復讐、報復、意趣返し……とにかくあいつらぶっ殺す!!

ポリ 外丸

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第5章

第169話 地下の戦闘②

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「グルアッ!!」

「っっっ!?」

「キュッ!!」

 魔物化の薬を使用し、ミノタウロスと化した敷島奴隷は、急激な接近と共にレラへと拳を振る。
 あまりの速さに驚いているレラとは違い、その攻撃にニールが反応する。
 ミノタウロスの攻撃を防ごうと、得意の魔力障壁による防御を張る。

「グッ、ガアァッ!!」

「なっ!?」「キュッ!?」

 ニールの魔力障壁はミノタウロスの攻撃を一瞬止める。
 しかし、その次の瞬間、ミノタウロスはさらなる力を拳に込め、ニールの魔力障壁を打ち砕いた。
 それを見たレラとニールは、驚きの声を上げる。
 ニールの強固な魔力障壁を、こんな簡単に打ち破られるなんて思いもしなかったからだ。

「ガアッ!!」

「キュッ!!」

「ぐっ!!」

 魔力障壁を破られ、接近されてしまったレラとニール。
 そんな彼女たちに向かって、ミノタウロスは拳を振り抜く。
 ニールが張る魔力障壁を破るような相手の攻撃を、まともに食らえばただでは済まない。
 そのため、ニールは更に魔力障壁を張って、その攻撃を防ごうとした。
 しかし、その攻撃を止めることはできず、レラたちは張った魔力障壁ごと吹き飛ばされることになった。

「痛た……」

 吹き飛ばされたレラは、地下通路の壁に当たることでようやく止まる。
 何度か床を跳ねることになり、体の数か所に痛みが走る。
 その痛みを何とかこらえ、レラは何とか立ち上がった。

「このっ!!」

 立ち上がったレラは、反撃とばかりに火球を放つ。

「ガアッ!!」

「なっ!?」

 レラの火球がミノタウロスに直撃する。
 しかし、ミノタウロスはその火球を受け止めると、腕力でねじ伏せるように抱き潰した。
 潰された火球は霧散し、ミノタウロスの胸に僅かな火傷をさせるだけに留まった。
 大きさ的には、直径60cmほどの球体。
 地下通路を壊さないように抑えた大きさの火球だ。
 しかし、その火球にはかなり圧縮した魔力を使用している。
 そのため、威力は相当なもののはずだ。
 それを力だけでねじ伏せるなんて、先ほどの魔力障壁を破ったようにとんでもない腕力になっているようだ。

「ガアッ!!」

「キュッ!!」

「きゃぁ!!」

 火球を潰したミノタウロスは、すぐさま反撃に出る。
 レラたちとの距離を詰めて、またも殴り掛かってきたのだ。
 それに対応するために、またもニールは魔力障壁を張る。
 それでもお構いなしに振りぬかれた攻撃により、またもレラは魔力障壁ごと吹き飛ばされた。

「このっ!! っっっ!?」

 今度は何とか体勢を整えて着地する。
 そして、ミノタウロスにダメージを与えようと、先ほど以上の攻撃を放とうと魔力を貯めようとした。
 しかし、レラが体勢を整えるこを見越していたのか、ミノタウロスが追いかけてきていた。

「ガアッ!! ガアッ!!」

「キュッ、キュウッ!!」

「くっ!! ぐっ!!」

 レラに魔法を放つ隙を与えないためか、ミノタウロスは何度も拳を振るってくる。
 その攻撃を防ごうと、ニールも魔力障壁を張って防ぐが、魔力障壁を殴った衝撃がレラたちに伝わってくるため、魔力を貯めることに集中できない。
 反撃できたとしても、ミノタウロスには通用しないのは目に見えている。
 そのため、レラは伝わってくる衝撃に耐えつつも、反撃のチャンスをうかがうしかなかった。

「いまだっ!!」

 ミノタウロスの攻撃に耐えていたレラとニールにチャンスが訪れる。
 攻撃によって吹き飛ばされたことで、ミノタウロスとの間に距離ができたからだ。
 この機を逃すまいと、レラは魔力を溜めることに集中する。

「グルアッ!!」

「キュッ!!」

「きゃあ!!」

 魔力の高まりから、レラが魔法による攻撃をしようとしていることに気付いているのか。
 ミノタウロスは、好きにはさせないとばかりに迫りくる。
 そして、今度は頭部に付いている角を武器とするように突進してきた。
 渾身ともいえるミノタウロスの突進により、またもレラたちは吹き飛ばされることになった。
 しかも、今度は魔力障壁を破壊されての直撃。
 魔力障壁によって威力が抑えられたとはいっても、とんでもない衝撃がレラに襲い掛かる。
 そのため、レラは何度も地下通路の床を跳ね、壁に背中を強かに打ち付けることで止まることができた。

「ぐっ、ぐうぅ……、な…なんて力なの……」

 全身に走る痛みに耐え、レラは腹を抑えてヨロヨロと立ち上がる。
 薙刀を杖のようにしないと倒れてしまいそうだ。

『骨が折れてるわね……』

 突進による体当たりを受け、肋骨が折れたようだ。
 脂汗を掻きつつも、レラは必死にその痛みに耐える。

「良いわよ! 早く倒してしまいなさい!」

 これまでとは違い、今度はこちらが追い込んでいる状況に変わった。
 やはり魔物化の薬を投与したのは成功だった。

『いつまで持つか分からない。さっさと倒してここから脱出しないと……』

 立場が有利になったのは良いのだが、自分が城から脱出するためには、無駄に時間を有している場合ではない。
 そのため、オリアーナはミノタウロスに向かって、すぐにでもレラを倒すように命令を出した。

『強化薬を使用して魔物化すると、ここまで強力になるなんて……』

 強化薬と魔物化薬を使用し、予想以上の戦闘力をもった生物が誕生した。
 こんなことなら、魔物化する前に倒しておくべきだった。
 そんなことを思いながら、レラはここからどうやってミノタウロスに勝てるのかを懸命に思考する。
 しかし、手負いの状態の自分が、ニールの魔力障壁を苦としていないミノタウロス相手に何ができるのか分からない。
 正に万事休すといった状態に、レラは何も思いつかないでいた。

「グウゥ……!!」

「…………何?」

 勝ち目がないことに絶望しかけていたレラだったが、その状況に異変が起きる。
 ミノタウロスの動きに違和感が起き始めたのだ。

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