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何故
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アレクシスのまさかの発言に私は驚き、私は額に手を当てる。騎士団も騎士団ならそれを率いる王子様も王子様ね…。
全部頂こうなんて発想普通はならないわよ!どう考えてもおかしいわ…。金持ちは金銭感覚バグってるわねホント…。
まだ元庶民の私にはついていけないわ…。
「ちょ、ちょっと待って…」
かろうじて言葉を発すると私の反応が理解できなかったらしいアレクシスが軽く首を傾げる。
「え?その色が欲しいって言ってなかったか?それとも別の色も欲し…」
「違うわよ!それに、私は確かにそう言ったけど別に全部欲しいわけじゃないの!今日着る分だけで十分なのよ!もし青と水色のドレスを求めて三日かけてこのお店に来た令嬢がいたらどうするのよ!!可哀想じゃない!」
「あぁ…それは確かに」
我ながら謎の説得をしてしまったがこれで納得してくれただろう。
うん、着替えがあれば十分だし、それに家には山ほどドレスがあるから流石に全部はいらな…。
「じゃぁその子の分も手配するって言えば納得するか?」
「え?いやその子はあくまでも架空の存在で…」
「リティシアが買った直後に青や水色のドレスを求めたご令嬢がいたら後日送らせよう。それで満足だろ?」
「そういう問題じゃないのよ!それに私のドレスなんだから私が払うわ!私は公爵令嬢なのよ?」
「俺は王子だけど…」
「私に口答えしないの!」
「えぇ…」
私には桁のおかしいお小遣いがあるのよ。
この店のドレスを全部買い取るくらいは余裕だわ。
…まぁそれでも王子の財力には敵わないけどね。彼ならこの店ごと買い取って私にプレゼントするくらい簡単にできそうだもの。
だとしてもよ、お金に問題がないのは重々承知の上だけど悪役令嬢に貢ぐ男主人公はまずい。アレクシスの印象も悪くなるし、後々主人公との亀裂の原因になっても困る。
アレクシスが私にドレスを山ほどプレゼントしたことを知られたら、私を愛していたと思われても仕方ないもの。主人公に嫉妬されるかもしれない原因は作りたくないわ…。
というか何より申し訳ないし。ずっと婚約者でいるならともかく破棄しようとしてるのに貢がせるなんて私の良心が許さないわよ…。
「あの時リティシアのことを傷つけたお詫びだと思って受け取ってくれないか?」
「あのねぇ…傷つけたのは私よ。貴方じゃないわ…」
「違うよ。俺があんな風に言わなければそうはならなかったはずだから。それに…今まで何度も俺を庇ってくれたよな。それのお礼だよ。いつもありがとう、リティシア」
どうしてそんなことが言えるの?
私はさっき…このお店に入る前に、貴方を分かりやすく突き放したのに。
傷つくと分かった上でわざと冷たく言ったのに、私にドレスをあげようとしたり、私に感謝してみたり、本当に何を考えてるのか分からないわ…。
「…庇ってなんかないわよ別に…」
正直、私は焦っていた。
婚約について私がそのままにしておくつもりはないことを…つまり破棄しようとしていることを恐らく彼は全て知っている。先ほどのあれはほぼはっきりと宣言したようなものだから。
だが彼はそれを知った上でこのような態度を取る。
一体何故?私のように評判の悪い悪女を婚約者にしておくメリットは一つもないはずなのに。いっそのこと他の令嬢と婚約した方がずっとマシだろう。
もしかして、私が引き留めようとしている事に気づいているの?
主人公に渡すためにギリギリまで婚約破棄をしないつもりでいる私に……気づいている?
