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2学年 後期
第150話
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「ハッ!!」
「っ!!」
距離を詰め、綾愛は文康へと木刀を振る。
男女ということもあり、平常時なら文康の方がパワーは上だ。
綾愛の攻撃を防いだところで、押し込まれるようなことはない。
しかし、いくら文康の方がパワーが上でも、両手で持った綾愛の攻撃を片腕では防げない。
綾愛の攻撃をなんとか防ぐものの、文康はその力に圧されてバランスを崩した。
「シッ!!」
「くっ!!」
体勢を崩した文康を追い立てるように、綾愛は追撃をする。
上段から振り下ろされた攻撃に対し、文康は体を捻って懸命に回避しようとする。
頬を斬られつつも何とか躱すことに成功した文康は、距離を取るようにその場から跳び退いた。
「フッ、フッ……」
綾愛から距離を取り、文康は軽く息を切らす。
いつもなら疲労を感じるほど動いていないが、肋骨の数本と左腕が折れている痛みによって、身体強化のコントロールに使用している魔力に無駄が生じているためかもしれない。
「このままならジリ貧よ。潔く諦めなさい」
「うるさい! 鷹藤家の俺が、柊ごときに負けるものか!!」
文康の様子は明かに苦しそうだ。
これ以上やっても自分が負ける可能性は低い。
それよりも、続ければ続けるほど、怪我を負っている文康を痛めつけなければならないことになる。
綾愛には、文康のように相手を痛めつけて楽しむような趣味はないため、降参するように促す。
しかし、文康も状況を理解しているはずなのに、頑として負けを認めようとしない。
その発言から推察すると、訳の分からないプライドにこだわっているようだ。
「じゃあ、しょうがないわね……」
降参する気のない文康に、綾愛はため息を吐くと共に刀を構える。
文康が伸のことを誘拐するなんてバカなことをしたせいで、自ら隙を作るようなことになり、それを利用して綾愛は大怪我を負わせることに成功した。
棚ぼたのような好機による勝利にも思えるが、勝利は勝利。
その勝利を手に入れるため、綾愛は油断することなく文康に攻撃を仕掛けることにした。
◆◆◆◆◆
「「………………」」
場所は変わり、皇都郊外にある倉庫。
そこで伸を攫った2人組は、モニターに映る試合を見て唖然としていた。
「……おい、どうなってんだ? 坊ちゃんの方がやられてんぞ……」
対抗戦決勝の相手となる柊綾愛の実力は、文康にとって警戒すべきものだ。
負けるつもりはないが、負ける可能性が多少はあると考えた文康は、自分たちに仕事を依頼してきた。
魔闘師の中でもある程度名の通った自分たちと言っても、鷹藤家の人間に頼まれては断る訳にはいかない。
なので、依頼を受けたのだが、予定と違っている。
自分たちが柊綾愛の恋人の誘拐に成功したということは、電話でちゃんと連絡してある。
そのことを利用して、文康は柊綾愛を痛めつけるという手筈になっていたはずだ。
それなのに、モニターに映る文康は大ダメージを受け、綾愛に痛めつけられている。
「そんなこと俺が知るかよ……」
もう1人の男も、完全に予想外の状況に驚いている。
そのため、聞かれても答えようがない。
「あの女、恋人がどうなってもいいのか?」
「そう……なのかもな」
今回の誘拐は文康が言い出したことだ。
脅迫するために、綾愛に人質のことを伝えていないはずがない。
伝えているのに攻撃をしているということは、綾愛が人質を見捨てたと言うことではないだろうか。
その考え以外他に思いつかないため、男たちはそう考えるしかなかった。
「柊家ってそんな非道なんか……」
「マジか? 怖っ……」
恋人と言っても所詮は他人。
柊家の人間ではないのなら、人質を見殺しにしても問題ないと考えているのだろうか。
そう考えていないと、現状のような選択できるわけがない。
