不屈の葵

ヌマサン

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第4章 苦海の章

第159話 上野城の戦い~逆意胎動~

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「平八郎、支度はできておるか」

 時は少し遡り、ここは岩津妙心寺北東。そこに待ち伏せる石川安芸守忠成が話しかけたのは、落ち着かない様子の本多平八郎忠勝であった。

 当の本多平八郎は石川安芸守へ生半可な返事をしながら、目の前で矢矧川を渡河せんとしている軍勢をギロリと睨みつけている。

「安芸守殿、我らはいつになれば突撃しても構わぬので?」

「焦るな。敵の大将、酒井将監は用心深い。軍勢の過半が渡河を終えるまで、隙を見せるような素振りは見せまい」

「その酒井将監が安芸守殿の策を読んで、わざと隙を見せるやもしれませぬ」

「むっ、それを申すか。じゃが、案ずるでない。ここに少数とはいえ、我らが潜んでおることなど知り得ようはずもない」

 あくまでも冷静に目の前で渡河を進める軍勢を見つめる石川安芸守。対して、本多平八郎は今すぐにも敵へ襲いかかり、敵将を討ち取り武功を稼ぎたいと考えていた。

 正反対な考え方をする二人であったが、何よりも良かったのは本多平八郎は石川安芸守を急かすようなことは口走っても、独断専行して敵軍へ単身突撃していくような馬鹿な真似はしなかったことである。

 そうしてじっと上野城から出陣してきた酒井勢の半数以上が渡河した頃、ようやく岡崎から出撃した者たちは動いた。

「よしっ!弓隊、構えっ!放てっ!」

 弓を引き絞り、狙いを定める弓兵たち。石川安芸守の発する老齢ながらも鋭い声に導かれるように、矢が弦を放れていく。

 石川安芸守が指揮する松平勢によって放たれた矢が容赦なく渡河を終えたばかりの酒井将監の手勢へ降り注ぐと、二派に分かれた。木楯を構えて飛来する矢を防ぎ、態勢を維持しようとする者。もう一方は我先にと来た道を戻り始める者たちである。

 どちらか一方に兵士らの動きが統一されていたならば、動きに統一性というものが残されていただろう。しかし、こうまで派閥が拮抗してしまっては無理に統一を図ると無用な混乱を生じさせてしまうことになる。

「平八郎!前へ出るぞ!」

「おうっ!」

 石川安芸守までもが加齢による衰えをみせまいと進んで抜刀して斬り込んでいく。そんな老人の姿に遅れは取るまいと本多平八郎ら若者衆も後へ続いていくのである。そこからは圧倒的岡崎勢優位の戦が展開されていく。

 石川安芸守や本多平八郎といった老いも若きも刀や槍で武装して酒井将監の手勢を引っかきまわし、ついには大半が敵に背を向けて矢矧川を渡って逃亡を図る。そのことに一番驚いたのは従軍し、対岸で指揮を執っていた酒井将監の方であった。

「七郎右衛門!小兵衛!渡河した兵らが戻ってくるとは何事じゃ!」

「はっ、どうやら岩津妙心寺の北東に敵が伏せておったらしく、急な敵襲を受けて混乱に陥っておるとのこと」

 榊原七郎右衛門清政からの言葉に舌打ちする酒井将監。しかし、こうまで崩れてしまっては今から指揮を執って前線を立て直すことは困難極まりない。

「小兵衛!敵は誰がおるか、判明してはおらぬのか!?」

「敵は我らの半数以下かと思われまするが、されど対岸へ渡河を終えた者たちとの数を比べれば幾分か多うございまする!」

「加えて、伏兵でもあったのじゃ。自分たちとほぼ同数の敵が伏兵として伏せておった敵から不意打ちを受けたのじゃ。そうも容易くは立て直せまいか」

 齢四十六になる芝山小兵衛も立て直す術を講じようにも妙案が浮かんでくることはなかった。それは無論、十八歳の榊原七郎右衛門といえども浮かんでくるはずもなく。

「こんな矢矧川の渡河に苦戦しておるようでは、今川家にも武田家に申し訳が立たぬわ!」

 そう、酒井将監としては今川や武田にも助力を取り付けて挙兵した以上、こんな無様な敗戦を語られるというだけで矜持が許さない。

「将監殿」

「これは左近右衛門殿ではござらぬか」

 酒井将監の前へ現れたのは大原左近右衛門惟宗。松平宗家に仕える武士ではあったが、今は上野城へ籠城する造反組の一人である。

「ここは無理強いするところではござらぬ。戦と申すのは、古来より進め方というものがございますれば」

「左近右衛門、そなたはここは体面にこだわらず、上野城へ退き、体制を立てなおせ、とかように申したいわけじゃな」

「はい。おっしゃる通りにございます。これ以上、無理に戦ったとて、勝敗はすでについておりまする。ここは一度城へ戻り、態勢を立て直し、此度の負けを取り戻しに動かれるが肝要であるかと」

