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3学年 前期
第201話
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「このっ!」
「チッ!!」
カサンドラの攻撃を防いだ伸に対し、エラズモが再度襲い掛かる。
接近されると回転の速い攻撃は少々面倒なため、伸は思わず舌打ちをする。
「ムンッ!」
「んっ?」
伸の心臓目掛け、両手を合わせての突きを放つエラズモ。
その突きを伸が受け止めると、鍔迫り合いのような状態になる。
「カサンドラ様!」
鍔迫り合いの状態にすることで、伸の動きを封じた。
その瞬間を作ることで、カサンドラが攻撃を放つ機会を同時に作り上げたエラズモは、カサンドラに声をかける。
「ハッ!!」
エラズモの考えを理解していたカサンドラは、口元に集めていた魔力でブーメランを放った。
そのブーメランは、一旦おかしな方向へ飛んで行ったと思ったら、弧を描くようにして伸に向かって行った。
「フッ!」
「ぐっ!」
カサンドラのブーメランが迫ったところで、エラズモは鍔迫り合いを解くように伸から離れる。
エラズモが離れてすぐに飛んできたブーメランを、伸は刀で受け止める。
先程よりも魔力が込められているのか、威力が上がっている。
そのため、攻撃を受け止めた伸の腕には、ずっしりとした重い感触が襲い掛かった。
「くあっ!」
カサンドラの重いブーメラン攻撃を、伸は腕に力を込めて弾き飛ばす。
腕にかかっていた圧力が無くなったことで、安堵の気持ちになった伸だったが、
「シャア!!」
「くっ!」
安堵して隙ができる瞬間を見越していたのか、またもエラズモが襲い掛かってきた。
両手の爪を振り回す速い攻撃に、伸は防御に回る。
「ハッ!!」
伸がエラズモの相手をしていると、今度はカサンドラが動く。
尻尾を動かし、何かをするつもりのようだ。
「っっっ!?」
エラズモを相手にしつつ、カサンドラが何をするつもりなのかと警戒していると、左右から何かが高速で飛来した。
それを見て、エラズモは巻き込まれないように伸から距離を取る。
何かと思ったら、先ほど弾き飛ばした2つのブーメランが飛んできていた。
「うおっ!!」
左右から飛来したブーメランを、伸は必死に前方へ飛び退くことで回避した。
「素早いわね……」
「左様ですね……」
反応が良いだけではなく、動きまで素早い。
カサンドラがそのことを呟くと、その近くまで一旦退いたエラズモが頷く。
「カサンドラ……」
カサンドラにエラズモ。
魔人たちが相手のことを呼び合ったことで、名前を知ることができた。
その中でも、カサンドラという名前に聞き覚えがあったため、伸は引っ掛かりを覚える。
「ゴブリンクイーンが最期に言っていたカサンドラってのはお前のことか?」
「っ!? なぜ貴様がゴブリンクイーンの最期の言葉を知っている!?」
「あっ……!!」
数か月前、伸は柊家の仕事でゴブリンの巣を発見した。
そして、その数から放置は危険と判断し、すぐさま討伐した。
その時、巣の最奥に存在していたゴブリンクイーンは、最期にカサンドラの名前を言っていた。
そのことを思い出して問いかけたのだが、伸はそれが失敗だったとカサンドラが問い返してきたことで気が付いた。
ゴブリンクイーンを倒した時、周囲には他に魔物は存在していなかった。
当然魔人もだ。
それなのに、カサンドラがゴブリンクイーンの最期の言葉なんて知るわけがない。
その言葉を聞けるのは、その場にいたものだけ。
つまり、ゴブリンクイーンが死ぬ時、伸がその場にいたということを自分で証明しているに等しい。
そのことに気付かれてしまい、伸は今更ながらに手で口を抑えた。
「……まさか、お前ら5人であのゴブリンたちを殲滅したのか?」
「……さぁ? 何のことだか……」
ゴブリンクイーンの巣には、大量のゴブリンが存在していた。
それが殲滅されたのだから、柊家傘下の多くの魔闘師たちが動員させられたはずだ。
それなのに、柊家がそんな動きをしたという情報は入っていない。
なので、あり得ない話とは分かっていても、ゴブリンの巣の山へ調査に行くことが決まっていた5人が大きく関連している可能性が考えられた。
そして、先ほどの発言を受け、カサンドラは自分の考えが間違っていなかったのではないかと考えるようになり、伸へ直接問いただした。
そんな質問に正直に答えるわけがない。
伸は惚けるように努めるが、その反応はむしろ正解と言っているように思える。
「やはり報告は間違っていなかったか……」
“キッ!!”