それにしても、あっさりと見捨てる見捨てるなんて情というものが無さすぎる。
柊家の冷酷さに、誘拐犯の2人はドン引きした。
「意味ねえんじゃ、俺たち損じゃねえか?」
「そうかもな……」
誘拐を犯したのは、文康が確実に決勝で勝利するためのもの。
それが意味を成さないというのなら、自分たちが罪を犯したということだけが残ることになる。
もしも文康が自分たちを見捨てれば、自分たちだけが警察に捕まることになりかねない。
「「…………」」
文康から受けた指示は、この倉庫の檻に閉じ込めたら、人質は痛めつけるなり、好きにして良いという話だった。
そして、自分が勝利したのを確認したら放置してその場から逃走し、その後警察に通報するように言われている。
しかし、モニターに映る文康は、どう考えても負けが確定している。
このままでは自分たちの立場がまずくなると考えた2人は、顔を見合わせ、この後自分たちがどう行動するべきかを考え始めた。
「坊ちゃんが負けたら逃げるか?」
「人質はどうする?」
「予定通り逃げた後で通報すりゃいいだろ」
「……そうだな」
文康の勝ち負けなんて、はっきり言ってどうでもいいことだ。
自分たちは指示通りに作戦を実行した。
策が失敗したのは、完全に文康の読み違いによりもので、自分たちの責任ではないからだ。
自分たちはこのまま文康の指示通りに動き、後は依頼料を受け取ってお終いだ。
2人の意見は、この短いやり取りで早々に一致した。
「逃げられないけどな」
モニターでは、もう綾愛が文康を痛めつけるような形になっており、勝利するのは確実だ。
文康が意地でも負けを認めないつもりなのは、モニター越しの表情からでも分かる。
それももう時間の問題。
そのうち、痛みで文康が気を失って試合終了と言ったところだろう。
そんな所で、誘拐犯の背後から声がかかった。
「「っっっ!?」」
ここには自分たち以外誰もいないはず。
そに加え、まるで自分たちの話に入ってきたかのような内容の発言。
男たちは驚きで声を失いながら、咄嗟に椅子から立ち上がって振り返った。
「お、お前……」
「な、何で……」
振り返った先にいた人物に、2人は言葉が詰まる。
「ったく、魔力封じの手錠まで用意しやがって……」
そこに立っていたのは、自分たちが誘拐して檻に閉じ込めていたはずの伸が立っていたからだ。
「脱出するまで苦労したじゃねえか」
手錠を外す苦労をしたことを表すように手を振りながら、伸は2人ゆっくりと近付く。
ただの手錠なら、身体強化すれば簡単に引きちぎれる。
しかし、魔術学園の生徒ということもあって、警察などが魔術を使用する犯人を捕まえた時に使用する魔力封じの手錠を付けられていた。
自分は犯罪に手を染めることはないため、この手錠を付けられるようなことが無いと思っていた。
そのため、手錠を外すことに苦労したのは本当だ。
「まぁ、外し方分かったから、今後は通用しないけど」
魔力封じの手錠の外し方なんて、伸にも分からない。
しかし、今回着けられたことで、どういう原理で魔力を封じているのかが理解できた。
今後手錠をかけられるようなヘマをするつもりはないが、もしもかけられてもすぐに脱出することができるようになった。
そのことが勉強できたことだけでも、誘拐されたことは良かったかもしれない。
「バカな……」
「あの手錠を外すなんて……」
犯人を抵抗さないために使用されるあの手錠を、鍵もなく外せる人間なんて聞いたことがない。
しかし、伸の手には手錠が付いていない所を見ると、たしかに外したことは間違いない。
犯人の2人は、信じられないという気持ちで伸を見つめるしかなかった。
「さて……」
「「っ!?」」
驚く2人を見ると、伸が小さく呟く。
そして、次の瞬間には姿が消えた。
「「っっっ!!」」
伸の姿を探そうと視線をさまよわせた2人だったが、すぐに意識失う。
姿を消し、どこからともなく出現した伸により、強烈な一撃を鳩尾に食らったためだ。
「……よし。警察呼ぼ……」