 大原左近右衛門の一言に、三河一のおとな・酒井将監忠尚の心は大いに動かされた。かくして、酒井将監は撤退することを選択したのである。

「小兵衛!そなたは左近右衛門殿とともに先へ進み、小荷駄隊の士気を執れ!七郎右衛門!そなたは病弱ゆえ、槍働きなどしてはいたずらに命を失うばかりじゃ。ともすれば、そなたは一足早く馬を飛ばして城へ戻り、留守居をしておる作右衛門と弥八郎、四郎左衛門尉らへこのことを急ぎ伝えて参れ!」

 芝山小兵衛は落ち着いた声音で大原左近右衛門ととともに退出していくと、河原で待機している小荷駄隊の指揮にあたり始める。大原左近右衛門もそれに協力する形で、老将らが兵らへ明確な指示を飛ばしながら撤退の支度を慌ただしく進めていく。

「将監殿!」

「おお、右馬助殿!ご無事で何よりじゃ」

「命からがらここまで引き退いて参った次第。まだ後方では高木九助殿が殿を務めております」

「そうか。されど、あの高木九助殿が我らに味方したとは未だに信じられぬ」

「某は将監殿とは生まれ故郷も近いゆえ、当然やもしれませぬが、高木九助殿はそうではございませんからな。されど、高木九助殿が申しておったのは、今の蔵人佐殿の方針では三河一統を成す前に三河は人無しの国になってしまう、所詮は無理な戦じゃと申してござった」

「そうであったか」

 足立右馬助が聴取した高木九助の言葉を聞き、感じるところは同じであったかと認識する酒井将監。そうしているうちに、高木九助ら殿軍が引き揚げてくるのを援護しながら、全部隊が上野城へと引き退いていく。

 かくして先手必勝とばかりに細川・岩津・大樹寺などを攻めようとした酒井将監の目論見は破れ、石川安芸守や本多平八郎らの奮戦によって数多の将兵を討たれたことも影響してか、以後城を打って出ることはせず、城籠もりを貫くこととなる。

 そうして酒井将監忠尚が挙兵した翌六月。今度は岡崎城の方から千数百の軍勢が上野城に向けて出陣することとなった。

「殿!上野城攻めの先陣はこの三左衛門にお任せくだされ!」

「なんのなんの!三左衛門殿よりも槍の腕が上である平八郎へお任せくださいませ!」

「なにを!お主は先の岩津妙心寺近辺での合戦にて軍功を挙げたであろう!次は某が!」

「いや、武功を立てた次の戦では先鋒を辞退せねばならぬ軍法などござらぬ!ここは実力で勝る拙者が!」

「両名とも静まらぬか!先鋒は地の利を心得ておる大須賀五郎左衛門尉と榊原小平太に命じる!お主らはその後からわしとともに続け!」

 言い争う内藤三左衛門信成も本多平八郎忠勝も不服そうではあったが、地の利を心得る者に任せると言われてしまえば、納得せざるを得なかった。

 そう元康が発言したのは、武術の腕前でなく、地の利を把握していることを先発するのに重要視していることの表れであると両名とも解釈したからであった。

「五郎左衛門尉!小平太!道案内は任せる!」

「はっ、お任せくだされ!」

「案内仕りまする!」

 上野城までの地の利を元康が心得ていないはずはない。初陣の寺部城攻めの時や桶狭間合戦以後に駆け巡った地である。しかし、そこで生まれ育った者たちの視点というものに遠く及ばないことはまたとない事実。ともすれば、案内役として先行させるのは正しい判断とも言えた。

「それにしても、殿。左衛門尉殿からは先月末に岩瀬家久の大塚城攻めに失敗したと報告も入っておりまする。東三河のこともございますれば、あまり戦を長引かせてはなりませぬ」

「うむ。そのこと、しかと心得ておる。与七郎こそ留守居をしかと頼むぞ」

「お任せくださいませ!某の目の黒いうちは岡崎を何物にも蹂躙させるようなことはいたしませぬゆえ」

「そうか。あとは病床の父のことも見舞ってやるがよい」

「ご配慮くださりありがとうございまする。それだけで父も喜びましょう」

 家老・石川与七郎数正からの献言を加味したうえで、元康は岡崎城を出陣。あくまでも短期戦で決着させなければならないと思案し、軍勢を東ではなく北へと向けた。

 長年松平宗家のことを支え続けてきた石川安芸守忠成の嫡男であり、家老・石川与七郎数正の実父である石川右近大夫康正の体調も気がかりではあったが、元康に見舞いをしている時間はなかった。

