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第3章
第46話
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ルイスたち獣人たちがいてくれるおかげで、食料の調達などの仕事はすぐに済み、結構暇な時間が増えるようになった。
畑の作物に付く害虫は、キュウたちケセランパサランたちが食べてくれるので手入れも簡単だ。
この暇になった時間何もしないでいると、ルイスたちは何かといっては手合わせをしたがる。
この世界で生きるためには、常に体を鍛えていないといけないのは分かるが、そればかりではつまらないし勿体ない。
「ビーチバレーをやろう!」
「…………?」
ケイの言葉にルイスたちは首を傾げた。
バレーというスポーツ自体がこの世界にはないのだから、それもそのはずだ。
「…………というルールだ!」
「分かりました。面白そうですね」
「私たちもやりたいわ」
ルールの方を説明すると、ルイスたち男性陣だけでなく美花たち女性陣も参加を表明してきた。
「ちょっと待っててくれ。今コートを作るから」
そういうと、ケイは土魔法で柱を2本作り出す。
その間に漂着した漁の網を加工したものを張ってコートを作り出した。
コートの詳しい大きさは分からないので、大体の大きさだが気にしない。
ボールは、伸ばした猪の皮をつなぎ、中に腕鶏の羽を入れまくった物で作り上げた。
子供たちも一緒にやるので、当たっても怪我しないように少し柔らかい感じに仕上がっている。
「まずは男性陣でやってみるか?」
「そうね……。どんな感じか見てからの方が良いかもしれないわね」
ルールはそれほど難しくないため、皆理解していると思うが、とりあえずやってみることにした。
あまり長いことやって美花たち女性陣を待たせるのは良くない。
そのため、5点先取で行なうことにした。
「よ~し。行くぞ~」
組み合わせメンバーは、ケイ・レイナルドの親子組、対ルイス・イバンの獣人コンビになった。
サーブ権を取ったケイは、オーバーハンドサーブで軽めに相手コートに入れた。
「ルイス兄!」
「おうっ!」
「おっ! 上手いな……」
やんわりしたボールなのでそれほど難しくないのだが、ルイスはケイが教えた通りイバンがトスしやすいネット近くにレシーブした。
少し高めに上げることで自分が立ち上がる時間を作っているのも見事だ。
「ハイッ!」
「レイ! 来るぞ!」
「うん!」
ルイスが助走に入った所で、イバンのちょっと高めのトスが上がった。
それを見て、ケイたち親子もレシーブの態勢に入る。
最初なのでブロックは止めておいた。
恐らくそれは正解だった。
「ドッ……セイ!!」
「「っ!?」」
“ズドンッ!!”
イバンのトスは高いと思ったケイ親子だったのだが、ルイスは地面が砂地であるのが嘘のように跳び上がり、高角度からの弾丸のようなアタックを打ち下ろしてきた。
「「よっしゃ!」」
「「………………」」
獣人コンビがハイタッチしている中、ケイたち親子の方は顔を青くしていた。
生身の状態であんな球を受けたら、骨は折れないまでも吹っ飛ばされてアタックなんて打てるわけがない。
こんな所で身体能力の差を痛烈に感じるとは思わなかった。
「あの~……ルイス」
「はい? どうしました?」
さすがにこれでは一方的に負ける姿しか思い浮かばないので、ケイはルイスにある相談をしようと思った。
「こっちのチームは生身であれを受け止めるのは無理そうなんだ。軽めの魔闘術を使うのを許可してほしいんだけど……」
「う~ん……、良いですよ」
ケイの提案に、ルイスは少し考える素振りを見せた。
魔闘術を使われると、今度は自分たちの方が手に負えなくなりそうだ。
しかし、軽めといってるのだからそんな大差はつかないだろう。
イバンの方を見ると頷きで返してきたので、了承することにした。
「おりゃー!!」
「とわっ!!」
魔闘術がありになると、実力が拮抗した。
取って取られてを繰り返し、4-4の状態になった。
デュースの状態だが、今回は女性陣も待っているので先に5点を取った方が勝ちということにしておいた。
魔闘術を使うことによって、ケイ親子もなんとかレシーブできるようになったが、ルイスのアタックが段々とコースをついてくるようになってきた。
ケイたちも上手く狙うのだが、2人の反応が早く拾われてしまう。
今回も気合いと共にかなりギリギリを狙ったのにもかかわらず、ルイスに拾われてしまった。
「兄!」
「やばっ!」
いつの間にかイバンもトスが上手くなってきていた。
ちょっとずれたボールを、調整してルイスに上げた。
ブロックに行くにはタイミング的に合わない。
またもルイスの弾丸アタックが来ると思って、ケイとレイナルドは身構えた。
“ポスッ……”
「「あっ……!」」
下がって強打に警戒していたのに、ルイスは軽くボールを触ってネット際に落としてきた。
完全に意表を突かれた形になった。
「最後にそれはないわ……」
負けてしまったケイとレイナルドは、最後ので力が抜けて座り込んでしまった。
「じゃあ、じゃあ、今度は私たちの番ね!」
ケイたちの試合が思った以上に熱くなってしまい、美花たちもやる気になっている。
「ハーッ!!」
「セイヤッ!!」
「「「「…………」」」」
美花・セリア、アレシア・リリアナの組み合わせでの試合になった。
若いセリアもいることだし、ちょっと緩い試合になるかと思ったのだが、全く違った。
ガンガンの強力アタックの打ち合いになった。
いつもほんわかしているセリアは、めちゃめちゃレシーブが上手かった。
思わず天才なんじゃないかと思ってしまった。
目が血走ってるような程に気合いの入った打ち合いに、男性陣もちょっと引き気味だ。
結果は5-4で美花チームの勝利に終わった。