「好意は受け取っておくのが賢い選択なんだろ?」
先ほどの私の台詞を反復し、彼は屈託のない笑みを見せる。彼の青く美しい髪が照明を反射して眩く輝いて見えた。
なるほど、これが男主人公パワーね。キラキラして見えるわ…。
…流石に私の考えすぎよね、いくら男主人公とはいえ…そこまで分かってるわけないわ。
ふと店員に目を向けると、彼女は神様でも見るような眼差しをアレクシスに向けていた。
そりゃそうか、なかなか買ってもらえなかったドレスがこんないっぺんに売れる機会なんてもう二度とないもんね。
「…殿下本当に宜しいのですか?そのお色二つですと…百着は軽く超えますよ?」
「こちらとしては構わないですが、一気に買うとやはりお店側が困るでしょうか…」
「いいえ!全然困りません。三日間かけてやってきたご令嬢がいらっしゃったら全力でおもてなしをして新しいドレスをご用意致しますので、何の問題もありません!是非、リティシア公女様にプレゼントなさって下さい!」
目が今までにないくらいキラキラと輝いているわ…どうしても買ってほしいのね。
「…分かったわ。せっかくだから頂くけど…どうしてそんなに私にプレゼントしてくれるのよ。確かに貴方を庇った…ように見えたかもしれないけど、ドレスを幾つも貰える程の活躍をしたわけじゃないわ」
いくら他の店より安いとはいえ元々ドレスは平民が一年間休まず働いても到底届かない値段のものが殆どだ。安いと言っても働くのが半年と数ヶ月に変わったくらいであろう。
そのドレスを…百着以上買うとなれば平民が聞けば卒倒してしまうはずだ。
私の家には既に死ぬほどドレスがあるのに…。
でもルナにアレクにプレゼントされたんだって言えば凄く喜びそうね。ケーキセットだけでなくもう一つ素晴らしいお土産を持ってきてくれるなんて!と言って笑顔でドレスをクローゼットに仕舞いそうだわ。
…先ほども少し述べたが、婚約者から何をプレゼントされたか、それは婚約者がいかに自分を大切にしているかを周りにアピールすることのできるものである。
つまり私が彼から高価なものを幾つ受け取るかがそのまま私をどれだけ愛しているかという印になるのである。
少しでも王や皇后からの評判を下げたい私は余計ないざこざを生まないために受け入れたくないのだが、この店員の輝かしい目に負けてしまった。
私が最終的に受け取る事まで全部計算してたんじゃないの?お店ごと、だと流石に受け取らないから数色に絞ったとしか思えないわ…。
全部頂こうなんて発想普通はならないわよ!どう考えてもおかしいわ…。金持ちは金銭感覚バグってるわねホント…。
まだ元庶民の私にはついていけないわ…。
「ちょ、ちょっと待って…」
かろうじて言葉を発すると私の反応が理解できなかったらしいアレクシスが軽く首を傾げる。
「え?その色が欲しいって言ってなかったか?それとも別の色も欲し…」
「違うわよ!それに、私は確かにそう言ったけど別に全部欲しいわけじゃないの!今日着る分だけで十分なのよ!もし青と水色のドレスを求めて三日かけてこのお店に来た令嬢がいたらどうするのよ!!可哀想じゃない!」
「あぁ…それは確かに」
我ながら謎の説得をしてしまったがこれで納得してくれただろう。
うん、着替えがあれば十分だし、それに家には山ほどドレスがあるから流石に全部はいらな…。
「じゃぁその子の分も手配するって言えば納得するか?」
「え?いやその子はあくまでも架空の存在で…」
「リティシアが買った直後に青や水色のドレスを求めたご令嬢がいたら後日送らせよう。それで満足だろ?」
「そういう問題じゃないのよ!それに私のドレスなんだから私が払うわ!私は公爵令嬢なのよ?」
「俺は王子だけど…」
「私に口答えしないの!」
「えぇ…」
私には桁のおかしいお小遣いがあるのよ。
この店のドレスを全部買い取るくらいは余裕だわ。
…まぁそれでも王子の財力には敵わないけどね。彼ならこの店ごと買い取って私にプレゼントするくらい簡単にできそうだもの。
だとしてもよ、お金に問題がないのは重々承知の上だけど悪役令嬢に貢ぐ男主人公はまずい。アレクシスの印象も悪くなるし、後々主人公との亀裂の原因になっても困る。
アレクシスが私にドレスを山ほどプレゼントしたことを知られたら、私を愛していたと思われても仕方ないもの。主人公に嫉妬されるかもしれない原因は作りたくないわ…。
というか何より申し訳ないし。ずっと婚約者でいるならともかく破棄しようとしてるのに貢がせるなんて私の良心が許さないわよ…。
「あの時リティシアのことを傷つけたお詫びだと思って受け取ってくれないか?」
「あのねぇ…傷つけたのは私よ。貴方じゃないわ…」
「違うよ。俺があんな風に言わなければそうはならなかったはずだから。それに…今まで何度も俺を庇ってくれたよな。それのお礼だよ。いつもありがとう、リティシア」
どうしてそんなことが言えるの?
