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第1章
第19話 国境越え
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「ガアァーー!!」
「……雪猿か?」
国境越えのために険しい山登りをしている限たち。
かなりの高度まで登ってきたため、周辺は雪も積もっていて進む速度が鈍っている。
限一人ならもっと早く進むことも出来るかもしれないが、他の者たちにとっては厳しい状況だ。
そんな中、限たちの前に一体の魔物が出現した。
雪猿と呼ばれる白い毛並みのでかい猿で、明らかに限たちを獲物として見ている。
こんな状況で戦うには危険な魔物ではあるが、限は特に慌てた様子はない。
「ムンッ!」
「っ!?」
雪猿が襲い掛かる前に、限はすぐさま魔力の球を放って攻撃を計った。
獲物と思っていた限からいきなりの攻撃が飛んできたことに驚いた雪猿は、両腕をクロスしてその魔力弾を受け止めた。
「グゥ……」
限の攻撃を受け止めることに成功したのはいいが、雪猿は数メートル後方へと下げさせられた。
しかも、魔力球を受け止めた両腕は強力な痛みで痺れている。
魔物の猿のため、人間とは比べ物にならないほどの腕力を持っている腕を、たった一撃で動かなくされたことに、雪猿は焦りを見せる。
「さっきのを止めるなんてなかなかやるな……」
雪猿は危険な魔物だということは知っているが、限からすると全く脅威を感じない。
この程度の魔物ならアルバでも倒せるだろう。
しかし、いつまでも変わらない景色に飽きていた限は、さっさと先へ進みたいので自分が先頭に立って魔物の相手をしているが、ほとんど一撃で倒せてしまい面白くなかった。
そんな所へ一撃を耐えた雪猿に、思っていた以上に強い魔物なのだと認識を改めた。
「まぁ、もう相手じゃないが……」
一撃を止めたはいいが、どうやら雪猿の腕の骨は折れているようだ。
強力な腕力が自慢のくせに、それではもう何もできないだろう。
「ぎゃっ!?」
限がもう一発魔力球を放つと、止めることも出来ないため顔面に直撃し、雪猿は悲鳴と共に倒れて動かなくなった。
猿の魔物は知能が高いことが多く、倒したと思っても死んだふりをしたりしていることもある。
そのため、ちゃんと魔力を探って雪猿の生死を確認した限は、その死体へと近付いて行った。
「こいつの毛皮って高く売れるんだっけ?」
「はい。でも持って行こうにも魔法の指輪はありませんし……」
寒い場所で生きているため、雪猿の毛皮は素材として高く売れる。
元々路銀を持ち合わせていない限は、宿泊費などのことを考えて、国を越えたら何かを売って資金を得る必要がある。
それを考えると、この雪猿の毛皮は丁度いい。
しかし、雪猿の死体を持って行こうにも、その巨体から運ぶのには苦労することは目に見えている。
こう言った場合、多くの物を異空間に収納することのできる魔道具である魔法の指輪があると良いのだが、限たちは誰も持っていない。
魔法の指輪は貴重品のため、売っている所も、持っている者も限られて来る。
英助が持っていればくすねて来たのだが、敷島でもそんなに所持している人間はいないため、所持していなかった。
魔法の指輪がない状況で雪猿を持って行くのは不可能なため、レラはどうしたものかと悩む素振りを見せた。
「しょうがない。この場で解体して、魔石と毛皮だけ持って行くか?」
「そうですね」
魔法の指輪はないが、先日宿泊した村で普通のバッグは手に入れていた。
それになら、毛皮くらいは入れられるだろうと思い尋ねると、レラは大丈夫というように頷きで返した。
「あ、あの限様……」
「ん? 何だ?」
毛皮を剥いで魔石を取り出した限が雪猿の死体を焼却処分し終わると、レラはずっと思っていたことを尋ねることにした。
「もう少し厚着をした方が宜しいのではありませんか?」
自慢の毛によって寒さにもある程度耐えられるアルバですら、レラの作った布を一枚羽織っているというのに、限は登り始める前と変わりない服装でこの寒い中を歩いてきた。