皆ビーチバレーにハマったらしく、その後、仕事を早めに終わらせて試合しているのをよく見るようになったのだった。
畑の作物に付く害虫は、キュウたちケセランパサランたちが食べてくれるので手入れも簡単だ。
この暇になった時間何もしないでいると、ルイスたちは何かといっては手合わせをしたがる。
この世界で生きるためには、常に体を鍛えていないといけないのは分かるが、そればかりではつまらないし勿体ない。
「ビーチバレーをやろう!」
「…………?」
ケイの言葉にルイスたちは首を傾げた。
バレーというスポーツ自体がこの世界にはないのだから、それもそのはずだ。
「…………というルールだ!」
「分かりました。面白そうですね」
「私たちもやりたいわ」
ルールの方を説明すると、ルイスたち男性陣だけでなく美花たち女性陣も参加を表明してきた。
「ちょっと待っててくれ。今コートを作るから」
そういうと、ケイは土魔法で柱を2本作り出す。
その間に漂着した漁の網を加工したものを張ってコートを作り出した。
コートの詳しい大きさは分からないので、大体の大きさだが気にしない。
ボールは、伸ばした猪の皮をつなぎ、中に腕鶏の羽を入れまくった物で作り上げた。
子供たちも一緒にやるので、当たっても怪我しないように少し柔らかい感じに仕上がっている。
「まずは男性陣でやってみるか?」
「そうね……。どんな感じか見てからの方が良いかもしれないわね」
ルールはそれほど難しくないため、皆理解していると思うが、とりあえずやってみることにした。
あまり長いことやって美花たち女性陣を待たせるのは良くない。
そのため、5点先取で行なうことにした。
「よ~し。行くぞ~」
組み合わせメンバーは、ケイ・レイナルドの親子組、対ルイス・イバンの獣人コンビになった。
サーブ権を取ったケイは、オーバーハンドサーブで軽めに相手コートに入れた。
「ルイス兄!」
「おうっ!」
「おっ! 上手いな……」
やんわりしたボールなのでそれほど難しくないのだが、ルイスはケイが教えた通りイバンがトスしやすいネット近くにレシーブした。
少し高めに上げることで自分が立ち上がる時間を作っているのも見事だ。
「ハイッ!」
「レイ! 来るぞ!」
「うん!」
ルイスが助走に入った所で、イバンのちょっと高めのトスが上がった。
それを見て、ケイたち親子もレシーブの態勢に入る。
最初なのでブロックは止めておいた。
恐らくそれは正解だった。
「ドッ……セイ!!」
「「っ!?」」
“ズドンッ!!”
イバンのトスは高いと思ったケイ親子だったのだが、ルイスは地面が砂地であるのが嘘のように跳び上がり、高角度からの弾丸のようなアタックを打ち下ろしてきた。
「「よっしゃ!」」
「「………………」」
獣人コンビがハイタッチしている中、ケイたち親子の方は顔を青くしていた。
生身の状態であんな球を受けたら、骨は折れないまでも吹っ飛ばされてアタックなんて打てるわけがない。
こんな所で身体能力の差を痛烈に感じるとは思わなかった。
「あの~……ルイス」
「はい? どうしました?」
さすがにこれでは一方的に負ける姿しか思い浮かばないので、ケイはルイスにある相談をしようと思った。
「こっちのチームは生身であれを受け止めるのは無理そうなんだ。軽めの魔闘術を使うのを許可してほしいんだけど……」
「う~ん……、良いですよ」
ケイの提案に、ルイスは少し考える素振りを見せた。
魔闘術を使われると、今度は自分たちの方が手に負えなくなりそうだ。
しかし、軽めといってるのだからそんな大差はつかないだろう。
イバンの方を見ると頷きで返してきたので、了承することにした。
「おりゃー!!」
「とわっ!!」
魔闘術がありになると、実力が拮抗した。
取って取られてを繰り返し、4-4の状態になった。
デュースの状態だが、今回は女性陣も待っているので先に5点を取った方が勝ちということにしておいた。
魔闘術を使うことによって、ケイ親子もなんとかレシーブできるようになったが、ルイスのアタックが段々とコースをついてくるようになってきた。
ケイたちも上手く狙うのだが、2人の反応が早く拾われてしまう。
今回も気合いと共にかなりギリギリを狙ったのにもかかわらず、ルイスに拾われてしまった。
「兄!」
「やばっ!」
いつの間にかイバンもトスが上手くなってきていた。
ちょっとずれたボールを、調整してルイスに上げた。
ブロックに行くにはタイミング的に合わない。
またもルイスの弾丸アタックが来ると思って、ケイとレイナルドは身構えた。
“ポスッ……”
「「あっ……!」」
下がって強打に警戒していたのに、ルイスは軽くボールを触ってネット際に落としてきた。
完全に意表を突かれた形になった。
「最後にそれはないわ……」
負けてしまったケイとレイナルドは、最後ので力が抜けて座り込んでしまった。
「じゃあ、じゃあ、今度は私たちの番ね!」
ケイたちの試合が思った以上に熱くなってしまい、美花たちもやる気になっている。
「ハーッ!!」
「セイヤッ!!」
「「「「…………」」」」
美花・セリア、アレシア・リリアナの組み合わせでの試合になった。
若いセリアもいることだし、ちょっと緩い試合になるかと思ったのだが、全く違った。
ガンガンの強力アタックの打ち合いになった。
いつもほんわかしているセリアは、めちゃめちゃレシーブが上手かった。
思わず天才なんじゃないかと思ってしまった。
目が血走ってるような程に気合いの入った打ち合いに、男性陣もちょっと引き気味だ。
結果は5-4で美花チームの勝利に終わった。
皆ビーチバレーにハマったらしく、その後、仕事を早めに終わらせて試合しているのをよく見るようになったのだった。
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