「っ!!」
カサンドラの言っていたことが正しいと、エラズモも気づく。
そして信じられないという思いから呟いた言葉に、カサンドラが鋭い視線を向ける。
その視線の意味を理解したエラズモは、すぐにそれ以上の発言をしないように口を噤む。
「報告? ……まさか柊家内に魔人が?」
「「…………」」
「やっぱりそうか……」
今度はカサンドラたちの方が失言をした。
報告を受けたということは、柊家を見張っていた。
もしくは、柊家内に潜入している魔人がいるかもしれないということだ。
以前も、モグラの魔人が木畑という柊家の魔闘師に変身し、内部に潜入していたことがあった。
それと同じようなことが、また行われているから柊家の情報がカサンドラたちに入っているのではないか。
そう考えて問いかけるが、カサンドラとエラズモは答えようとしない。
しかし、その無言の返答こそが自分の考えが正しいのだと、伸は判断したのだった。
「チッ!!」
カサンドラの攻撃を防いだ伸に対し、エラズモが再度襲い掛かる。
接近されると回転の速い攻撃は少々面倒なため、伸は思わず舌打ちをする。
「ムンッ!」
「んっ?」
伸の心臓目掛け、両手を合わせての突きを放つエラズモ。
その突きを伸が受け止めると、鍔迫り合いのような状態になる。
「カサンドラ様!」
鍔迫り合いの状態にすることで、伸の動きを封じた。
その瞬間を作ることで、カサンドラが攻撃を放つ機会を同時に作り上げたエラズモは、カサンドラに声をかける。
「ハッ!!」
エラズモの考えを理解していたカサンドラは、口元に集めていた魔力でブーメランを放った。
そのブーメランは、一旦おかしな方向へ飛んで行ったと思ったら、弧を描くようにして伸に向かって行った。
「フッ!」
「ぐっ!」
カサンドラのブーメランが迫ったところで、エラズモは鍔迫り合いを解くように伸から離れる。
エラズモが離れてすぐに飛んできたブーメランを、伸は刀で受け止める。
先程よりも魔力が込められているのか、威力が上がっている。
そのため、攻撃を受け止めた伸の腕には、ずっしりとした重い感触が襲い掛かった。
「くあっ!」
カサンドラの重いブーメラン攻撃を、伸は腕に力を込めて弾き飛ばす。
腕にかかっていた圧力が無くなったことで、安堵の気持ちになった伸だったが、
「シャア!!」
「くっ!」
安堵して隙ができる瞬間を見越していたのか、またもエラズモが襲い掛かってきた。
両手の爪を振り回す速い攻撃に、伸は防御に回る。
「ハッ!!」
伸がエラズモの相手をしていると、今度はカサンドラが動く。
尻尾を動かし、何かをするつもりのようだ。
「っっっ!?」
エラズモを相手にしつつ、カサンドラが何をするつもりなのかと警戒していると、左右から何かが高速で飛来した。
それを見て、エラズモは巻き込まれないように伸から距離を取る。
何かと思ったら、先ほど弾き飛ばした2つのブーメランが飛んできていた。
「うおっ!!」
左右から飛来したブーメランを、伸は必死に前方へ飛び退くことで回避した。
「素早いわね……」
「左様ですね……」
反応が良いだけではなく、動きまで素早い。
カサンドラがそのことを呟くと、その近くまで一旦退いたエラズモが頷く。
「カサンドラ……」
カサンドラにエラズモ。
魔人たちが相手のことを呼び合ったことで、名前を知ることができた。
その中でも、カサンドラという名前に聞き覚えがあったため、伸は引っ掛かりを覚える。
「ゴブリンクイーンが最期に言っていたカサンドラってのはお前のことか?」
「っ!? なぜ貴様がゴブリンクイーンの最期の言葉を知っている!?」
「あっ……!!」
数か月前、伸は柊家の仕事でゴブリンの巣を発見した。
そして、その数から放置は危険と判断し、すぐさま討伐した。
その時、巣の最奥に存在していたゴブリンクイーンは、最期にカサンドラの名前を言っていた。
そのことを思い出して問いかけたのだが、伸はそれが失敗だったとカサンドラが問い返してきたことで気が付いた。
ゴブリンクイーンを倒した時、周囲には他に魔物は存在していなかった。
当然魔人もだ。
それなのに、カサンドラがゴブリンクイーンの最期の言葉なんて知るわけがない。
その言葉を聞けるのは、その場にいたものだけ。
つまり、ゴブリンクイーンが死ぬ時、伸がその場にいたということを自分で証明しているに等しい。
そのことに気付かれてしまい、伸は今更ながらに手で口を抑えた。
「……まさか、お前ら5人であのゴブリンたちを殲滅したのか?」
「……さぁ? 何のことだか……」
ゴブリンクイーンの巣には、大量のゴブリンが存在していた。
それが殲滅されたのだから、柊家傘下の多くの魔闘師たちが動員させられたはずだ。
それなのに、柊家がそんな動きをしたという情報は入っていない。
なので、あり得ない話とは分かっていても、ゴブリンの巣の山へ調査に行くことが決まっていた5人が大きく関連している可能性が考えられた。
そして、先ほどの発言を受け、カサンドラは自分の考えが間違っていなかったのではないかと考えるようになり、伸へ直接問いただした。
そんな質問に正直に答えるわけがない。
伸は惚けるように努めるが、その反応はむしろ正解と言っているように思える。
「やはり報告は間違っていなかったか……」
“キッ!!”
「っ!!」
カサンドラの言っていたことが正しいと、エラズモも気づく。
そして信じられないという思いから呟いた言葉に、カサンドラが鋭い視線を向ける。
その視線の意味を理解したエラズモは、すぐにそれ以上の発言をしないように口を噤む。
「報告? ……まさか柊家内に魔人が?」
「「…………」」
「やっぱりそうか……」
今度はカサンドラたちの方が失言をした。
報告を受けたということは、柊家を見張っていた。
もしくは、柊家内に潜入している魔人がいるかもしれないということだ。
以前も、モグラの魔人が木畑という柊家の魔闘師に変身し、内部に潜入していたことがあった。
それと同じようなことが、また行われているから柊家の情報がカサンドラたちに入っているのではないか。
そう考えて問いかけるが、カサンドラとエラズモは答えようとしない。
しかし、その無言の返答こそが自分の考えが正しいのだと、伸は判断したのだった。
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