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第3章
第77話 秘密の顔
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“ガラッ!!”
「……んっ?」
戦場の状況を把握しながら、研究員たちは次の指示まで待機していた。
そんな彼らがいる部屋の引き戸が開かれ、1人の女性が入ってきた。
「何だ君は? 警備の方ではないようようだが……」
兵から次の兵器製造の指示が来たのかと思っていたが、その女性はどう見ても兵には見えない。
違和感を感じた1人の研究員が、彼女に対して何者なのか問いかけた。
「っ!! な、何だそれは……」
何者かを問いかけた研究員は、質問の答えより入ってきた女性の持っているものに目が行き、指さしつつ問いかける。
女性は、反りのある片刃の刀身の長柄武器を持っているのだ。
「これですか? これは限様から頂いた私の宝物です」
「……限様? 何を言っているんだ?」
部屋に入ってきたのはレラ。
その手に持っている武器は、限が以前倒した木内の刀を利用して作り上げた薙刀で、棒術を鍛えていたレラの武器として限から貰ったものだ。
思いを寄せている限から譲られた物で、レラの宝物だ。
しかし、そんなこと研究員には分からない。
そのため、研究員はレラの言っている意味が理解できない。
「そんな事はどうでもいい! その武器についている赤い液体は何だと聞いてるんだ!?」
何を言っているのか分からないが、聞きたいのは武器のことではない。
聞きたいのは、武器についている液体のことだ。
聞いておいてなんだが、それが何かはすぐに予想がつく。
それは血液だ。
「な、何だ……」
「……あなた見ことあるわ」
問いに対する答えを待つが、レラは見つめて来るだけだ。
研究員がその視線に戸惑っていると、レラは小さく呟く。
“ヒュン!!”
「ガッ!!」
一言呟いたと思ったら、レラは薙刀を一閃する。
それによって、問いかけていた研究員の首が上空へと舞った。
「なっ!?」
「ヒッ、ヒーー!!」
「け、警備兵は何をしているんだ!!」
いきなりの出来事に、他の研究員たちが騒ぎ出す。
入ってきた女によって部屋の中が血の海に変わったのだから、荒事に慣れていない彼らが戸惑うのも無理はない。
「警備の者たちなら、全員眠ってもらいました。永遠に……」
先程殺した研究員の質問に、レラは今更ながらに返答する。
薙刀の刀身に付いていたのは、ここを守る警備兵たちの血液だった。
「……へっ?」
「う、嘘だ……」
ラクト帝国側は、戦場に意識が向いている所で、敷島の暗殺部隊が侵入してくるという可能性を考えていた。
侵入されて人造兵器を送り出す研究員たちに被害が及んでは、ラクト帝国側が勝利する可能性が低くなる。
それを阻止するため、多くの警備の兵が配備されていたはずだ。
その警備兵たちを全員殺して入ってくるなど、とてもではないが受け入れられないため、研究員たちはレラの言葉を否定する。
「これから死ぬ人に嘘なんか言っても仕方がないでしょ?」
「……そ、そんな……」
殺したと言っても、ほとんどは限が殺していたため、レラはたいして相手にしていない。
そんな事は今はどうでもいいこと。
別に研究員たちが信じようが信じまいが、レラとしてはどちらでもいい。
どうせ殺すつもりでいるのだから。
薙刀を振って刀身に付いた血を飛ばす冷酷なレラの表情に、嘘ではないのだと理解した研究員たちは恐怖の表情で後退る。
「命を狙われる心当たりがあるでしょ?」
「わ、私たちに心当たりなんてない!」
研究員たちはレラのことを覚えていない、もしくは知らないのだろう。
だから、どうして自分に命を狙われているのか分からないのだ。
しかし、自分に覚えは無くても、彼らは心当たりがあるはず。
そのことをレラは問いかけるが、研究員の1人は考えるような間もなく返答した。
「……あ゛っ!?」
心当たりがないわけがない。
それなのに、考えることもなく答えるなんて不愉快極まりない。
そのふざけた態度に、レラは目を見開いてドスの効いた低い声を漏らした。
