていく。
「何か御用ですか?」
「わっ!」
突然、ミアに話しかけられた男性は飛び上がらんばかりに驚いている。
「あ、いや。ここの孤児院には一歳くらいの子供は居ないのかと思ってね」
そう聞かれてミアはすぐにエドの事を思い浮かべたが、エドは先日養子に貰われていってしまった。
今、ここにはいないから関係ないだろう。
それにわざわざ「貰われていった」と教えてやる必要もない。
そもそも、本当にエドを探しているのであれば、堂々と中に入ってきて院長先生と話をすれば済むはずだ。
ミアはそう瞬時に判断をした。
「ここにはそんな小さい子はいません。一番小さい子でも三歳を過ぎています」
「そうか。いや、変な事を聞いたね。それじゃ…」
男性はそそくさとミアの前から離れていった。
ミアはしばらくその男性の後ろ姿を見送っていたが、軽く肩をすくめると皆の元へと戻って行った。
スタンレイ子爵は路地を曲がると、停めてあった馬車に乗り込むとフードを外した。
(やれやれ。ここも違ったか…)
スタンレイ子爵は懐から紙を取り出すと、孤児院の名前の上に線を引いた。
エドワード王子のお披露目の後からスタンレイ子爵は時間を見つけては孤児院を訪ねていた。
勿論、おおっぴらに孤児院を訪問するわけにはいかなかった。
そんな事をすれば、『スタンレイ子爵が誰かを探している』と、噂になってしまう。
だからこうやってこっそりと探すしかなかったが、未だに見つかっていない。
(もう少し遠くの街を探してみるか)
スタンレイ子爵は地図を取り出すと、ここから更に隣の街に向けて馬車を出発させた。
ここにきて僕はようやく双子の片割れの名前がエドワードだと知った。
僕をエドアルドと名付けたから、もう一人の方は別の名前を付けたと思っていたから、同じような名前にびっくりした。
けれど、どちらも縮めると『エド』になるからね。
一緒に育てるつもりだったら、もっと違う名前を付けられたんだろうな。
この頃の僕は、一人で歩けるようになって、行動範囲が広がった。
一応分別があるから、他の一歳児のようにうろちょろしたりはしないけれど、やはり好奇心には勝てない。
それに、そろそろ一人でトイレにも行きたいんだよ。
とりあえずトイレを探そうと廊下に出ようとすると、必ず誰かに目ざとく見つかってしまう。
「エド、どこ行くの? 一人でうろちょろしちゃ駄目だよ」
ヒョイと後から両脇を抱えられては部屋の中へと連れ戻される。
そんな攻防を幾度となく繰り返している。
一歳三ヶ月になった頃、またしても僕に養子縁組の話が持ち上がった。
いや、正確には『レンタル』だな。
最初に僕を養子にしてくれた貴族の所に無事に男の子が生まれたらしい。
それを聞いて羨ましがった別の貴族が、僕を養子にしてから子供を授かったと聞き及んだらしい。
僕を養子にしても子供を授からなかった場合には、そのまま僕を育ててくれると言う。
僕を養子にしたからといって、子供を妊娠出来るとは思えないんだけれど、『二度ある事は三度ある』って言うからね。
養子に貰われて行く僕を、子供達が見送ってくれた。
「エド、元気でね」
「エド、バイバイ」
「エド、もう戻ってきたりすんなよ!」
ジャックがまたしても禁句を口にする。
だから、それがフラグなんだってば!
******
エドアルドが養子に貰われて行ってから数日後の事だった。
子供達が孤児院の敷地内で遊んでいると、生垣の外から孤児院の中を覗いている男性がいた。
黒のローブを着てフードを目深に被り、見るからに怪しげな男性だった。
その男性は外で遊ぶ子供達を物色しているようにも見えた。
すかさずミアがその男性に近寄っていく。
「何か御用ですか?」
「わっ!」
突然、ミアに話しかけられた男性は飛び上がらんばかりに驚いている。
「あ、いや。ここの孤児院には一歳くらいの子供は居ないのかと思ってね」
そう聞かれてミアはすぐにエドの事を思い浮かべたが、エドは先日養子に貰われていってしまった。
今、ここにはいないから関係ないだろう。
それにわざわざ「貰われていった」と教えてやる必要もない。
そもそも、本当にエドを探しているのであれば、堂々と中に入ってきて院長先生と話をすれば済むはずだ。
ミアはそう瞬時に判断をした。
「ここにはそんな小さい子はいません。一番小さい子でも三歳を過ぎています」
「そうか。いや、変な事を聞いたね。それじゃ…」
男性はそそくさとミアの前から離れていった。
ミアはしばらくその男性の後ろ姿を見送っていたが、軽く肩をすくめると皆の元へと戻って行った。
スタンレイ子爵は路地を曲がると、停めてあった馬車に乗り込むとフードを外した。
(やれやれ。ここも違ったか…)
スタンレイ子爵は懐から紙を取り出すと、孤児院の名前の上に線を引いた。
エドワード王子のお披露目の後からスタンレイ子爵は時間を見つけては孤児院を訪ねていた。
勿論、おおっぴらに孤児院を訪問するわけにはいかなかった。
そんな事をすれば、『スタンレイ子爵が誰かを探している』と、噂になってしまう。
だからこうやってこっそりと探すしかなかったが、未だに見つかっていない。
(もう少し遠くの街を探してみるか)
スタンレイ子爵は地図を取り出すと、ここから更に隣の街に向けて馬車を出発させた。
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