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第5章
第170話 地下の戦闘③
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「グ、グルアアーーッ!!」
「……何っ?」「……キュッ?」
体を震えさせ、雄たけびを上げる元敷島奴隷のミノタウロス。
その雄たけびは、苦しんでいるかのようなものだ。
自分たちは防戦一方でミノタウロスにダメージを与えた覚えはない。
そのため、レラとニールは何が起きているのか分からず首を傾げるしかなかった。
「くっ!!」『予想以上に早い……』
何が起きているのかは、このミノタウロスを作り上げたオリアーナしか分からない。
そのオリアーナは、思っていたよりも早くミノタウロスに薬の副作用が出始めていることに歯噛みするしかなかった。
「さっさとそいつを倒しなさい!」
もしもこのミノタウロスが使えなくなれば、自分が城から脱出できる可能性が極めて低くなる。
残り時間を考えると、少しでも早く城からの脱出を図らなくてはならない。
そのため、オリアーナはミノタウロスにレラたちを早急に倒すことを命令した。
「グ、グルル……」
オリアーナの命令を受け、ミノタウロスは苦しみながらもレラに視線を向ける。
「グウゥ……!!」
体中に走る痛みに耐えつつ、前傾姿勢になるミノタウロス。
先程の体当たりをまたやるつもりのようだ。
「マズいですね……」
「キュウ……」
またあの体当たりを受けたら、今度はただでは済まない。
そのためには、ミノタウロスに大ダメージを与えて動けなくするしかない。
しかし、自分が全魔力を使用して魔法攻撃をしようにも、魔力を貯めるだけの時間が作れない。
ミノタウロスに異変が起きようとも状況は変わっていないため、レラとニールは困った様子で呟いた。
「グルアァーーッ!!」
「くっ!」
「キュッ!」
足に力を溜めたミノタウロスは、勢いよく床を蹴る。
それにより、猛烈なスピードでレラたちへと迫った。
「ガアァーー!!」
「っっっ!?」
一直線に突き進むミノタウロス。
そのままレラたちに体当たりを食らわせ、戦闘不能にすると思っていた。
しかし、そんなミノタウロスに対し、白いものが高速で向かって行った。
「グウッ!?」
「ガッ!?」
白いものとミノタウロスが衝突する。
威力は同等だったらしく、白いものとミノタウロスの双方は後方へと弾かれた。
「ア、アルバ様!!」
「キュウッ!!」
「ガウッ!」
現れた白いものとは、限の従魔である白狼のアルバだった。
魔物化薬でミノタウロスと変化した研究員たちを相手にしていたが、それを倒し終えて追いついたようだ。
絶体絶命の所で頼もしいアルバの登場。
レラとニールは喜びの声を上げた。
「グウゥ……!!」
「グルル……!!」
いきなり現れたアルバに対し、ミノタウロスは警戒しつつ睨みつける。
アルバも先ほどのぶつかり合いによって相手の強さを実感したのか、すぐさま遅いかかるようなことはせず、ミノタウロスの動きを見つめる。
「何しているのよ! 早くその白狼共々皆殺しにしなさい!!」
「ガアァ……」
もう少しのところでレラを倒すことができたというのに、アルバが出現したことで焦ったオリアーナはミノタウロスに殲滅を急かす。
『……さっきから、何でオリアーナは……』
またしてもミノタウロスに急かすような命令をするオリアーナに、レラが違和感を覚える。
アルバが来たことで、面倒に思ったにしては反応が過剰に思える。
『まさか……』
思考を巡らせることで、あることがレラの頭の中に浮かび上がる。
先程苦しむような反応を見せたミノタウロス。
強化薬に魔物化薬。
強化薬だけでも人体にかなりの負荷をかけるはずなのに、その上魔物化薬まで使用した。
いくら敷島人が他の民族よりも強靭な肉体を持っているとしても、その2重の負荷に耐えられるだろうか。
そんなことが可能なのは、度重なる人体実験を耐えた限だけなのではないだろうか。
だとしたら……、
「アルバ様! 無理に倒す必要はありません! 時間を稼いでください!」
「っっっ!?」
自分の考えが正しいのかは分からない。
しかし、今のアルバは巨大化した全力状態だ。
それなのに、強化魔物化したミノタウロスが互角なのだとしたら、無理をする必要はない。
時間を稼げば、自分たちの方が有利になるはずだからだ。
その思いから、レラはアルバに無理をしないように頼んだ。
レラのその言葉に、オリアーナは顔を歪めた。
自分の考えを、レラのような戦闘馬鹿そうな女に読まれたと思ったからだ。
戦闘馬鹿は、言い換えれば戦闘巧者だ。
研究面においては巧者でも、戦闘において素人のオリアーナは、レラに言動や表情などから心理を読まれたのだ。
「ガウッ!!」
「グルアッ!!」
気合の言葉と共にぶつかありあうアルバとミノタウロス。
今度はお互い弾き飛ばされないように踏ん張りあう。
そんな2体にも僅かな差が生じている。
そのことを理解しているのは、ぶつかり合っている2体のみだ。
「そいつらを早く倒しなさい! この出来損ない!!」
アルバとほぼ同等の戦闘力を有している時点で、ミノタウロスの戦闘能力はかなりのものだ。
