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隣国の城
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【リティシア】
しまった。アルターニャにいつアレクシスを招待したのか聞くのを忘れたわ。
まぁいいや。どうせ朝準備して実際に呼ぶのはお昼頃だろうし私達もそこら辺に行けばいいわよね。
…入れてもらえるかな。いや、わざわざ言ってきたんだから入れはするだろうけど…罠とかありそうよね。考えすぎかしら…。まぁ、行ってみるしかないわね。
お父様とお母様に「また出掛けてしまうのかリティ~」って凄い引き留められたけどどうにか外へ出るのには成功したわ。リティシアの事が好きなのは分かるけどお出かけくらいは自由にさせてもらえないかしら…。
結局私はルナに押し切られて外出用のドレスとアレクシスから貰ったバレッタを着けていくことにした。
ドレスなんて目立つから本当はズボンとかでも良かったんだけど周りが皆ドレスだと逆に目立つからね…。仕方ないわ。
私は隣に立つアーグレンに疑惑の視線を向けながら、改めて念を押しておく。
「アーグレン、良いわね。侵入はダメよ。」
「公女様…何度も言いますが冗談ですよ」
「いいえ、貴方ならやりかねないわ。アレクのためなら何でもするでしょうから。」
「…分かりました。気をつけます」
本当かな…気をつけるってとこが怪しいわよね…まぁよく見張ってればいいか。絶対的忠誠心が変な方に向かないようにね。
「リティシア様、場所はルトレット城でよろしいでしょうか?」
「えぇ。それで良いわ。よろしくお願いするわね」
御者の言葉に頷くと、彼は皺のある顔で嬉しそうに微笑む。恐らく屋敷のお嬢様が変わったと思ってるんでしょうけど…実際は中身がそのまま変わってるからね。騙してるみたいでホント心苦しいわ…。
罪悪感に歪んだ表情を悟られたくなくてさっさと乗り込み、馬車を出すように指示する。
目指すはアルターニャのお城。
何もなければ問題はないがもしアレクに何かをするようであれば…どうにかして未然に防がなければ。
馬車に暫く揺られ、窓の外の景色が幾度となく移り変わると、気づけば城は目前へと迫っていた。
ただの護衛騎士が貴族の馬車に乗るなんてと最後まで渋っていたアーグレンも見知らぬ外の景色に興味津々な様子であった。
「アーグレンはルトレット城に来たことないの?」
「はい。エトワール城以外のお城へは一度も来たことがありませんでした」
騎士は基本的にお城で訓練してるだけだものね。戦争や王様からの特別な依頼などがない限りは普通に暮らしているんでしょう。
「なるほどね。それじゃぁ初めて他のお城へ来た感想は?」
「そうですね…綺麗…なのですが、ここにアルターニャ王女様が住んでいるのかと思うと…美しいはずのお城があまり良く見えなくなってきました」
「同感。でも気をつけましょうね、こんな会話を聞かれたら私達二人共牢屋行きよ」
「はい。申し訳ございません」
短い間だけど一緒に過ごしていてアーグレンの事がなんとなく分かってきた。
一つはアレクシスの事が大好きで尊敬しているということとそれから…クールっぽく見えて意外と…冗談を好むような人であるということ。
私としては面白いから良いんだけど、彼の冗談は冗談に聞こえないから普通に怖いのよね。
そして私達は馬車を降り、城の前へと移動する。門の側には門番らしき人が二人立っており、不思議そうにこちらを見つめてきた。正面から入るべきじゃなかったかな。
でもそれを避けたら侵入者とか泥棒みたいだし…よし、適当に誤魔化すか。
「…ようこそ、ルトレット城へ。失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「私はリティシア=ブロンド。こっちは私の護衛騎士のアーグレン=ベルハルト。アルターニャ王女に用があるの。通して頂戴」
「リティシア=ブロンド公女様ですね。アルターニャ王女様から話は聞いております。どうぞお通りください」
あら?案外あっさりね。話を通してくれていたなんて…わざわざ言ってきただけはあるわね。てっきり門前払いを食らうと思っていたのに。
「アルターニャ王女様は本日、アレクシス殿下と庭園の側でお会いになられる予定です。どうぞごゆっくりお過ごしください」
え、そんなことまで教えてくれるの?逆に怪しいんだけど…。
「…ありがとう。アルターニャ王女様は他に何か言ってた?」
「…あぁ、思い出しました。確か…くれぐれも気をつけるようにと仰っていらっしゃいました。」
やっぱりね、恐らくそっちが一番伝えたい伝言でしょうね。
…でも良いわ。アルターニャには相当嫌われてるだろうからね。もう十分覚悟は出来てる。
昔の私と違って私にはアーグレンがいるから、何かあったら彼が護ってくれるわ。罠に注意しつつアレクシスを見守る…これが今日のミッションね。
門をくぐりぬけた直後、私はアーグレンにだけ聞こえる声で静かに呟く。
「アーグレン、覚悟は良い?アレクがピンチなら私達で助ける。アルターニャが私達に何かを仕掛けてきたら全力で抵抗しましょう。私が今日貴方に依頼することはそれだけよ。」
「はい。公女様とアレクのことは何があろうと必ず護ります」
「私は別に良いからアレクを護ってあげて。アルターニャは何をするか分からないからね」
「…はい」
