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新たなる侍女
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「使用人…でございますか?」
イサベルは私を見つめると、きょとんとした眼差しを向けてくる。大きくてまんまるな瞳がとても可愛い。
「えぇ。そうよ」
こんなに可愛いなら出てくる登場人物が次々と好きになっていっちゃうのも納得ね。
そして、私の横で何故か微妙な表情をしていたアレクシスがとても気まずそうに呟いた。
「えーっと…特に希望がないなら俺の城に呼ぼうと思ったんだけどな。部屋ならいくらでもあるし、使用人とか気にせず普通に住んでもらおうと…」
「バカね。こんな真面目な子が無条件で住むわけないでしょ。働く場所をあげないときっと着いてこないわ」
このままお城に住まわせるという手も確かにあるけどそれだと私が干渉しにくいからね。とりあえず私の手の届くところにいてほしいのよ。
「私はお二人に助けられた身でありますからお二人の意思に従いますが…失礼ながらリティシア様の考えに賛同させて頂きます」
イサベルはどちらかの機嫌を損ねることのないよう気をつけながら、丁寧に自分の意見を述べた。
王子様の意見にも物怖じしない、この態度…素晴らしいわね。
それとやっぱり私の家に住むだけでいいとかだったら着いてこなかったってことね…。原作通り働かないかって聞いてみてよかったわ。
…まぁ原作は意見とか一切聞かないで働かせてたけど。
「じゃぁ決まりね。貴方には私の侍女として働いてもらうわ」
「じ、侍女ですか!?…リティシア様、大変申し上げにくいのですが…私には貴族のお屋敷で働いた経験がございません。きちんとお役目を果たせるかどうか不安です…」
「あらそんなこと気にしてたの?大丈夫よ。なんてったって貴女は主人公なんだから」
「主人…公?」
「そうよ。貴女が例え私の家に火をつけたって捕まりやしないわ。」
「えっ!?そ、そのようなことは神に誓って致しません!」
「冗談よ、冗談。」
イサベルは必死に首を横に振って私の発言を否定してくる。可愛い。
確かにこれは冗談で言ったことだけど、主人公ならあり得なくはない。しかも悪役令嬢の屋敷を燃やしたと考えれば逆に良いことをしたと捉えられる可能性すらあるのだ。
可愛くて皆から愛されるイサベルと、美人だが誰かを陥れることを生き甲斐とするリティシア…そのどちらに皆が味方するかなど…最早言うまでもない。
…イサベルは敵に回したら私なんて一瞬で破滅するわね。主人公であるイサベルを敵に回せば必然的に主要キャラクターであるアレクシス、アーグレンも私の敵になってしまうもの。
それにしても、原作小説でアレクはリティシアの屋敷から連れ出したあの時から…いえきっと初めから可愛らしいイサベルに夢中だったはずだけど…今は全然そんな素振りを見せないのね。
今までの言動を見る限り、今後考えが変わるかもしれないが、今のところはイサベルが転生者とかではなく、本物の主人公と考えていいだろう。
にも関わらずアレクシスは彼女に一切興味を示さないし、アーグレンも同様であるというのは変な話だ。
私の目から見ても彼女は可憐で、美しさすら感じさせる、見る者全てを魅了する魅力の持ち主であるのに…何故彼らは全く反応しないのだろう。ひょっとして私の知らない間に趣味が変わったの?
でもイサベルは万人受けする可愛さだし、この子より可愛い子なんて絶対存在しないわよ?
…まぁこれから好きになるのよね、きっと。
アーグレンはダメだけど、アレクには好きになってもらわなきゃ困るわ。それはもう…私がどうにかするしかないわよね。
頑張らないと。
結局、イサベルは私の家で侍女として働くことになり、彼女と一緒にそのまま帰宅することにした。
アーグレンは私に、もう少しで帰れるということを伝えてきたが、好きなだけ仕事をしてから帰ってくるようにと伝えておいた。騎士団長と護衛騎士を兼任することがどれだけ大変なのかは私も分かってるからね。
それからアレクシスとは…それ以降は特に会話せずに別れた。これ以上思い出を作りたくないと思ったからかもしれない。彼は何かを話そうとしていたが、私は何も話す気が起きなかった。
どうせもう終わりなんだから…これ以上深く関わっちゃダメ。
私が明らかな線引きをしていることにイサベルもアーグレンも…恐らく騎士団ですら気づいていたが、彼らは複雑そうな表情をするのみで、何も言わなかった。
何か言ったとしても聞き入れないだろうと思ったんでしょうね。特にアーグレンは一度私に強く言われてるから…。
でもそれでいいわ。誰にも理解されなくてもいい。私はただ私の目標のために進むだけよ。
イサベル以外の全員と別れ、彼女と歩いている道中、イサベルは当たり障りのない会話をしてきて、私もなんとなくで返していた。
リティシアとしての知識がないと答えられないような質問が飛んできた時は、覚えてないと言って誤魔化した。イサベルはその誤魔化しを素直に受け入れて詮索したりはしてこなかった。
彼女の見せる笑顔はとても可愛らしく、女の私ですら見惚れてしまうほどであった。些細な気遣いもできるし、なによりとても私に優しく接してくれた。
いい子ね、本当に…。私なんかじゃとても敵わないわね。
そういえばイサベルに、アレクと私は婚約者なのかと聞かれた。今はそうだと答えると、「やっぱりそうだったんですね!」ととても嬉しそうな返事をされた。どうしてそこで喜んだのか、私にはまるで分からなかった。