自分を誘拐した2人が倒れ、気を失ったことを確認すると、犯人に奪われていた自分のスマホを取り返した伸は、すぐに警察に連絡をした。
「っ!!」
距離を詰め、綾愛は文康へと木刀を振る。
男女ということもあり、平常時なら文康の方がパワーは上だ。
綾愛の攻撃を防いだところで、押し込まれるようなことはない。
しかし、いくら文康の方がパワーが上でも、両手で持った綾愛の攻撃を片腕では防げない。
綾愛の攻撃をなんとか防ぐものの、文康はその力に圧されてバランスを崩した。
「シッ!!」
「くっ!!」
体勢を崩した文康を追い立てるように、綾愛は追撃をする。
上段から振り下ろされた攻撃に対し、文康は体を捻って懸命に回避しようとする。
頬を斬られつつも何とか躱すことに成功した文康は、距離を取るようにその場から跳び退いた。
「フッ、フッ……」
綾愛から距離を取り、文康は軽く息を切らす。
いつもなら疲労を感じるほど動いていないが、肋骨の数本と左腕が折れている痛みによって、身体強化のコントロールに使用している魔力に無駄が生じているためかもしれない。
「このままならジリ貧よ。潔く諦めなさい」
「うるさい! 鷹藤家の俺が、柊ごときに負けるものか!!」
文康の様子は明かに苦しそうだ。
これ以上やっても自分が負ける可能性は低い。
それよりも、続ければ続けるほど、怪我を負っている文康を痛めつけなければならないことになる。
綾愛には、文康のように相手を痛めつけて楽しむような趣味はないため、降参するように促す。
しかし、文康も状況を理解しているはずなのに、頑として負けを認めようとしない。
その発言から推察すると、訳の分からないプライドにこだわっているようだ。
「じゃあ、しょうがないわね……」
降参する気のない文康に、綾愛はため息を吐くと共に刀を構える。
文康が伸のことを誘拐するなんてバカなことをしたせいで、自ら隙を作るようなことになり、それを利用して綾愛は大怪我を負わせることに成功した。
棚ぼたのような好機による勝利にも思えるが、勝利は勝利。
その勝利を手に入れるため、綾愛は油断することなく文康に攻撃を仕掛けることにした。
◆◆◆◆◆
「「………………」」
場所は変わり、皇都郊外にある倉庫。
そこで伸を攫った2人組は、モニターに映る試合を見て唖然としていた。
「……おい、どうなってんだ? 坊ちゃんの方がやられてんぞ……」
対抗戦決勝の相手となる柊綾愛の実力は、文康にとって警戒すべきものだ。
負けるつもりはないが、負ける可能性が多少はあると考えた文康は、自分たちに仕事を依頼してきた。
魔闘師の中でもある程度名の通った自分たちと言っても、鷹藤家の人間に頼まれては断る訳にはいかない。
なので、依頼を受けたのだが、予定と違っている。
自分たちが柊綾愛の恋人の誘拐に成功したということは、電話でちゃんと連絡してある。
そのことを利用して、文康は柊綾愛を痛めつけるという手筈になっていたはずだ。
それなのに、モニターに映る文康は大ダメージを受け、綾愛に痛めつけられている。
「そんなこと俺が知るかよ……」
もう1人の男も、完全に予想外の状況に驚いている。
そのため、聞かれても答えようがない。
「あの女、恋人がどうなってもいいのか?」
「そう……なのかもな」
今回の誘拐は文康が言い出したことだ。
脅迫するために、綾愛に人質のことを伝えていないはずがない。
伝えているのに攻撃をしているということは、綾愛が人質を見捨てたと言うことではないだろうか。
その考え以外他に思いつかないため、男たちはそう考えるしかなかった。
「柊家ってそんな非道なんか……」
「マジか? 怖っ……」
恋人と言っても所詮は他人。
柊家の人間ではないのなら、人質を見殺しにしても問題ないと考えているのだろうか。
そう考えていないと、現状のような選択できるわけがない。
それにしても、あっさりと見捨てる見捨てるなんて情というものが無さすぎる。
柊家の冷酷さに、誘拐犯の2人はドン引きした。
「意味ねえんじゃ、俺たち損じゃねえか?」
「そうかもな……」