限のための防寒用の服も用意しているというのに、レラに必要と求めてこない。
寒いと呟くことすらしない限に、尋ねてもいいのかと思っていたが、まだもう少しこの寒さが続くのに大丈夫なのかと心配になった。
「……そうだな。少し体の動きが鈍いか……」
レラに言われて、さっきの雪猿との戦いの時の感覚を思い起こすと、限は若干体の動きが鈍くなっていることに思い至る。
手を握ったり開いたりしても、僅かだが反応が遅れている気がする。
「熱さ寒さに強くなったのはいいが、調整ができないのは難点だな……」
別に限はやせ我慢していた訳ではない。
単純に、寒さを感じていなかっただけだ。
度重なる人体実験を耐えきったためか、限の肉体は色々な感覚が鈍くなっている。
僅かに熱を感じたりはするのだが、昔のように反射行為を行うことがなくなっていた。
そのため、ここまで平気で動いていたのだが、限が寒いという感覚がないだけで体は影響を受けているようだ。
さっきの雪猿に防がれた一撃も、もしかしたらその影響なのかもしれない。
そう考えると、感覚がないからと何もしていないと、知らない間に動けなくなっているかもしれないと反省した。
もう少し寒さを感じられれば服を着るなどの対処をしようと思うだろうが、感じないのでは調整のしようが無いことに困る。
何事も、良い面もあれば悪い面もあるということだろう。
「お前は寒くないか?」
「バウッ!」
レラから防寒用の服を出してもらい羽織った限は、アルバに対して寒くないか尋ねる。
いくら毛を纏っていると言っても、こういったところで生息している訳ではない白狼では寒いかもしれない。
限に尋ねられたアルバは、一枚羽織っていることもあってか大丈夫そうに返事をした。
「うぅ……、寒くないなんて羨ましいな……」
限とアルバが平気な顔をしているのを、レラの服の中に入って寒さに耐えていたゼータが、羨ましそうに呟いた。
寒さに弱いと言っていたのは本当らしく、レラの体温に守られているにも関わらずまだ寒そうだ。
「あともう少しすれば下りに入る。それまで我慢してくれ」
「うぅ……」
見えている距離を考えると、もう少しすれば登りも終わる。
そうすれば下りに入って移動速度も上げられるはずだ。
そもそも、この国境越えはゼータを故郷に戻すためにおこなっていること。
それが分かっているからか、ゼータは震えながらも限の言葉に頷いた。
「おぉ! やっと寒さが治まったぞ!」
下りに入り、移動速度を上げると、標高が下がるにつれて寒さが和らいできた。
限はそのことがよく分からなかったが、ずっと震えていたゼータにはとてもありがたい。
まだ厚着をしたままだが、レラの懐から飛び出して、いつものようにアルバの背に飛び乗った。
「寒いのはもう勘弁だな!」
「……お前はレラの服の中に入っていただけだろ?」
相当寒いのが辛かったのか、ゼータはもうこりごりといった表情を浮かべる。
それに対し、限は思わずツッコミを入れる。
寒くなってからというもの、1人ぬくぬくしていたようにしか思えなかったからだ。
「下りたらまずは町か村を探さないとな……」
「ワウッ!!」
ここまでくればもう国境越えは果たしている。
後は山を下りてからの町探しだ。
魔力探知で探してもいいが、どれほどの距離に探知を広げないといけないか分からない。
そのことを呟く現に、アルバは任せろと言うかのように声をあげる。
「匂いで見つけてくれるって言いたいのか?」
「ワウッ!」
限の探知も広範囲にできるが、捜索範囲を広げれば広げるだけ魔力を消費する。
それに比べて、アルバの嗅覚はそれだけで広範囲を捜索できる。
そのことを言いたいのだろうと限が尋ねると、アルバはその通りと言うかのように頷いた。
「アルバはすごいな……」
「んじゃあ、行くか?」
自信ありげなアルバに対し、ゼータは純粋にすごいと思い、背を撫でる。
たしかに単純に町や村を探すなら、アルバに任せた方が手っ取り早い。