そんなことは分からないため、焦るオリアーナはいつまでも敵を倒せないミノタウロスを罵った。
「……何っ?」「……キュッ?」
体を震えさせ、雄たけびを上げる元敷島奴隷のミノタウロス。
その雄たけびは、苦しんでいるかのようなものだ。
自分たちは防戦一方でミノタウロスにダメージを与えた覚えはない。
そのため、レラとニールは何が起きているのか分からず首を傾げるしかなかった。
「くっ!!」『予想以上に早い……』
何が起きているのかは、このミノタウロスを作り上げたオリアーナしか分からない。
そのオリアーナは、思っていたよりも早くミノタウロスに薬の副作用が出始めていることに歯噛みするしかなかった。
「さっさとそいつを倒しなさい!」
もしもこのミノタウロスが使えなくなれば、自分が城から脱出できる可能性が極めて低くなる。
残り時間を考えると、少しでも早く城からの脱出を図らなくてはならない。
そのため、オリアーナはミノタウロスにレラたちを早急に倒すことを命令した。
「グ、グルル……」
オリアーナの命令を受け、ミノタウロスは苦しみながらもレラに視線を向ける。
「グウゥ……!!」
体中に走る痛みに耐えつつ、前傾姿勢になるミノタウロス。
先程の体当たりをまたやるつもりのようだ。
「マズいですね……」
「キュウ……」
またあの体当たりを受けたら、今度はただでは済まない。
そのためには、ミノタウロスに大ダメージを与えて動けなくするしかない。
しかし、自分が全魔力を使用して魔法攻撃をしようにも、魔力を貯めるだけの時間が作れない。
ミノタウロスに異変が起きようとも状況は変わっていないため、レラとニールは困った様子で呟いた。
「グルアァーーッ!!」
「くっ!」
「キュッ!」
足に力を溜めたミノタウロスは、勢いよく床を蹴る。
それにより、猛烈なスピードでレラたちへと迫った。
「ガアァーー!!」
「っっっ!?」
一直線に突き進むミノタウロス。
そのままレラたちに体当たりを食らわせ、戦闘不能にすると思っていた。
しかし、そんなミノタウロスに対し、白いものが高速で向かって行った。
「グウッ!?」
「ガッ!?」
白いものとミノタウロスが衝突する。
威力は同等だったらしく、白いものとミノタウロスの双方は後方へと弾かれた。
「ア、アルバ様!!」
「キュウッ!!」
「ガウッ!」
現れた白いものとは、限の従魔である白狼のアルバだった。
魔物化薬でミノタウロスと変化した研究員たちを相手にしていたが、それを倒し終えて追いついたようだ。
絶体絶命の所で頼もしいアルバの登場。
レラとニールは喜びの声を上げた。
「グウゥ……!!」
「グルル……!!」
いきなり現れたアルバに対し、ミノタウロスは警戒しつつ睨みつける。
アルバも先ほどのぶつかり合いによって相手の強さを実感したのか、すぐさま遅いかかるようなことはせず、ミノタウロスの動きを見つめる。
「何しているのよ! 早くその白狼共々皆殺しにしなさい!!」
「ガアァ……」
もう少しのところでレラを倒すことができたというのに、アルバが出現したことで焦ったオリアーナはミノタウロスに殲滅を急かす。
『……さっきから、何でオリアーナは……』
またしてもミノタウロスに急かすような命令をするオリアーナに、レラが違和感を覚える。
アルバが来たことで、面倒に思ったにしては反応が過剰に思える。
『まさか……』
思考を巡らせることで、あることがレラの頭の中に浮かび上がる。
先程苦しむような反応を見せたミノタウロス。
強化薬に魔物化薬。
強化薬だけでも人体にかなりの負荷をかけるはずなのに、その上魔物化薬まで使用した。
いくら敷島人が他の民族よりも強靭な肉体を持っているとしても、その2重の負荷に耐えられるだろうか。
そんなことが可能なのは、度重なる人体実験を耐えた限だけなのではないだろうか。
だとしたら……、
「アルバ様! 無理に倒す必要はありません! 時間を稼いでください!」
「っっっ!?」
自分の考えが正しいのかは分からない。
しかし、今のアルバは巨大化した全力状態だ。
それなのに、強化魔物化したミノタウロスが互角なのだとしたら、無理をする必要はない。
時間を稼げば、自分たちの方が有利になるはずだからだ。
その思いから、レラはアルバに無理をしないように頼んだ。
レラのその言葉に、オリアーナは顔を歪めた。
自分の考えを、レラのような戦闘馬鹿そうな女に読まれたと思ったからだ。
戦闘馬鹿は、言い換えれば戦闘巧者だ。
研究面においては巧者でも、戦闘において素人のオリアーナは、レラに言動や表情などから心理を読まれたのだ。
「ガウッ!!」
「グルアッ!!」
気合の言葉と共にぶつかありあうアルバとミノタウロス。
今度はお互い弾き飛ばされないように踏ん張りあう。
そんな2体にも僅かな差が生じている。
そのことを理解しているのは、ぶつかり合っている2体のみだ。
「そいつらを早く倒しなさい! この出来損ない!!」
アルバとほぼ同等の戦闘力を有している時点で、ミノタウロスの戦闘能力はかなりのものだ。
そんなことは分からないため、焦るオリアーナはいつまでも敵を倒せないミノタウロスを罵った。
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