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青の村にて 雄叫びと治療完了
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「お、終わった。これで最後だ……」
「「「「「うおおおおおーーーーー!!!!!」」」」」
大髭様の胃の中にあった最後の鉱物を運び出した水守の人が心からつぶやくと、広場にいたみんなが雄叫びをあげた。まあ広場を埋め尽くすだけでなく、青の村を囲むようにできた岩石と鉱物の山の数々を見ると、その気持ちはよくわかる。大髭様は、よくこれだけの量を食べたなって驚くよ。
「みんな、お疲れ様。あとは僕が大髭様の治療をするだけだから休んでて。大髭様も、もう少しで動けて食べれるようになるからね」
「バフ」
「それじゃあ身体の中に入るよ」
僕が言うと大髭様は口を大きく開けてくれたから入っていく。大髭様の中に入る僕も身体の中に入られる大髭様も慣れたもので、「ちょっとこの荷物をそこまで運んでくれる?」「良いよ」ぐらいお互いにスルッとやっている。本来なら慣れちゃいけないんだけど、異常事態を解決するためには仕方ないか。
大髭様の口と食道を通り抜けて胃についた。……やっぱり広いな。岩石と鉱物が胃の中にパンパンに詰まっていた時を知ってるから全部運び出されて胃の中に何もない今は余計に広く感じる。さて、最後に失敗したら元も子もないから慎重に、でも時間をかけたら大髭様の負担が増えるから素早く胃壁の治療をしていこう。
「水生魔法。緑盛魔法・強薬水液」
いつものように腰の小袋から取り出した薬草団子と水生魔法を合わせて薬液を作り、腸へと続く胃の出口付近に塗布していき同時に大髭様の身体の中の音に耳を傾けた。
……大髭様の呼吸音、心臓の鼓動、血液が流れる音、どれを聞いても前とは比べものにならないくらい力強い。健康体までもう少しっていう証拠だね。ただ、このもう少しが厄介で治療されてる側の大髭様は早く動いて食べたいという思いが強くなってきて、身体を微かにだけどウズウズさせているのがわかる。
「もう少しだからね」
「バフ」
「……ありがとう」
僕が大髭様を落ち着かせるつもりで胃壁をポンポンと軽く叩くと、大髭様からわかっているという反応が返ってきて、……まさか身体の中にいる僕へと大髭様から返事がくると思わなかったから驚いた。でも、これだけ繊細に身体の中の事も把握できて自制もできる大髭様が何で自分が動けなくなるまで岩石と鉱物を食べたのかわからないな。まあ、大髭様が本調子になった時にゆっくり話を聞けば良い事だし、今は治療の大詰めを無事に乗り切れるように集中する。
「……よし、ここも治療が終わった」
残ってた最後の傷の治療が終わって振り向くと、キレイな色で傷も荒れもない大髭様の胃壁が僕の視界いっぱいに見える。胃の真ん中まで歩きながら、時折胃壁を触ってみても確かな弾力が僕の手に返ってくるから完治って言って良いけど、最後の確認として胃の真ん中で僕の足もとの胃壁に手で触れ目を閉じて全力で同調をした。
「胃……胃壁の傷の完治確認、緩やかに起こる胃の蠕動運動にも異常なし。心臓……鼓動に異常なし。肺……呼吸も緩やかだけどしっかりと安定していて異常なし。血液の流れ……全身をよどみなく流れていて異常なし。筋肉……炎症や断裂はなく異常なし。骨……どこにも骨折や亀裂はなく異常なし。脳やその他……異常なし。今の時点で確認できる範囲だと異常なし。あとは何か食べた時に異常がなければ完治だね」
僕は同調の結果に満足してうなずき、大髭様の口に向かって歩いていく。
僕が大髭様の口から出ると広場にいたみんながバッと振り向き僕の方に走り寄ってくる。……全員じゃなくてヌイジュだけは広場の端の方で僕の事をにらんでいて、僕と視線が合ったヌイジュは一瞬顔をしかめて顔をそらした。なんとなくその様子を見てるとハインネルフさんにためらいがちに話しかけられる。
「……ヤート殿、大髭様の治療は終わったのだろうか?」
「うん、同調で今確認できる範囲で異常はなかったから、あとは大髭様が何か食べてみて異常が出なかったら完治だよ」
「「「「「うおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!!!!!」」」」」
「バフ!!!!」
みんなから大髭様の胃の中から岩石と鉱物を運び終わった時以上の雄叫びが上がった。大髭様からも嬉しそうな雰囲気が伝わってくる。……伝わってくるのは良いんだけど、その際に大髭様が思いっきり息を吸って吐かれたから口の前に集まっていた僕達は吹き飛ばされた。
「……大髭様、嬉しいのはよくわかるけど加減してほしかった」
「バフ……」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