誘拐を犯したのは、文康が確実に決勝で勝利するためのもの。
それが意味を成さないというのなら、自分たちが罪を犯したということだけが残ることになる。
もしも文康が自分たちを見捨てれば、自分たちだけが警察に捕まることになりかねない。
「「…………」」
文康から受けた指示は、この倉庫の檻に閉じ込めたら、人質は痛めつけるなり、好きにして良いという話だった。
そして、自分が勝利したのを確認したら放置してその場から逃走し、その後警察に通報するように言われている。
しかし、モニターに映る文康は、どう考えても負けが確定している。
このままでは自分たちの立場がまずくなると考えた2人は、顔を見合わせ、この後自分たちがどう行動するべきかを考え始めた。
「坊ちゃんが負けたら逃げるか?」
「人質はどうする?」
「予定通り逃げた後で通報すりゃいいだろ」
「……そうだな」
文康の勝ち負けなんて、はっきり言ってどうでもいいことだ。
自分たちは指示通りに作戦を実行した。
策が失敗したのは、完全に文康の読み違いによりもので、自分たちの責任ではないからだ。
自分たちはこのまま文康の指示通りに動き、後は依頼料を受け取ってお終いだ。
2人の意見は、この短いやり取りで早々に一致した。
「逃げられないけどな」
モニターでは、もう綾愛が文康を痛めつけるような形になっており、勝利するのは確実だ。
文康が意地でも負けを認めないつもりなのは、モニター越しの表情からでも分かる。
それももう時間の問題。
そのうち、痛みで文康が気を失って試合終了と言ったところだろう。
そんな所で、誘拐犯の背後から声がかかった。
「「っっっ!?」」
ここには自分たち以外誰もいないはず。
そに加え、まるで自分たちの話に入ってきたかのような内容の発言。
男たちは驚きで声を失いながら、咄嗟に椅子から立ち上がって振り返った。
「お、お前……」
「な、何で……」
振り返った先にいた人物に、2人は言葉が詰まる。
「ったく、魔力封じの手錠まで用意しやがって……」
そこに立っていたのは、自分たちが誘拐して檻に閉じ込めていたはずの伸が立っていたからだ。
「脱出するまで苦労したじゃねえか」
手錠を外す苦労をしたことを表すように手を振りながら、伸は2人ゆっくりと近付く。
ただの手錠なら、身体強化すれば簡単に引きちぎれる。
しかし、魔術学園の生徒ということもあって、警察などが魔術を使用する犯人を捕まえた時に使用する魔力封じの手錠を付けられていた。
自分は犯罪に手を染めることはないため、この手錠を付けられるようなことが無いと思っていた。
そのため、手錠を外すことに苦労したのは本当だ。
「まぁ、外し方分かったから、今後は通用しないけど」
魔力封じの手錠の外し方なんて、伸にも分からない。
しかし、今回着けられたことで、どういう原理で魔力を封じているのかが理解できた。
今後手錠をかけられるようなヘマをするつもりはないが、もしもかけられてもすぐに脱出することができるようになった。
そのことが勉強できたことだけでも、誘拐されたことは良かったかもしれない。
「バカな……」
「あの手錠を外すなんて……」
犯人を抵抗さないために使用されるあの手錠を、鍵もなく外せる人間なんて聞いたことがない。
しかし、伸の手には手錠が付いていない所を見ると、たしかに外したことは間違いない。
犯人の2人は、信じられないという気持ちで伸を見つめるしかなかった。
「さて……」
「「っ!?」」
驚く2人を見ると、伸が小さく呟く。
そして、次の瞬間には姿が消えた。
「「っっっ!!」」
伸の姿を探そうと視線をさまよわせた2人だったが、すぐに意識失う。
姿を消し、どこからともなく出現した伸により、強烈な一撃を鳩尾に食らったためだ。
「……よし。警察呼ぼ……」
自分を誘拐した2人が倒れ、気を失ったことを確認すると、犯人に奪われていた自分のスマホを取り返した伸は、すぐに警察に連絡をした。
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