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3学年 前期
第212話
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「グウゥ……」
「…………」
腹に深手を負い、呻き声を上げるカサンドラ。
そんな彼女に、伸は無言でゆっくりと近づいて行く。
「このっ!!」
何もしなければ更なる攻撃を受けることになる。
そのため、カサンドラは左手で出血する腹を抑えつつ、伸の接近を拒むように右手のブーメランを振り回した。
「…………」
「あっ!?」
距離を詰めた伸は、無言でブーメランを振り回すカサンドラの右手を蹴る。
それにより、カサンドラの手からブーメランが離れた。
「……すまんな」
武器を失い、左手は傷を抑えることに使っている。
完全に無防備の状態のカサンドラに対し、伸は小さく謝罪すると共に上段に構えた刀を振り下ろした。
「ギッ、ギャアーー!!」
振り降ろされた刀は右腕を斬り飛ばす。
腹以上に強力な痛みを受けたカサンドラは、大きな声で悲鳴を上げた。
「お前に勝ち目はない。諦めて大人しく捕まれ」
忠告と共に刀を向ける伸。
魔人とはいえ女性であるため、伸の中でこれ以上の痛みを与えることが躊躇われているための忠告だ。
先程の小さな謝罪も、その気持ちからこぼれた言葉なのだろう。
それに、腹の傷も斬り飛ばした腕も、自分なら回復させることは可能だ。
降参さえして大人しく捕まってくれれば、伸としては治してやることもやぶさかではない。
「……フッ!」
剣先が目の前にして、カサンドラは脂汗を掻きながら笑みを浮かべる。
「フェミニスト気取りか? 人間のガキが!」
「…………」
多くの人間の命を奪ってきた魔物。
その魔物が進化した存在である魔人。
いくら見た目が人間の女性に近いからと言って、どうして躊躇いを持っているのだろう。
そのため、カサンドラの言葉に、伸自身も若干自分らしくないことをしていると感じていた。
「魔人を……、私を舐めるな!!」
「っっっ!?」
カサンドラの言葉と共に、伸は危機感を覚える。
それが何かと分かる前に、その場か後方へ飛び退いた。
「っと!」
「チッ!!」
伸とカサンドラの間をブーメランが通り抜ける。
腕を斬り落とす前に落とした魔力ブーメランを操り、攻撃を計ったようだ。
感覚に従って回避したのは正解だった。
もしも、あのままあそこに立っていたら、大怪我を負っていたことだろう。
安堵している伸とは違い、カサンドラは舌打ちをした。
「さっきも言ったでしょ? 人体実験の末路なんてお断りよ!」
「っ!?」
先程の伸の言葉に対して、カサンドラはこう返答する。
魔人の自分は、捕まればいつ終わるか分からない人体実験に晒され続けることになる。
それが分かっているのに、おとなしく捕まるなんてありえない話だ。
例え、勝てない分かっていてもだ。
全力で抵抗するつもりなのだろう。
カサンドラは魔力で作り上げたブーメランを無数に作り出した。
「威力よりも手数か……」
魔人としての本性の時は、速度よりも範囲と威力を重視した攻撃を主体としていたようだが、今のような半魔の状態の時には、手数を重視した攻撃に切り替えたようだ。
半魔になった時の方が、魔力を操作する能力が高いからの選択なのだろう。
そのことを理解した伸は、出現したブーメランの数々を視界に入れて呟いた。
「くたばれっ!!」
「っ!!」
カサンドラが左手を少し動かすことで、空中に浮かぶ無数の魔力ブーメランが伸に向かって殺到する。
四方八方から迫りくるブーメランに、伸は逃げる隙間など存在していなかった。
「ハアァーー!!」
「っっっ!?」
ブーメランが迫る中、伸は気合を入れ、刀に纏う魔力の量を増やす。
そうして強化した刀を超高速で振り回し、ブーメランたちを斬って消し飛ばしていった。
「……くっ!!」
とても信じられないような伸の反応速度に、カサンドラは少し間戸惑う。
そして、全てのブーメランを消し去られたら、もう自分に勝ち目がないことは分かっている。
伸に大ダメージを与える、もしくは殺すにしても、自分が生き残るためには力を温存しておく必要はない。
そう考えたカサンドラは、全魔力を総動員するつもりで次々とブーメランを作り出し、伸に向かって放った。
「うおおぉぉーー!!」
更に数が増えてもお構いなしとでも言うかのように、伸は刀を振り続ける。
その表情はどことなく楽しそうにも見える。
「くっ! 化け物め……」
ミスをすれば大怪我を負うことは間違いないというのに、まるでスリルを楽しんでいるかのようだ。
しかも、これだけ高速で動き回っているというのに、スタミナ切れをする様子がない。
そんな伸を、カサンドラは恐ろしく思えてきた。
「…………くっ! チクショウ……」
段々と出現するブーメランの数が減少していく。
伸のスタミナ切れより早く、カサンドラの魔力切れの方が先に来たようだ。
そして、とうとうブーメランを作ることができなくなったカサンドラは、糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。
「……フゥ~、終わりか……」
全てのブーメランが消え失せ、伸は何だか残念そうに呟き刀を鞘に納める。
「さて……」
心を折ることで捕縛しようと考えていたのだが、魔力切れで気を失わせることになった。