 『厭離穢土欣求浄土』の旗とともに北上し、比較的平野の多い城の西側と南側に軍勢を布陣させ、本陣を構える。城の北から北東にかけては深田、すなわち泥の深い田が広がっており、城を攻めるうえでは不利と判断したのである。

「殿、各隊布陣を終えましてございます」

「そうか。ならば城攻めを開始せよ。よいか、今日中に城を攻め落とす気概で臨めと各隊に伝えるように」

「ははっ!然らば、その旨、しかと伝えて参りまする!」

 近侍の鳥居彦右衛門尉元忠や天野三郎兵衛康景、阿部善九郎正勝といった者たちを各隊へ走らせ、城攻め開始の命を伝えさせる。

 そうして城攻めの命が伝わったのか、各隊は城の南側と西側から攻撃を開始し、容赦なく矢玉を城めがけて打ち放し、城からも遠慮なく矢玉が返され、激しい攻防戦が展開される。

「怯むな!撃ち返せ!」

 門側で声を張り上げ、攻め寄せる松平勢を迎撃するのは高木九助広正。齢二十八とはいえ、各地の合戦で経験を積んできた猛者が指揮を執る西門の攻略は難航。切り崩しに手間取る状況が続く。

 もう一方の南門では老練な大原左近右衛門と酒井将監家臣・芝山小兵衛が指揮を担い、敵の侵入を懸命に阻んでいた。

「芝山小兵衛殿!貴殿は弓隊を率い、塀の南側にある隙間より城へ攻め寄せる敵兵を狙い撃ちしてくだされ」

「承知ぞ!まもなくこちらへ鳥居四郎左衛門尉忠広殿が援軍を率いて参られるとのことゆえ、それまで持ちこたえてくだされ!」

「ははは、儂を誰じゃと思うておる!先々代の清康公より四十近い戦場を潜り抜けて参った!この程度の合戦で遅れは取らぬわ!」

 豪快に笑いながら鉄砲隊の指揮を執り、城門を打ち破らんとする松平勢を次々と打ち倒していく大原左近右衛門の奮戦ぶりには目を見張るものがあった。

 そんな大原左近右衛門に遅れは取るまいと芝山小兵衛指揮する弓隊も縦長に伸びた敵の側面目がけて矢を射かけ、門にばかり意識が向いている松平勢の足を止めにかかる。

 そんな具合に各隊がそれぞれの持ち場にて善戦する様子に、上野城の本丸に座している酒井将監はご満悦であった。

「弥八郎!やはりお主の睨んだとおり、蔵人佐殿は南と西へ兵力を集中させておるようじゃ」

「ええ、蔵人佐殿ならばそのように兵を配置することくらいは容易に想像できまする。決して、味方を深田に入らせての強攻策は取られぬ御方にございますゆえ」

「そうであろうな。じゃが、わしの見た限りでは敵の兵粮はさほど多くない。此度の城攻めは今日明日が山であろうとみておる」

「某も同意見にございます。されど、そう幾度も城攻めをされては持ちこたえられませぬ。かくなるうえは、一刻も早く今川氏真様自らが大軍を率いて三河へ侵攻していただくより他はございませぬ」

 その点については酒井将監としても案ずるところではあった。何せ、挙兵してからは一通たりとも返書が届かないからである。確かに三河と駿河とでは往復に時を要するであろうが、未だに一通も便りがないというのは不自然というほかなかった。

「むっ、高木九助の方が旗色が悪そうじゃ。弥八郎!そなた、作右衛門と足立右馬助殿とともに加勢へ向かってくれ」

「はっ、承知いたしました。では、行って参りまする」

 本多弥八郎正信が西門へ加勢へ赴くべく、足立右馬助遠定と酒井作右衛門重勝の両名と合流すべく本丸を出立した直後。言葉を発したのは榊原七郎右衛門清政であった。

「殿、まこと今川の援軍は来ますでしょうや?」

「来る!先月のうちに先陣として三浦備後守正俊殿が三河へ入っておる!側近を送り込み、領国中にさらなる徴税を課しておきながら三河侵攻をなさらぬような御仁ではない」

 今か今かと今川家からの援軍を上野城で待つ酒井将監忠尚の願いが籠もった書状を読み、駿府の今川上総介氏真は大きな決断を下そうとしていた――
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