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大神林の奥にて 頂点との再会と杖の成長
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あれから僕達は優しく笑い、また来てねという意思を伝えてきた豊穣木に見送られて出発した。それなりの距離を移動したけど四体のケンカはなく順調に移動できて、今僕達は見上げるほどの巨樹が乱立する大神林の奥へと足を踏み入れている。
……前に来た時、ここで壮絶な威圧合戦になった後、その余波で吐いて気絶したのを思い出して、今回も同じ事が起きるのか身構えた。…………何も起きない。明らかに僕達を意識してる感じは伝わってくるけど、今回はどうしたんだろ? 四体も殺気立ってるわけじゃなく僕達を意識してる魔獣達を見返してるだけで動かない。たぶんお互いに無視はしないけど相互不干渉って事かな? だとしたら、これ以上進むと、せっかくの落ち着いてる状況を崩すかもしれない。
何か刺激しない移動方法を考えないといけないな。…………全体に鎮静効果のある鎮める青や睡眠導入効果の誘眠草の霧を拡散してみる? …………効き目が薄そうだからやめよう。他の手段は……あ、そうだ。僕は一つ思いついた事を試すため、鬼熊の背中から降りて腰の世界樹の杖に触れ魔法を発動させた。
「緑盛魔法・世界樹の杖」
腰に巻きついていた世界樹の杖は僕の魔法により杖状態になる。すると大神林の奥の空気が変わり巨大な気配で満たされた。周りの様子を界気化した魔力で確認したら、四体と大神林の奥の植物達や魔獣達はビシッと緊張で固まってる。うん、やっぱりこういう時は集団の頂点に呼びかけるのが効果的だね。もちろん、僕の言う大神林の頂点は世界樹の事だ。
『久方ぶりじゃのう』
「久しぶり。お願いしたい事があって、ここまで来た」
『ふむ……、おおかた我より別れた枝に関してか?』
「うん、この世界樹の杖にあなたの有り余ってる魔力をガッツリ吸収させてほしい」
『枝とともに我のそばに来ると良い。話を聞かしてもらおう』
「わかった。…………四体はここで待ってて」
四体を見ると明らかに動きたいのに動けないと言う感じになっていて、四体はそんな自分達にヘコんでいた。
「……ガア」
「……ブオ」
「……スミマセン」
「…………オレヨワイナ」
「ここで無理する必要は全くないから気にしないで。それじゃあ、行ってきます」
僕は四体と別れて巨樹の間を抜けて進んでいく。すると、世界樹の杖から鼻息の激しい荒ぶった感じが伝わってきた。やっぱり親みたいな存在と対面するんだから興奮してるみたいだね。
また、この崖にしか見えないところに来れた。ここに近づいていくごとに世界樹の杖の興奮の仕方が増していき、崖を目の前にした今が最高潮になっている。さて、世界樹の杖を興奮させっぱなしにしてたら負担になるし、棒立ちも時間の無駄だ。崖に触ろう。僕が崖に触ると、崖から光の粒が次々生まれて辺り一面を覆っていく。そして、その光がおさまると僕が触っていた崖は世界樹になった。本当にこの擬態はすごいなと思いながら少し離れて上を見上げる。
『来れたようじゃな』
「うん、さっきもしたけど直接会ってるから、またあいさつをさせてもらうね。久しぶり」
『うむ、久しいな。歓迎するぞ』
「まずは僕の方の状況を説明したいところだけど、それよりもだ」
僕は世界樹の杖を地面に刺して若木状態にした。すると世界樹の杖が深緑色に光る。かなり光の点滅を繰り返してるその様子は、出かけてた子供が家に帰り親に今日あった事を全力で話してるみたいだね。これである程度は世界樹へ僕の方の状況が伝われば良いなと思いつつ、世界樹の杖が落ち着くのを待った。
しばらく待つと、世界樹の杖の興奮と点滅がおさまった。
『なるほどのう……、外は中々に不愉快な状況となっておるらしい』
「大神林、大霊湖、大霊穴で戦った奴らの親玉なのかはわからないけど、もし戦いになった場合、絶対に勝たないといけないから力を貸してほしいんだ」
『この場から動けない我に代わり世界を頼む。そのための準備として、どれだけ我の魔力を吸収しても構わん』
「ありがとう」
僕は世界樹へ一礼した後、若木状態の世界樹の杖の根本に背を預けて座る。そして目を閉じてゆっくりと深呼吸をしながら、世界樹の魔力が世界樹の杖へと流れるように誘導していく。
…………少しの間、呼吸の数で言うと二十回くらいの間に世界樹の魔力を吸収させたら、黄土の村で溜める時の数日分の魔力が世界樹の杖に溜まった。元々世界樹の杖は世界樹の天辺の枝だったから世界樹の魔力を受け入れやすいと考えても異常な量が溜まったね。とても一つの存在が放つ魔力量とは思えない。はっきり言って大霊湖や大霊穴に集まる魔力と比べても負けてない。
『……ほう、我の魔力を枝へとうまく流しておるな。見る間に成長していく』
「世界樹の魔力の量と世界樹の杖の成長がすごくて、ちょっと引いてる」
『必要な事じゃからな。気にせんで良い』
「…………そうだね」
世界樹の魔力を吸収させるほど、世界樹の杖が成長していく。どれくらいすごいかと言うと、成長する際のメキメキとかギチッていう音がずっとしてるし、背中で若木状態の世界樹の杖の幹が伸びて太くなっていくのが、はっきりわかるくらいにすごい。
『若いものの成長は見ていて心が躍るのう』
「…………」
世界樹が若木状態の世界樹の杖の成長を喜んでるけど、僕は下手な事をして世界樹の杖の成長が歪な事になったら大事だと理解したので、ただひたすら世界樹の杖への魔力の誘導に全神経を集中した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