それを結果オーライと捉え、伸は倒れているカサンドラに向かって歩き出した。
「…………」
腹に深手を負い、呻き声を上げるカサンドラ。
そんな彼女に、伸は無言でゆっくりと近づいて行く。
「このっ!!」
何もしなければ更なる攻撃を受けることになる。
そのため、カサンドラは左手で出血する腹を抑えつつ、伸の接近を拒むように右手のブーメランを振り回した。
「…………」
「あっ!?」
距離を詰めた伸は、無言でブーメランを振り回すカサンドラの右手を蹴る。
それにより、カサンドラの手からブーメランが離れた。
「……すまんな」
武器を失い、左手は傷を抑えることに使っている。
完全に無防備の状態のカサンドラに対し、伸は小さく謝罪すると共に上段に構えた刀を振り下ろした。
「ギッ、ギャアーー!!」
振り降ろされた刀は右腕を斬り飛ばす。
腹以上に強力な痛みを受けたカサンドラは、大きな声で悲鳴を上げた。
「お前に勝ち目はない。諦めて大人しく捕まれ」
忠告と共に刀を向ける伸。
魔人とはいえ女性であるため、伸の中でこれ以上の痛みを与えることが躊躇われているための忠告だ。
先程の小さな謝罪も、その気持ちからこぼれた言葉なのだろう。
それに、腹の傷も斬り飛ばした腕も、自分なら回復させることは可能だ。
降参さえして大人しく捕まってくれれば、伸としては治してやることもやぶさかではない。
「……フッ!」
剣先が目の前にして、カサンドラは脂汗を掻きながら笑みを浮かべる。
「フェミニスト気取りか? 人間のガキが!」
「…………」
多くの人間の命を奪ってきた魔物。
その魔物が進化した存在である魔人。
いくら見た目が人間の女性に近いからと言って、どうして躊躇いを持っているのだろう。
そのため、カサンドラの言葉に、伸自身も若干自分らしくないことをしていると感じていた。
「魔人を……、私を舐めるな!!」
「っっっ!?」
カサンドラの言葉と共に、伸は危機感を覚える。
それが何かと分かる前に、その場か後方へ飛び退いた。
「っと!」
「チッ!!」
伸とカサンドラの間をブーメランが通り抜ける。
腕を斬り落とす前に落とした魔力ブーメランを操り、攻撃を計ったようだ。
感覚に従って回避したのは正解だった。
もしも、あのままあそこに立っていたら、大怪我を負っていたことだろう。
安堵している伸とは違い、カサンドラは舌打ちをした。
「さっきも言ったでしょ? 人体実験の末路なんてお断りよ!」
「っ!?」
先程の伸の言葉に対して、カサンドラはこう返答する。
魔人の自分は、捕まればいつ終わるか分からない人体実験に晒され続けることになる。
それが分かっているのに、おとなしく捕まるなんてありえない話だ。
例え、勝てない分かっていてもだ。
全力で抵抗するつもりなのだろう。
カサンドラは魔力で作り上げたブーメランを無数に作り出した。
「威力よりも手数か……」
魔人としての本性の時は、速度よりも範囲と威力を重視した攻撃を主体としていたようだが、今のような半魔の状態の時には、手数を重視した攻撃に切り替えたようだ。
半魔になった時の方が、魔力を操作する能力が高いからの選択なのだろう。
そのことを理解した伸は、出現したブーメランの数々を視界に入れて呟いた。
「くたばれっ!!」
「っ!!」
カサンドラが左手を少し動かすことで、空中に浮かぶ無数の魔力ブーメランが伸に向かって殺到する。
四方八方から迫りくるブーメランに、伸は逃げる隙間など存在していなかった。
「ハアァーー!!」
「っっっ!?」
ブーメランが迫る中、伸は気合を入れ、刀に纏う魔力の量を増やす。
そうして強化した刀を超高速で振り回し、ブーメランたちを斬って消し飛ばしていった。
「……くっ!!」
とても信じられないような伸の反応速度に、カサンドラは少し間戸惑う。
そして、全てのブーメランを消し去られたら、もう自分に勝ち目がないことは分かっている。
伸に大ダメージを与える、もしくは殺すにしても、自分が生き残るためには力を温存しておく必要はない。
そう考えたカサンドラは、全魔力を総動員するつもりで次々とブーメランを作り出し、伸に向かって放った。
「うおおぉぉーー!!」
更に数が増えてもお構いなしとでも言うかのように、伸は刀を振り続ける。
その表情はどことなく楽しそうにも見える。
「くっ! 化け物め……」
ミスをすれば大怪我を負うことは間違いないというのに、まるでスリルを楽しんでいるかのようだ。
しかも、これだけ高速で動き回っているというのに、スタミナ切れをする様子がない。
そんな伸を、カサンドラは恐ろしく思えてきた。
「…………くっ! チクショウ……」
段々と出現するブーメランの数が減少していく。
伸のスタミナ切れより早く、カサンドラの魔力切れの方が先に来たようだ。
そして、とうとうブーメランを作ることができなくなったカサンドラは、糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。
「……フゥ~、終わりか……」
全てのブーメランが消え失せ、伸は何だか残念そうに呟き刀を鞘に納める。
「さて……」
心を折ることで捕縛しようと考えていたのだが、魔力切れで気を失わせることになった。
それを結果オーライと捉え、伸は倒れているカサンドラに向かって歩き出した。
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