「「「「「うおおおおおーーーーー!!!!!」」」」」
大髭様の胃の中にあった最後の鉱物を運び出した水守の人が心からつぶやくと、広場にいたみんなが雄叫びをあげた。まあ広場を埋め尽くすだけでなく、青の村を囲むようにできた岩石と鉱物の山の数々を見ると、その気持ちはよくわかる。大髭様は、よくこれだけの量を食べたなって驚くよ。
「みんな、お疲れ様。あとは僕が大髭様の治療をするだけだから休んでて。大髭様も、もう少しで動けて食べれるようになるからね」
「バフ」
「それじゃあ身体の中に入るよ」
僕が言うと大髭様は口を大きく開けてくれたから入っていく。大髭様の中に入る僕も身体の中に入られる大髭様も慣れたもので、「ちょっとこの荷物をそこまで運んでくれる?」「良いよ」ぐらいお互いにスルッとやっている。本来なら慣れちゃいけないんだけど、異常事態を解決するためには仕方ないか。
大髭様の口と食道を通り抜けて胃についた。……やっぱり広いな。岩石と鉱物が胃の中にパンパンに詰まっていた時を知ってるから全部運び出されて胃の中に何もない今は余計に広く感じる。さて、最後に失敗したら元も子もないから慎重に、でも時間をかけたら大髭様の負担が増えるから素早く胃壁の治療をしていこう。
「水生魔法。緑盛魔法・強薬水液」
いつものように腰の小袋から取り出した薬草団子と水生魔法を合わせて薬液を作り、腸へと続く胃の出口付近に塗布していき同時に大髭様の身体の中の音に耳を傾けた。
……大髭様の呼吸音、心臓の鼓動、血液が流れる音、どれを聞いても前とは比べものにならないくらい力強い。健康体までもう少しっていう証拠だね。ただ、このもう少しが厄介で治療されてる側の大髭様は早く動いて食べたいという思いが強くなってきて、身体を微かにだけどウズウズさせているのがわかる。
「もう少しだからね」
「バフ」
「……ありがとう」
僕が大髭様を落ち着かせるつもりで胃壁をポンポンと軽く叩くと、大髭様からわかっているという反応が返ってきて、……まさか身体の中にいる僕へと大髭様から返事がくると思わなかったから驚いた。でも、これだけ繊細に身体の中の事も把握できて自制もできる大髭様が何で自分が動けなくなるまで岩石と鉱物を食べたのかわからないな。まあ、大髭様が本調子になった時にゆっくり話を聞けば良い事だし、今は治療の大詰めを無事に乗り切れるように集中する。
「……よし、ここも治療が終わった」
残ってた最後の傷の治療が終わって振り向くと、キレイな色で傷も荒れもない大髭様の胃壁が僕の視界いっぱいに見える。胃の真ん中まで歩きながら、時折胃壁を触ってみても確かな弾力が僕の手に返ってくるから完治って言って良いけど、最後の確認として胃の真ん中で僕の足もとの胃壁に手で触れ目を閉じて全力で同調をした。
「胃……胃壁の傷の完治確認、緩やかに起こる胃の蠕動運動にも異常なし。心臓……鼓動に異常なし。肺……呼吸も緩やかだけどしっかりと安定していて異常なし。血液の流れ……全身をよどみなく流れていて異常なし。筋肉……炎症や断裂はなく異常なし。骨……どこにも骨折や亀裂はなく異常なし。脳やその他……異常なし。今の時点で確認できる範囲だと異常なし。あとは何か食べた時に異常がなければ完治だね」
僕は同調の結果に満足してうなずき、大髭様の口に向かって歩いていく。
僕が大髭様の口から出ると広場にいたみんながバッと振り向き僕の方に走り寄ってくる。……全員じゃなくてヌイジュだけは広場の端の方で僕の事をにらんでいて、僕と視線が合ったヌイジュは一瞬顔をしかめて顔をそらした。なんとなくその様子を見てるとハインネルフさんにためらいがちに話しかけられる。
「……ヤート殿、大髭様の治療は終わったのだろうか?」
「うん、同調で今確認できる範囲で異常はなかったから、あとは大髭様が何か食べてみて異常が出なかったら完治だよ」
「「「「「うおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!!!!!」」」」」
「バフ!!!!」
みんなから大髭様の胃の中から岩石と鉱物を運び終わった時以上の雄叫びが上がった。大髭様からも嬉しそうな雰囲気が伝わってくる。……伝わってくるのは良いんだけど、その際に大髭様が思いっきり息を吸って吐かれたから口の前に集まっていた僕達は吹き飛ばされた。
「……大髭様、嬉しいのはよくわかるけど加減してほしかった」
「バフ……」
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◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
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