「生きてる人間切り刻んだり、毒飲ませて殺しまくって心当たりが無いわけねえだろうが!!」
「「「「「ヒッ!!」」」」」
レラは怒りと共に殺気を飛ばす。
その濃密な殺気に、研究員たちは顔を引きつらせた。
「キュッ!」
「っと! こんな口の使い方は、限様に嫌われてしまうわね」
我を忘れているレラを諫めるように、小さくなってポケットに入っていた亀のニールが声をかける。
あまりの怒りで汚い言葉遣いになってしまっていた。
嫌われる訳にはいかないため、限の前では絶対にしたことが無いレラの裏の顔だ。
ニールの声でその顔が出てしまっていることに気付き、レラはいつもの口調に戻った。
「クズ共はさっさと殺さないと……」
「く、来るな!!」
彼ら研究員たちは、研究のために使い潰した人や動物などのことなどはただの物としか考えていないのだろう。
そんな奴らを生かしておくのは害悪でしかない。
そう考えたレラは、無駄な問答はせず、彼らを殺すことにした。
「火炎!」
「う、うぎゃー!!」
近付くなと言うのなら、近付かずに殺せばいい。
なので、レラは近くにいた研究員に火魔法を放った。
魔法をくらった研究員は、火ダルマになって焼死した。
「く、くそっ!!」
「ガッ!!」
またも仲間が殺されてパニックになった研究員の1人が、ベッドに横になっている人間に何かの薬品を注射する。
「……?」
その行為が何を意味するものなのか分からず、レラは首を傾げる。
「ガアァーーーーー!!」
異変はすぐに起きる。
注射を打たれた人間が、その身を変化させた。
戦場に投入された6本腕の魔物だ。
「化け物!! 奴をやれ!!」
「ガァー!!」
研究員は、6本腕の魔物に変異した人間へ更にもう1本の注射をおこなう。
それにより、変異種となった魔物にレラを潰すように命令を出した。
命令を受けた魔物は、それに従いレラに目を向けた。
「思った通り、人間から作られていたのね……」
6本腕の魔物は鬼のような顔をしている。
その顔をよく見ると、どことなく人間のようにも見える。
そのことから、レラは6本腕の魔物の材料は人間なのではないかと考えていた。
人体実験を何とも思わない研究員たちならば、そういったことを平気でやると予想できたため、予想通りの結果に驚きはしない。
「やっぱりお前ら殺してやるよ!!」
研究のためなら人の命を平気で利用する。
国を変えても、彼らは以前と何も変わっていないようだ。
そのことが、またもレラの怒りに火をつけ、獰猛な表情とドスの効いた言葉として現れた。
「……んっ?」
戦場の状況を把握しながら、研究員たちは次の指示まで待機していた。
そんな彼らがいる部屋の引き戸が開かれ、1人の女性が入ってきた。
「何だ君は? 警備の方ではないようようだが……」
兵から次の兵器製造の指示が来たのかと思っていたが、その女性はどう見ても兵には見えない。
違和感を感じた1人の研究員が、彼女に対して何者なのか問いかけた。
「っ!! な、何だそれは……」
何者かを問いかけた研究員は、質問の答えより入ってきた女性の持っているものに目が行き、指さしつつ問いかける。
女性は、反りのある片刃の刀身の長柄武器を持っているのだ。
「これですか? これは限様から頂いた私の宝物です」
「……限様? 何を言っているんだ?」
部屋に入ってきたのはレラ。
その手に持っている武器は、限が以前倒した木内の刀を利用して作り上げた薙刀で、棒術を鍛えていたレラの武器として限から貰ったものだ。
思いを寄せている限から譲られた物で、レラの宝物だ。
しかし、そんなこと研究員には分からない。
そのため、研究員はレラの言っている意味が理解できない。
「そんな事はどうでもいい! その武器についている赤い液体は何だと聞いてるんだ!?」
何を言っているのか分からないが、聞きたいのは武器のことではない。
聞きたいのは、武器についている液体のことだ。
聞いておいてなんだが、それが何かはすぐに予想がつく。
それは血液だ。
「な、何だ……」
「……あなた見ことあるわ」
問いに対する答えを待つが、レラは見つめて来るだけだ。
研究員がその視線に戸惑っていると、レラは小さく呟く。
“ヒュン!!”