本当は何もないのが一番だけど…アルターニャのことだから一波乱起きるんでしょうね…。
しまった。アルターニャにいつアレクシスを招待したのか聞くのを忘れたわ。
まぁいいや。どうせ朝準備して実際に呼ぶのはお昼頃だろうし私達もそこら辺に行けばいいわよね。
…入れてもらえるかな。いや、わざわざ言ってきたんだから入れはするだろうけど…罠とかありそうよね。考えすぎかしら…。まぁ、行ってみるしかないわね。
お父様とお母様に「また出掛けてしまうのかリティ~」って凄い引き留められたけどどうにか外へ出るのには成功したわ。リティシアの事が好きなのは分かるけどお出かけくらいは自由にさせてもらえないかしら…。
結局私はルナに押し切られて外出用のドレスとアレクシスから貰ったバレッタを着けていくことにした。
ドレスなんて目立つから本当はズボンとかでも良かったんだけど周りが皆ドレスだと逆に目立つからね…。仕方ないわ。
私は隣に立つアーグレンに疑惑の視線を向けながら、改めて念を押しておく。
「アーグレン、良いわね。侵入はダメよ。」
「公女様…何度も言いますが冗談ですよ」
「いいえ、貴方ならやりかねないわ。アレクのためなら何でもするでしょうから。」
「…分かりました。気をつけます」
本当かな…気をつけるってとこが怪しいわよね…まぁよく見張ってればいいか。絶対的忠誠心が変な方に向かないようにね。
「リティシア様、場所はルトレット城でよろしいでしょうか?」
「えぇ。それで良いわ。よろしくお願いするわね」
御者の言葉に頷くと、彼は皺のある顔で嬉しそうに微笑む。恐らく屋敷のお嬢様が変わったと思ってるんでしょうけど…実際は中身がそのまま変わってるからね。騙してるみたいでホント心苦しいわ…。
罪悪感に歪んだ表情を悟られたくなくてさっさと乗り込み、馬車を出すように指示する。
目指すはアルターニャのお城。
何もなければ問題はないがもしアレクに何かをするようであれば…どうにかして未然に防がなければ。
馬車に暫く揺られ、窓の外の景色が幾度となく移り変わると、気づけば城は目前へと迫っていた。
ただの護衛騎士が貴族の馬車に乗るなんてと最後まで渋っていたアーグレンも見知らぬ外の景色に興味津々な様子であった。
「アーグレンはルトレット城に来たことないの?」
「はい。エトワール城以外のお城へは一度も来たことがありませんでした」
騎士は基本的にお城で訓練してるだけだものね。戦争や王様からの特別な依頼などがない限りは普通に暮らしているんでしょう。
「なるほどね。それじゃぁ初めて他のお城へ来た感想は?」
「そうですね…綺麗…なのですが、ここにアルターニャ王女様が住んでいるのかと思うと…美しいはずのお城があまり良く見えなくなってきました」
「同感。でも気をつけましょうね、こんな会話を聞かれたら私達二人共牢屋行きよ」
「はい。申し訳ございません」
短い間だけど一緒に過ごしていてアーグレンの事がなんとなく分かってきた。
一つはアレクシスの事が大好きで尊敬しているということとそれから…クールっぽく見えて意外と…冗談を好むような人であるということ。
私としては面白いから良いんだけど、彼の冗談は冗談に聞こえないから普通に怖いのよね。
そして私達は馬車を降り、城の前へと移動する。門の側には門番らしき人が二人立っており、不思議そうにこちらを見つめてきた。正面から入るべきじゃなかったかな。
でもそれを避けたら侵入者とか泥棒みたいだし…よし、適当に誤魔化すか。
「…ようこそ、ルトレット城へ。失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「私はリティシア=ブロンド。こっちは私の護衛騎士のアーグレン=ベルハルト。アルターニャ王女に用があるの。通して頂戴」
「リティシア=ブロンド公女様ですね。アルターニャ王女様から話は聞いております。どうぞお通りください」
あら?案外あっさりね。話を通してくれていたなんて…わざわざ言ってきただけはあるわね。てっきり門前払いを食らうと思っていたのに。
「アルターニャ王女様は本日、アレクシス殿下と庭園の側でお会いになられる予定です。どうぞごゆっくりお過ごしください」
え、そんなことまで教えてくれるの?逆に怪しいんだけど…。
「…ありがとう。アルターニャ王女様は他に何か言ってた?」
「…あぁ、思い出しました。確か…くれぐれも気をつけるようにと仰っていらっしゃいました。」
やっぱりね、恐らくそっちが一番伝えたい伝言でしょうね。
…でも良いわ。アルターニャには相当嫌われてるだろうからね。もう十分覚悟は出来てる。
昔の私と違って私にはアーグレンがいるから、何かあったら彼が護ってくれるわ。罠に注意しつつアレクシスを見守る…これが今日のミッションね。
門をくぐりぬけた直後、私はアーグレンにだけ聞こえる声で静かに呟く。
「アーグレン、覚悟は良い?アレクがピンチなら私達で助ける。アルターニャが私達に何かを仕掛けてきたら全力で抵抗しましょう。私が今日貴方に依頼することはそれだけよ。」
「はい。公女様とアレクのことは何があろうと必ず護ります」
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「…はい」
本当は何もないのが一番だけど…アルターニャのことだから一波乱起きるんでしょうね…。
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