復讐、報復、意趣返し……とにかくあいつらぶっ殺す!!

ポリ 外丸

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第3章

第58話 ダンジョン内

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「混んでんな」

「えぇ……」

 シムトゥーロの町に到着した翌日、限たちは町の近くにあるダンジョンへと足を運んだ。
 限たちは少し速めに出てきたつもりだったのだが、ダンジョンの入り口へ辿り着くともう冒険者たちの列ができていた。
 これだけの数が毎日入っているのかと思うと、相当上層は混みあっているだろう。
 それを考えると、限たちは入る前から気が重くなる。
 しかし、限たちの目的はレラの戦闘訓練のため、我慢して列に並ぶことにした。

『10分ごとに1パーティーが入って行く形か……』

 先に並んでいたパーティーたちがダンジョン内に入って行く様子を眺めて、限はどういう仕組みになっているのかを考えていた。
 どうやらこのダンジョンは冒険者ギルドが管理しているらしく、派遣された職員がダンジョン入出する冒険者たちを確認しているようだ。
 パーティー名やメンバーの名前などを確認すると、職員はダンジョンへ入ることを促す。
 次のパーティーは数が少ないせいかかなり速く確認が終わる。
 それなのに中に入って行かないことを見ていると、職員が時計を見ていることに気付いた。
 どうやら10分くらいの間隔をあけることで、入り口付近での混雑を防ごうとしているようだ。

『ランクの低いパーティーだと、10分でもすぐに追いつかれそうだがな……』

 たしかに少しの間隔を開けた方が混雑しなさそうだが、当然パーティーのランクによって進捗状況が変わってくる。
 低ランクの冒険者なら、ダンジョン上層でコツコツ実力の強化を図るのが無難だ。
 しかし、他の高ランクパーティーからするとただの邪魔になってしまう。
 ダンジョンに到着した順だと、そういったことは回避できないように思えた。

『俺たちが気にする必要ないか……』

 前に並んでいた者たちは、限の見立てでは中級の冒険者パーティーのように見えた。
 なので、上層で鉢合わせになるようなことはないだろう。
 そのため、限は余計な心配をする事をやめた。

「入ったらすぐに下の階へと向かうぞ」

「ハイ!」

 しばらく待っていると、限たちの入る順番になった。
 職員に名前を告げ、そのまま職員からの許可が出るのを待つ。
 その間に、限はレラへと告げる。
 目的はレラの強化。
 そのため、上層でダラダラしているつもりはない。
 レラもそれが分かっているため、すぐに返事をした。

「アルバ。下層への道を探してくれ」

「ワウッ!」

 魔力を使ってダンジョン内を探知すれば、限ならすぐに下層への道は見つけられる。
 しかし、それはアルバの鼻でも出来る。
 同じことができるなら、わざわざ魔力を使わないで済むアルバに任せることにした。
 指示を受けたアルバは、限に期待された嬉しいらしく、尻尾を振って返事をした。

「どうぞ!」

 時間が来たのか、職員から合図が出される。
 その合図と共に、限たちはダンジョン内へと入って行った。

「基本的にはレラが戦うのを俺たちが援助する。危険だと判断したら、俺が代わりに戦う」

 生物を殺すことで、人間は僅かながら能力が成長すると言われている。
 その相手が強ければ強い程その成長は顕著だという話だ。
 そのために、このダンジョン下層でのレラ強化だ。
 限たちが戦えば、下層どころか攻略まで問題もないだろうが、今回それは二の次。
 限の従魔であるアルバを先頭にし、限とレラは早歩き程度の速度で付いて行く。
 その背には、同じく限の従魔のニールが乗っている。
 現在ニールは小さくなっているが、本性は防御が得意な巨大亀だ。
 特に心配していないが、もしもアルバが気付かない罠があったとしても、ニールが何とかしてくれるだろう。

「今回は下層の魔物の種類と強さを確認する。あと、レラの魔力が少なくなったら、地上に戻るからな」

「ハイ!」

 ダンジョン内に入る確認をしていた職員には、明日には戻ると告げてある。
 それを過ぎた場合、死亡として登録を抹消されるそうだ。
 今日はダンジョンの下層の下見が目的だ。
 そして、明後日には長期間下層に潜って、本格的なレラの強化に入るつもりだ。
 その確認をして、限たちはドンドン下層へと向かっていったのだった。





◆◆◆◆◆

「レラの実力からすると50層付近からだな」

「……ハイ」

 このダンジョンも、他と同様に10層ごとにボスが出現するタイプらしい。
 本当はボスもレラに任せようかと思っていたのだが、それだと余計な時間がかかると判断し、アルバとニールが代わりに戦った。
 そして、ほとんど足を止めることなく下層へと進んで行くと、レラが手こずる魔物が出始めた。
 それが50層付近だった。
 このあたりから魔物を倒す訓練をした方が良いと考えた限は、ここを目安にして地上へ戻ることにした。

「どうした? 少し元気がないな」

「もっと行けると思っていたのですが……」

 先程のレラの返事がなんとなく弱かった気がし、限は何かあったのか問いかける。
 その問いに、レラは悔し気に返答した。

「普通の冒険者に比べれば、結構下層まで来たと思うがな」

「しかし、限様に指導してもらっていたのにこの程度なんて……」

 40層を越えた所で、限たちは冒険者に会うことはなかった。
 先に入った冒険者パーティーたちは、そこら辺で足止めを食らっているらしい。
 限の言うように、彼らに比べれば確かにすごいかもしれないが、ここまでの旅で毎日のように限に武術や魔法の訓練を受けていたため、レラの中ではもっと行けると思っていたようだ。
 それだけ自分の中で成長しているという自信があったのかもしれない。

「これから強くなればいい。今日は戻ろう」

「ハイ」

 普通の冒険者としてならば、レラはかなりの実力にまで成長している。
 しかし、これから自分に付いてくるというのであるならば、敷島の連中を相手にしなければならなくなる。
 そうなると、たしかにこのままでは危険でしかない。
 もしも敷島の人間に遭遇してもいいようにこのダンジョンで鍛えることにしたのだから、今はこの程度でも気にする必要はない。
 訓練をするためにも、長期で潜る準備を整える必要がある。
 そのため、今日の所は一旦地上へと戻ることにした。

「ところで……」

 地上に戻る前に、限には気になることがあった。
 それは、ダンジョンに入ってからずっと感じていた気配だった。

「そこのお前らは無いをしているんだ?」

「んだよ!」「気付いていやがったのかよ!」

 その気配のしている方へと問いかけると、冒険者たちがにやけた表情でぞろぞろと姿を現してきた。
 6人組のパーティーが4組で24人。
 よく見たら、限たちより先にダンジョンに入っていった冒険者パーティーたちだった。

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