「ガッ!!」
一言呟いたと思ったら、レラは薙刀を一閃する。
それによって、問いかけていた研究員の首が上空へと舞った。
「なっ!?」
「ヒッ、ヒーー!!」
「け、警備兵は何をしているんだ!!」
いきなりの出来事に、他の研究員たちが騒ぎ出す。
入ってきた女によって部屋の中が血の海に変わったのだから、荒事に慣れていない彼らが戸惑うのも無理はない。
「警備の者たちなら、全員眠ってもらいました。永遠に……」
先程殺した研究員の質問に、レラは今更ながらに返答する。
薙刀の刀身に付いていたのは、ここを守る警備兵たちの血液だった。
「……へっ?」
「う、嘘だ……」
ラクト帝国側は、戦場に意識が向いている所で、敷島の暗殺部隊が侵入してくるという可能性を考えていた。
侵入されて人造兵器を送り出す研究員たちに被害が及んでは、ラクト帝国側が勝利する可能性が低くなる。
それを阻止するため、多くの警備の兵が配備されていたはずだ。
その警備兵たちを全員殺して入ってくるなど、とてもではないが受け入れられないため、研究員たちはレラの言葉を否定する。
「これから死ぬ人に嘘なんか言っても仕方がないでしょ?」
「……そ、そんな……」
殺したと言っても、ほとんどは限が殺していたため、レラはたいして相手にしていない。
そんな事は今はどうでもいいこと。
別に研究員たちが信じようが信じまいが、レラとしてはどちらでもいい。
どうせ殺すつもりでいるのだから。
薙刀を振って刀身に付いた血を飛ばす冷酷なレラの表情に、嘘ではないのだと理解した研究員たちは恐怖の表情で後退る。
「命を狙われる心当たりがあるでしょ?」
「わ、私たちに心当たりなんてない!」
研究員たちはレラのことを覚えていない、もしくは知らないのだろう。
だから、どうして自分に命を狙われているのか分からないのだ。
しかし、自分に覚えは無くても、彼らは心当たりがあるはず。
そのことをレラは問いかけるが、研究員の1人は考えるような間もなく返答した。
「……あ゛っ!?」
心当たりがないわけがない。
それなのに、考えることもなく答えるなんて不愉快極まりない。
そのふざけた態度に、レラは目を見開いてドスの効いた低い声を漏らした。
「生きてる人間切り刻んだり、毒飲ませて殺しまくって心当たりが無いわけねえだろうが!!」
「「「「「ヒッ!!」」」」」
レラは怒りと共に殺気を飛ばす。
その濃密な殺気に、研究員たちは顔を引きつらせた。
「キュッ!」
「っと! こんな口の使い方は、限様に嫌われてしまうわね」
我を忘れているレラを諫めるように、小さくなってポケットに入っていた亀のニールが声をかける。
あまりの怒りで汚い言葉遣いになってしまっていた。
嫌われる訳にはいかないため、限の前では絶対にしたことが無いレラの裏の顔だ。
ニールの声でその顔が出てしまっていることに気付き、レラはいつもの口調に戻った。
「クズ共はさっさと殺さないと……」
「く、来るな!!」
彼ら研究員たちは、研究のために使い潰した人や動物などのことなどはただの物としか考えていないのだろう。
そんな奴らを生かしておくのは害悪でしかない。
そう考えたレラは、無駄な問答はせず、彼らを殺すことにした。
「火炎!」
「う、うぎゃー!!」
近付くなと言うのなら、近付かずに殺せばいい。
なので、レラは近くにいた研究員に火魔法を放った。
魔法をくらった研究員は、火ダルマになって焼死した。
「く、くそっ!!」
「ガッ!!」
またも仲間が殺されてパニックになった研究員の1人が、ベッドに横になっている人間に何かの薬品を注射する。
「……?」
その行為が何を意味するものなのか分からず、レラは首を傾げる。
「ガアァーーーーー!!」
異変はすぐに起きる。
注射を打たれた人間が、その身を変化させた。
戦場に投入された6本腕の魔物だ。
「化け物!! 奴をやれ!!」
「ガァー!!」
研究員は、6本腕の魔物に変異した人間へ更にもう1本の注射をおこなう。
それにより、変異種となった魔物にレラを潰すように命令を出した。
命令を受けた魔物は、それに従いレラに目を向けた。
「思った通り、人間から作られていたのね……」
6本腕の魔物は鬼のような顔をしている。
その顔をよく見ると、どことなく人間のようにも見える。
そのことから、レラは6本腕の魔物の材料は人間なのではないかと考えていた。
人体実験を何とも思わない研究員たちならば、そういったことを平気でやると予想できたため、予想通りの結果に驚きはしない。
「やっぱりお前ら殺してやるよ!!」
研究のためなら人の命を平気で利用する。
国を変えても、彼らは以前と何も変わっていないようだ。
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