せめて「今は」の部分にツッコみなさいよね…。
イサベルは私を見つめると、きょとんとした眼差しを向けてくる。大きくてまんまるな瞳がとても可愛い。
「えぇ。そうよ」
こんなに可愛いなら出てくる登場人物が次々と好きになっていっちゃうのも納得ね。
そして、私の横で何故か微妙な表情をしていたアレクシスがとても気まずそうに呟いた。
「えーっと…特に希望がないなら俺の城に呼ぼうと思ったんだけどな。部屋ならいくらでもあるし、使用人とか気にせず普通に住んでもらおうと…」
「バカね。こんな真面目な子が無条件で住むわけないでしょ。働く場所をあげないときっと着いてこないわ」
このままお城に住まわせるという手も確かにあるけどそれだと私が干渉しにくいからね。とりあえず私の手の届くところにいてほしいのよ。
「私はお二人に助けられた身でありますからお二人の意思に従いますが…失礼ながらリティシア様の考えに賛同させて頂きます」
イサベルはどちらかの機嫌を損ねることのないよう気をつけながら、丁寧に自分の意見を述べた。
王子様の意見にも物怖じしない、この態度…素晴らしいわね。
それとやっぱり私の家に住むだけでいいとかだったら着いてこなかったってことね…。原作通り働かないかって聞いてみてよかったわ。
…まぁ原作は意見とか一切聞かないで働かせてたけど。
「じゃぁ決まりね。貴方には私の侍女として働いてもらうわ」
「じ、侍女ですか!?…リティシア様、大変申し上げにくいのですが…私には貴族のお屋敷で働いた経験がございません。きちんとお役目を果たせるかどうか不安です…」
「あらそんなこと気にしてたの?大丈夫よ。なんてったって貴女は主人公なんだから」
「主人…公?」
「そうよ。貴女が例え私の家に火をつけたって捕まりやしないわ。」
「えっ!?そ、そのようなことは神に誓って致しません!」
「冗談よ、冗談。」
イサベルは必死に首を横に振って私の発言を否定してくる。可愛い。
確かにこれは冗談で言ったことだけど、主人公ならあり得なくはない。しかも悪役令嬢の屋敷を燃やしたと考えれば逆に良いことをしたと捉えられる可能性すらあるのだ。
可愛くて皆から愛されるイサベルと、美人だが誰かを陥れることを生き甲斐とするリティシア…そのどちらに皆が味方するかなど…最早言うまでもない。
…イサベルは敵に回したら私なんて一瞬で破滅するわね。主人公であるイサベルを敵に回せば必然的に主要キャラクターであるアレクシス、アーグレンも私の敵になってしまうもの。
それにしても、原作小説でアレクはリティシアの屋敷から連れ出したあの時から…いえきっと初めから可愛らしいイサベルに夢中だったはずだけど…今は全然そんな素振りを見せないのね。
今までの言動を見る限り、今後考えが変わるかもしれないが、今のところはイサベルが転生者とかではなく、本物の主人公と考えていいだろう。
にも関わらずアレクシスは彼女に一切興味を示さないし、アーグレンも同様であるというのは変な話だ。
私の目から見ても彼女は可憐で、美しさすら感じさせる、見る者全てを魅了する魅力の持ち主であるのに…何故彼らは全く反応しないのだろう。ひょっとして私の知らない間に趣味が変わったの?
でもイサベルは万人受けする可愛さだし、この子より可愛い子なんて絶対存在しないわよ?
…まぁこれから好きになるのよね、きっと。
アーグレンはダメだけど、アレクには好きになってもらわなきゃ困るわ。それはもう…私がどうにかするしかないわよね。
頑張らないと。
結局、イサベルは私の家で侍女として働くことになり、彼女と一緒にそのまま帰宅することにした。
アーグレンは私に、もう少しで帰れるということを伝えてきたが、好きなだけ仕事をしてから帰ってくるようにと伝えておいた。騎士団長と護衛騎士を兼任することがどれだけ大変なのかは私も分かってるからね。
それからアレクシスとは…それ以降は特に会話せずに別れた。これ以上思い出を作りたくないと思ったからかもしれない。彼は何かを話そうとしていたが、私は何も話す気が起きなかった。
どうせもう終わりなんだから…これ以上深く関わっちゃダメ。
私が明らかな線引きをしていることにイサベルもアーグレンも…恐らく騎士団ですら気づいていたが、彼らは複雑そうな表情をするのみで、何も言わなかった。
何か言ったとしても聞き入れないだろうと思ったんでしょうね。特にアーグレンは一度私に強く言われてるから…。
でもそれでいいわ。誰にも理解されなくてもいい。私はただ私の目標のために進むだけよ。
イサベル以外の全員と別れ、彼女と歩いている道中、イサベルは当たり障りのない会話をしてきて、私もなんとなくで返していた。
リティシアとしての知識がないと答えられないような質問が飛んできた時は、覚えてないと言って誤魔化した。イサベルはその誤魔化しを素直に受け入れて詮索したりはしてこなかった。
彼女の見せる笑顔はとても可愛らしく、女の私ですら見惚れてしまうほどであった。些細な気遣いもできるし、なによりとても私に優しく接してくれた。
いい子ね、本当に…。私なんかじゃとても敵わないわね。
そういえばイサベルに、アレクと私は婚約者なのかと聞かれた。今はそうだと答えると、「やっぱりそうだったんですね!」ととても嬉しそうな返事をされた。どうしてそこで喜んだのか、私にはまるで分からなかった。
せめて「今は」の部分にツッコみなさいよね…。
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