……前に来た時、ここで壮絶な威圧合戦になった後、その余波で吐いて気絶したのを思い出して、今回も同じ事が起きるのか身構えた。…………何も起きない。明らかに僕達を意識してる感じは伝わってくるけど、今回はどうしたんだろ? 四体も殺気立ってるわけじゃなく僕達を意識してる魔獣達を見返してるだけで動かない。たぶんお互いに無視はしないけど相互不干渉って事かな? だとしたら、これ以上進むと、せっかくの落ち着いてる状況を崩すかもしれない。
何か刺激しない移動方法を考えないといけないな。…………全体に鎮静効果のある鎮める青や睡眠導入効果の誘眠草の霧を拡散してみる? …………効き目が薄そうだからやめよう。他の手段は……あ、そうだ。僕は一つ思いついた事を試すため、鬼熊の背中から降りて腰の世界樹の杖に触れ魔法を発動させた。
「緑盛魔法・世界樹の杖」
腰に巻きついていた世界樹の杖は僕の魔法により杖状態になる。すると大神林の奥の空気が変わり巨大な気配で満たされた。周りの様子を界気化した魔力で確認したら、四体と大神林の奥の植物達や魔獣達はビシッと緊張で固まってる。うん、やっぱりこういう時は集団の頂点に呼びかけるのが効果的だね。もちろん、僕の言う大神林の頂点は世界樹の事だ。
『久方ぶりじゃのう』
「久しぶり。お願いしたい事があって、ここまで来た」
『ふむ……、おおかた我より別れた枝に関してか?』
「うん、この世界樹の杖にあなたの有り余ってる魔力をガッツリ吸収させてほしい」
『枝とともに我のそばに来ると良い。話を聞かしてもらおう』
「わかった。…………四体はここで待ってて」
四体を見ると明らかに動きたいのに動けないと言う感じになっていて、四体はそんな自分達にヘコんでいた。
「……ガア」
「……ブオ」
「……スミマセン」
「…………オレヨワイナ」
「ここで無理する必要は全くないから気にしないで。それじゃあ、行ってきます」
僕は四体と別れて巨樹の間を抜けて進んでいく。すると、世界樹の杖から鼻息の激しい荒ぶった感じが伝わってきた。やっぱり親みたいな存在と対面するんだから興奮してるみたいだね。
また、この崖にしか見えないところに来れた。ここに近づいていくごとに世界樹の杖の興奮の仕方が増していき、崖を目の前にした今が最高潮になっている。さて、世界樹の杖を興奮させっぱなしにしてたら負担になるし、棒立ちも時間の無駄だ。崖に触ろう。僕が崖に触ると、崖から光の粒が次々生まれて辺り一面を覆っていく。そして、その光がおさまると僕が触っていた崖は世界樹になった。本当にこの擬態はすごいなと思いながら少し離れて上を見上げる。
『来れたようじゃな』
「うん、さっきもしたけど直接会ってるから、またあいさつをさせてもらうね。久しぶり」
『うむ、久しいな。歓迎するぞ』
「まずは僕の方の状況を説明したいところだけど、それよりもだ」
僕は世界樹の杖を地面に刺して若木状態にした。すると世界樹の杖が深緑色に光る。かなり光の点滅を繰り返してるその様子は、出かけてた子供が家に帰り親に今日あった事を全力で話してるみたいだね。これである程度は世界樹へ僕の方の状況が伝われば良いなと思いつつ、世界樹の杖が落ち着くのを待った。
しばらく待つと、世界樹の杖の興奮と点滅がおさまった。
『なるほどのう……、外は中々に不愉快な状況となっておるらしい』
「大神林、大霊湖、大霊穴で戦った奴らの親玉なのかはわからないけど、もし戦いになった場合、絶対に勝たないといけないから力を貸してほしいんだ」
『この場から動けない我に代わり世界を頼む。そのための準備として、どれだけ我の魔力を吸収しても構わん』
「ありがとう」
僕は世界樹へ一礼した後、若木状態の世界樹の杖の根本に背を預けて座る。そして目を閉じてゆっくりと深呼吸をしながら、世界樹の魔力が世界樹の杖へと流れるように誘導していく。
…………少しの間、呼吸の数で言うと二十回くらいの間に世界樹の魔力を吸収させたら、黄土の村で溜める時の数日分の魔力が世界樹の杖に溜まった。元々世界樹の杖は世界樹の天辺の枝だったから世界樹の魔力を受け入れやすいと考えても異常な量が溜まったね。とても一つの存在が放つ魔力量とは思えない。はっきり言って大霊湖や大霊穴に集まる魔力と比べても負けてない。
『……ほう、我の魔力を枝へとうまく流しておるな。見る間に成長していく』
「世界樹の魔力の量と世界樹の杖の成長がすごくて、ちょっと引いてる」
『必要な事じゃからな。気にせんで良い』
「…………そうだね」
世界樹の魔力を吸収させるほど、世界樹の杖が成長していく。どれくらいすごいかと言うと、成長する際のメキメキとかギチッていう音がずっとしてるし、背中で若木状態の世界樹の杖の幹が伸びて太くなっていくのが、はっきりわかるくらいにすごい。
『若いものの成長は見ていて心が躍るのう』
「…………」
世界樹が若木状態の世界樹の杖の成長を喜んでるけど、僕は下手な事をして世界樹の杖の成長が歪な事になったら大事だと理解したので、ただひたすら世界樹の杖への魔力の誘導に全神経を集中した。
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◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
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