そのことはそうすることにして、限たちはまずは山を下りきることにした。
「……雪猿か?」
国境越えのために険しい山登りをしている限たち。
かなりの高度まで登ってきたため、周辺は雪も積もっていて進む速度が鈍っている。
限一人ならもっと早く進むことも出来るかもしれないが、他の者たちにとっては厳しい状況だ。
そんな中、限たちの前に一体の魔物が出現した。
雪猿と呼ばれる白い毛並みのでかい猿で、明らかに限たちを獲物として見ている。
こんな状況で戦うには危険な魔物ではあるが、限は特に慌てた様子はない。
「ムンッ!」
「っ!?」
雪猿が襲い掛かる前に、限はすぐさま魔力の球を放って攻撃を計った。
獲物と思っていた限からいきなりの攻撃が飛んできたことに驚いた雪猿は、両腕をクロスしてその魔力弾を受け止めた。
「グゥ……」
限の攻撃を受け止めることに成功したのはいいが、雪猿は数メートル後方へと下げさせられた。
しかも、魔力球を受け止めた両腕は強力な痛みで痺れている。
魔物の猿のため、人間とは比べ物にならないほどの腕力を持っている腕を、たった一撃で動かなくされたことに、雪猿は焦りを見せる。
「さっきのを止めるなんてなかなかやるな……」
雪猿は危険な魔物だということは知っているが、限からすると全く脅威を感じない。
この程度の魔物ならアルバでも倒せるだろう。
しかし、いつまでも変わらない景色に飽きていた限は、さっさと先へ進みたいので自分が先頭に立って魔物の相手をしているが、ほとんど一撃で倒せてしまい面白くなかった。
そんな所へ一撃を耐えた雪猿に、思っていた以上に強い魔物なのだと認識を改めた。
「まぁ、もう相手じゃないが……」
一撃を止めたはいいが、どうやら雪猿の腕の骨は折れているようだ。
強力な腕力が自慢のくせに、それではもう何もできないだろう。
「ぎゃっ!?」
限がもう一発魔力球を放つと、止めることも出来ないため顔面に直撃し、雪猿は悲鳴と共に倒れて動かなくなった。
猿の魔物は知能が高いことが多く、倒したと思っても死んだふりをしたりしていることもある。
そのため、ちゃんと魔力を探って雪猿の生死を確認した限は、その死体へと近付いて行った。
「こいつの毛皮って高く売れるんだっけ?」
「はい。でも持って行こうにも魔法の指輪はありませんし……」
寒い場所で生きているため、雪猿の毛皮は素材として高く売れる。
元々路銀を持ち合わせていない限は、宿泊費などのことを考えて、国を越えたら何かを売って資金を得る必要がある。
それを考えると、この雪猿の毛皮は丁度いい。
しかし、雪猿の死体を持って行こうにも、その巨体から運ぶのには苦労することは目に見えている。
こう言った場合、多くの物を異空間に収納することのできる魔道具である魔法の指輪があると良いのだが、限たちは誰も持っていない。
魔法の指輪は貴重品のため、売っている所も、持っている者も限られて来る。
英助が持っていればくすねて来たのだが、敷島でもそんなに所持している人間はいないため、所持していなかった。
魔法の指輪がない状況で雪猿を持って行くのは不可能なため、レラはどうしたものかと悩む素振りを見せた。
「しょうがない。この場で解体して、魔石と毛皮だけ持って行くか?」
「そうですね」
魔法の指輪はないが、先日宿泊した村で普通のバッグは手に入れていた。
それになら、毛皮くらいは入れられるだろうと思い尋ねると、レラは大丈夫というように頷きで返した。
「あ、あの限様……」
「ん? 何だ?」
毛皮を剥いで魔石を取り出した限が雪猿の死体を焼却処分し終わると、レラはずっと思っていたことを尋ねることにした。
「もう少し厚着をした方が宜しいのではありませんか?」
自慢の毛によって寒さにもある程度耐えられるアルバですら、レラの作った布を一枚羽織っているというのに、限は登り始める前と変わりない服装でこの寒い中を歩いてきた。
限のための防寒用の服も用意しているというのに、レラに必要と求めてこない。