私はさっき…このお店に入る前に、貴方を分かりやすく突き放したのに。
傷つくと分かった上でわざと冷たく言ったのに、私にドレスをあげようとしたり、私に感謝してみたり、本当に何を考えてるのか分からないわ…。
「…庇ってなんかないわよ別に…」
正直、私は焦っていた。
婚約について私がそのままにしておくつもりはないことを…つまり破棄しようとしていることを恐らく彼は全て知っている。先ほどのあれはほぼはっきりと宣言したようなものだから。
だが彼はそれを知った上でこのような態度を取る。
一体何故?私のように評判の悪い悪女を婚約者にしておくメリットは一つもないはずなのに。いっそのこと他の令嬢と婚約した方がずっとマシだろう。
もしかして、私が引き留めようとしている事に気づいているの?
主人公に渡すためにギリギリまで婚約破棄をしないつもりでいる私に……気づいている?
「好意は受け取っておくのが賢い選択なんだろ?」
先ほどの私の台詞を反復し、彼は屈託のない笑みを見せる。彼の青く美しい髪が照明を反射して眩く輝いて見えた。
なるほど、これが男主人公パワーね。キラキラして見えるわ…。
…流石に私の考えすぎよね、いくら男主人公とはいえ…そこまで分かってるわけないわ。
ふと店員に目を向けると、彼女は神様でも見るような眼差しをアレクシスに向けていた。
そりゃそうか、なかなか買ってもらえなかったドレスがこんないっぺんに売れる機会なんてもう二度とないもんね。
「…殿下本当に宜しいのですか?そのお色二つですと…百着は軽く超えますよ?」
「こちらとしては構わないですが、一気に買うとやはりお店側が困るでしょうか…」
「いいえ!全然困りません。三日間かけてやってきたご令嬢がいらっしゃったら全力でおもてなしをして新しいドレスをご用意致しますので、何の問題もありません!是非、リティシア公女様にプレゼントなさって下さい!」
目が今までにないくらいキラキラと輝いているわ…どうしても買ってほしいのね。
「…分かったわ。せっかくだから頂くけど…どうしてそんなに私にプレゼントしてくれるのよ。確かに貴方を庇った…ように見えたかもしれないけど、ドレスを幾つも貰える程の活躍をしたわけじゃないわ」
いくら他の店より安いとはいえ元々ドレスは平民が一年間休まず働いても到底届かない値段のものが殆どだ。安いと言っても働くのが半年と数ヶ月に変わったくらいであろう。
そのドレスを…百着以上買うとなれば平民が聞けば卒倒してしまうはずだ。
私の家には既に死ぬほどドレスがあるのに…。
でもルナにアレクにプレゼントされたんだって言えば凄く喜びそうね。ケーキセットだけでなくもう一つ素晴らしいお土産を持ってきてくれるなんて!と言って笑顔でドレスをクローゼットに仕舞いそうだわ。
…先ほども少し述べたが、婚約者から何をプレゼントされたか、それは婚約者がいかに自分を大切にしているかを周りにアピールすることのできるものである。
つまり私が彼から高価なものを幾つ受け取るかがそのまま私をどれだけ愛しているかという印になるのである。
少しでも王や皇后からの評判を下げたい私は余計ないざこざを生まないために受け入れたくないのだが、この店員の輝かしい目に負けてしまった。
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