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幼少期
26 アーサーとの会話
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僕が口を開くより先にアーサーの方から話しかけてきた。
「エドアルド様、よろしくお願いします」
そう言って笑いかけられたけれど、正直同じ年頃の男の子に「様」をつけられるのは何だかむず痒い。
「エドで構いませんよ」
「それじゃ、僕もアーサーで…」
そう言うとアーサーは声を潜めてきた。
「堅苦しい喋り方は嫌いなんだ。こういう喋り方で良いかな?」
「他の人に話しかける時は取り繕った方がいいだろうけど、僕もくだけた喋り方で構わないよ」
そう言うとアーサーはちょっと安心したような笑顔を見せる。
「お茶会なんて、女の子だけでやっていればいいのにな。どうせ学院に通うようになったら嫌でも他の子達と交流を持つようになるんだから…」
…学院?
そんなものがあるのか?
「学院って貴族が通うのか? まさか王族も一緒とか?」
アーサーにそう尋ねると、アーサーはキョトンとした目で僕を見た。
「なんだ、知らないのか? まあ、僕は兄上が学院に通っているからな。貴族は皆十歳になったら学院に通うようになっているんだ。勿論、王族の方も一緒だよ」
そんな話は初耳だった。
孤児院では読み書きと簡単な計算は教えられていたし、ある程度大きくなると仕事先を見つけて孤児院を出ていたからだ。
平民は学院には通わないという事なのだろうか?
「平民は学院には通わないの?」
「平民」という言葉にアーサーはちょっと目を見開いたが、すぐに元の表情へと戻した。
「平民はどうかなぁ? そこまで詳しくは知らないな」
まだ、義両親からは学院についての話は聞いた事がない。
いずれ話すつもりだったのかは分からないが、今は義母様の出産が最優先だろうから、そちらが落ち着いてから話をした方がいいだろう。
「学院ではどんな事を勉強するんだ?」
僕が通えるかどうかはわからないけれど、この世界の学院にはちょっと興味がある。
「兄上の話では剣術をしたり、魔法の勉強をしたりするらしいよ」
魔法?
この世界に魔法があるなんて、初めて知ったよ。
「魔法の勉強もあるのか?」
「そう。学院に入ったら魔法の適性があるかどうかチェックされるんだ。そこで適性があれば魔法の勉強が出来るんだって」
「そうなんだ」
この世界で魔法が使われているなんて見たことがないな…あれ?
ここにきて初めて僕は、今まで不思議に思わなかった事に気づいた。
馬車が走るような世界なのに、ランプやロウソク、マッチを使わずに灯りが灯っているという事だ。
「…もしかして、灯りがつくのも魔法が関係している?」
恐る恐るアーサーに質問すると、彼はポカンと口を開けた後、盛大に吹き出した。
「プッ! フフフ!」
アーサーに笑われて僕は恥ずかしさにいたたまれなくなる。
「アーサー、そんなに笑わなくても」
「…ゴメンゴメン。僕も同じ事を兄上に質問したから思い出しちゃって…」
アーサーは目尻をちょっとこすりながら、ようやく笑うのを止めた。
「灯りが灯るのは魔導具に魔石を使っているからだよ。魔力が空になればまた魔石に魔力を込めれば何度でも使えるんだ」
…なるほど。
そうすると、料理を作るのにも何らかの魔道具を使っているのだろうか?
七年もこの世界にいるのに未だに知らないな事の方が多いようだ。
「僕達はエドワード王子と同い年だから、学院では同級生になるね」
アーサーはサラリと告げるが、僕の心はドクンと大きく跳ねる。
「…アーサーはエドワード王子に会った事があるの?」
アーサーの口から『エドワード王子に似ている』という言葉が出て来ていない。
それでも僕は確かめずにはいられなかった。
「まさか! 僕みたいな下位貴族がおいそれとエドワード王子に会えるはずがないよ。学院に行ってもそうそうお近づきにはなれないだろうね」
アーサーがエドワード王子に会った事がないと知って、ホッとしたようながっかりしたような気分だ。
この場にいる誰からも『エドワード王子に似ている』と指摘されないという事は、ここにいる子供達はエドワード王子の顔を知らないなのだろう。
この後もアーサーとのおしゃべりが続き、楽しい時間は過ぎていった。
「エドアルド様、よろしくお願いします」
そう言って笑いかけられたけれど、正直同じ年頃の男の子に「様」をつけられるのは何だかむず痒い。
「エドで構いませんよ」
「それじゃ、僕もアーサーで…」
そう言うとアーサーは声を潜めてきた。
「堅苦しい喋り方は嫌いなんだ。こういう喋り方で良いかな?」
「他の人に話しかける時は取り繕った方がいいだろうけど、僕もくだけた喋り方で構わないよ」
そう言うとアーサーはちょっと安心したような笑顔を見せる。
「お茶会なんて、女の子だけでやっていればいいのにな。どうせ学院に通うようになったら嫌でも他の子達と交流を持つようになるんだから…」
…学院?