寒いと呟くことすらしない限に、尋ねてもいいのかと思っていたが、まだもう少しこの寒さが続くのに大丈夫なのかと心配になった。
「……そうだな。少し体の動きが鈍いか……」
レラに言われて、さっきの雪猿との戦いの時の感覚を思い起こすと、限は若干体の動きが鈍くなっていることに思い至る。
手を握ったり開いたりしても、僅かだが反応が遅れている気がする。
「熱さ寒さに強くなったのはいいが、調整ができないのは難点だな……」
別に限はやせ我慢していた訳ではない。
単純に、寒さを感じていなかっただけだ。
度重なる人体実験を耐えきったためか、限の肉体は色々な感覚が鈍くなっている。
僅かに熱を感じたりはするのだが、昔のように反射行為を行うことがなくなっていた。
そのため、ここまで平気で動いていたのだが、限が寒いという感覚がないだけで体は影響を受けているようだ。
さっきの雪猿に防がれた一撃も、もしかしたらその影響なのかもしれない。
そう考えると、感覚がないからと何もしていないと、知らない間に動けなくなっているかもしれないと反省した。
もう少し寒さを感じられれば服を着るなどの対処をしようと思うだろうが、感じないのでは調整のしようが無いことに困る。
何事も、良い面もあれば悪い面もあるということだろう。
「お前は寒くないか?」
「バウッ!」
レラから防寒用の服を出してもらい羽織った限は、アルバに対して寒くないか尋ねる。
いくら毛を纏っていると言っても、こういったところで生息している訳ではない白狼では寒いかもしれない。
限に尋ねられたアルバは、一枚羽織っていることもあってか大丈夫そうに返事をした。
「うぅ……、寒くないなんて羨ましいな……」
限とアルバが平気な顔をしているのを、レラの服の中に入って寒さに耐えていたゼータが、羨ましそうに呟いた。
寒さに弱いと言っていたのは本当らしく、レラの体温に守られているにも関わらずまだ寒そうだ。
「あともう少しすれば下りに入る。それまで我慢してくれ」
「うぅ……」
見えている距離を考えると、もう少しすれば登りも終わる。
そうすれば下りに入って移動速度も上げられるはずだ。
そもそも、この国境越えはゼータを故郷に戻すためにおこなっていること。
それが分かっているからか、ゼータは震えながらも限の言葉に頷いた。
「おぉ! やっと寒さが治まったぞ!」
下りに入り、移動速度を上げると、標高が下がるにつれて寒さが和らいできた。
限はそのことがよく分からなかったが、ずっと震えていたゼータにはとてもありがたい。
まだ厚着をしたままだが、レラの懐から飛び出して、いつものようにアルバの背に飛び乗った。
「寒いのはもう勘弁だな!」
「……お前はレラの服の中に入っていただけだろ?」
相当寒いのが辛かったのか、ゼータはもうこりごりといった表情を浮かべる。
それに対し、限は思わずツッコミを入れる。
寒くなってからというもの、1人ぬくぬくしていたようにしか思えなかったからだ。
「下りたらまずは町か村を探さないとな……」
「ワウッ!!」
ここまでくればもう国境越えは果たしている。
後は山を下りてからの町探しだ。
魔力探知で探してもいいが、どれほどの距離に探知を広げないといけないか分からない。
そのことを呟く現に、アルバは任せろと言うかのように声をあげる。
「匂いで見つけてくれるって言いたいのか?」
「ワウッ!」
限の探知も広範囲にできるが、捜索範囲を広げれば広げるだけ魔力を消費する。
それに比べて、アルバの嗅覚はそれだけで広範囲を捜索できる。
そのことを言いたいのだろうと限が尋ねると、アルバはその通りと言うかのように頷いた。
「アルバはすごいな……」
「んじゃあ、行くか?」
自信ありげなアルバに対し、ゼータは純粋にすごいと思い、背を撫でる。
たしかに単純に町や村を探すなら、アルバに任せた方が手っ取り早い。
そのことはそうすることにして、限たちはまずは山を下りきることにした。
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