そんなものがあるのか?
「学院って貴族が通うのか? まさか王族も一緒とか?」
アーサーにそう尋ねると、アーサーはキョトンとした目で僕を見た。
「なんだ、知らないのか? まあ、僕は兄上が学院に通っているからな。貴族は皆十歳になったら学院に通うようになっているんだ。勿論、王族の方も一緒だよ」
そんな話は初耳だった。
孤児院では読み書きと簡単な計算は教えられていたし、ある程度大きくなると仕事先を見つけて孤児院を出ていたからだ。
平民は学院には通わないという事なのだろうか?
「平民は学院には通わないの?」
「平民」という言葉にアーサーはちょっと目を見開いたが、すぐに元の表情へと戻した。
「平民はどうかなぁ? そこまで詳しくは知らないな」
まだ、義両親からは学院についての話は聞いた事がない。
いずれ話すつもりだったのかは分からないが、今は義母様の出産が最優先だろうから、そちらが落ち着いてから話をした方がいいだろう。
「学院ではどんな事を勉強するんだ?」
僕が通えるかどうかはわからないけれど、この世界の学院にはちょっと興味がある。
「兄上の話では剣術をしたり、魔法の勉強をしたりするらしいよ」
魔法?
この世界に魔法があるなんて、初めて知ったよ。
「魔法の勉強もあるのか?」
「そう。学院に入ったら魔法の適性があるかどうかチェックされるんだ。そこで適性があれば魔法の勉強が出来るんだって」
「そうなんだ」
この世界で魔法が使われているなんて見たことがないな…あれ?
ここにきて初めて僕は、今まで不思議に思わなかった事に気づいた。
馬車が走るような世界なのに、ランプやロウソク、マッチを使わずに灯りが灯っているという事だ。
「…もしかして、灯りがつくのも魔法が関係している?」
恐る恐るアーサーに質問すると、彼はポカンと口を開けた後、盛大に吹き出した。
「プッ! フフフ!」
アーサーに笑われて僕は恥ずかしさにいたたまれなくなる。
「アーサー、そんなに笑わなくても」
「…ゴメンゴメン。僕も同じ事を兄上に質問したから思い出しちゃって…」
アーサーは目尻をちょっとこすりながら、ようやく笑うのを止めた。
「灯りが灯るのは魔導具に魔石を使っているからだよ。魔力が空になればまた魔石に魔力を込めれば何度でも使えるんだ」
…なるほど。
そうすると、料理を作るのにも何らかの魔道具を使っているのだろうか?
七年もこの世界にいるのに未だに知らないな事の方が多いようだ。
「僕達はエドワード王子と同い年だから、学院では同級生になるね」
アーサーはサラリと告げるが、僕の心はドクンと大きく跳ねる。
「…アーサーはエドワード王子に会った事があるの?」
アーサーの口から『エドワード王子に似ている』という言葉が出て来ていない。
それでも僕は確かめずにはいられなかった。
「まさか! 僕みたいな下位貴族がおいそれとエドワード王子に会えるはずがないよ。学院に行ってもそうそうお近づきにはなれないだろうね」
アーサーがエドワード王子に会った事がないと知って、ホッとしたようながっかりしたような気分だ。
この場にいる誰からも『エドワード王子に似ている』と指摘されないという事は、ここにいる子供達はエドワード王子の顔を知らないなのだろう。
この後もアーサーとのおしゃべりが続き、楽しい時間は過ぎていった。
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