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王城にて あとに続く勝負事と地下
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ゼビリラン達を暗殺に来た三人は危険物を押収されそのまま地下牢に入れられた。最短最速でこの場にきてラカムタさんが瞬殺で暗殺者の三人を昏倒させたから事件になるのを防げている。…………うーん、これからどうしょう。もう食べなくても良いなというくらい食べてるから、広間に戻って食事を続ける気にはならない。そうかといって広間や庭で食後の休憩を取るのも、いろいろ動こうって決めてるから違う気がする。
僕が今日の予定をどうするか考えていると地下への入り口が目に入った。…………そうだ。ダメ元でサムゼンさんに聞いてみよう。
「サムゼンさん、地下牢のある場所って見学できる?」
「……少し待っていてくれ」
「わかった。あ、絶対に見たいわけじゃないから無理しなくて良いから」
たぶん王様に確認を取るために離れていくサムゼンさんに向かって一応言っておいた。
「ヤートは同調と界気化で王城の構造はわかってるだろ。それなのに見たいのか?」
「ラカムタさん、構造を知ってるのと実際に見るは全然違う」
「だからって、わざわざ地下になんて行かなくても良いでしょ……」
「姉さん、大神林には絶対にない場所だから見れるなら見たいなって思っただけ。完全に僕の趣味だからラカムタさん達は食事に戻っても大丈夫だよ?」
「俺達はヤートの護衛だぞ。ヤートを一人にできるか」
「ディグリとミックがいるから心配はないと思う」
「「「えっ⁉︎」」」
僕が指差した方に二体は立っている。実は広間の外で光合成をしていた二体は、僕を追ってラカムタさん達が走り出した後に窓から室内に飛び込み僕達の後ろについてきていた。もちろんサムゼンさん達が、あとから追いついてきた時にもいたんだけど二体には気がついてなかったよ。やっぱりも元々は植物だからなのか、存在感をその場の空間に馴染ませて風景の一部になれるのはすごいね。
「いつの間に……」
「気づきませんでした……」
「兄さん達は、ここに来るまでものすごく急いでて意識が前に向いてたから気づかないのもおかしくないよ。でも、ラカムタさんと父さんは気づいてたよね?」
「ああ、見事な無音移動だった」
「そうだな。それと気配も自然で小さく目立たないものだったな」
「ディグリとミック、良かったね。褒められてるよ」
「アリガトウゴザイマス」
「…………ウゴクノニナレタオカゲ」
ディグリとミックが自然に淡々と答えていたら兄さんが歩いて行き二体の前で立ち止まりにらみつける。
「次は気づいてみせるからな‼︎」
「特ニ勝負ヲシテイルツモリハアリマセンガ楽シミニシテイマス」
「…………マッテイル」
兄さんのやる気に触発されて姉さんとリンリーもディグリとミックをにらみ始めた。これは止めたほうが良いなって思っていると、ちょうどサムゼンさん達が戻ってくる。サムゼンさん達はいないと思っていたディグリとミックに気づき一瞬ビクッとしたけど、すぐに気を持ち直して二体へ軽く頭を下げた後に僕の方へ近づいてきた。
「ヤート殿、王から許可が降りた。ラカムタ殿達といっしょに行くという条件を守ってもらえば地下に入ってもらって構わない」
「サムゼン殿、俺達はヤートと同行するつもりだったから安心してくれ」
「そうか……」
「サムゼンさん、何でそんなに安心してるの?」
「あ、いや、これはだな……」
「ヤート、地下に入る許可をもらったんだ。早く行こうぜ」
「……うん、わかった」
なんかモヤっとするけど地下への楽しみをあるから置いておく。サムゼンさんも僕の様子を見て部下の人達にうなずき目線で先に入るよう指示をした。地下の管理の人への伝達と状況確認という事か。
サムゼンさんの先導で地下へと足を踏み入れる。僕達がいるのは地下三階でそれまで見た各階の構造は、全面が金属張りで各階の入り口からまっすぐ奥へと通路が続き、その通路を挟むように収容や隔離のための部屋が並んでいるという一部屋の広さ以外は同じ構造だった。サムゼンさんによると地下一階は軽犯罪者の収容区域で、そこまで警備や扱いは厳しくなく一部屋は五人で余裕がある広さで照明も明るいし匂いも普通だ。
次に地下二階はひどい被害を出した重犯罪者が収監されているところで、一階下がるだけでこうも雰囲気が変わるのかっていうくらい地下一階とは違っていた。一部屋は一人用になり広さは多少歩き回れるくらいだ。収監されている奴らが醸し出してる雰囲気なのか換気ができてないのかわからないけど、階自体の空気がどこかねばっこく淀んでいる。まあ、正道を外れた奴ばかりならこういう感じになるのかもしれないね。
そして地下三階だけど、ここは地下二階よりもさらにひどい国家転覆級や都市壊滅級の犯罪をしたものが隔離される場所だ。はっきり言って環境は悪く、照明はほとんど無くて一部屋は人が寝れる広さしかない。それに地下三階に隔離されているもの達は、金属製の椅子に物理的に拘束され魔力の封印など考えられる限りの制限も行われていた。
「当たり前だけど厳重だね」
「ここにいるもの達は危険という言葉でしか表せないからだ」
「うん、それに強いね。普通ならこんな状況に置かれたら間違いなく壊れるのに、この人達はほんの少しでも隙ができたら食い破ってやろうとギラギラしてる」
「その通り。異質で何かしらに突出しているからこそ厄介極まりない連中だ」
サムゼンさんの声に苦いものが混じる。…………うん、界気化した魔力で記憶を読み取ってみたけど、誰一人自分のやった犯罪に対して後悔のかけらもない。気分は悪いけど冤罪がなくて良かったと安心していたら、サムゼンさんは奥へと進んでいく。
「もしかして一番奥?」
「地下に収監される場合、暗黙の決まりがある。それは、より凶悪なものほど、より奥へ、だ」
「なるほど」
奥へ行くほど、界気化した魔力で感じる気配に覚えのある奴らが多いと思った。一度界気化で調べたゼビリランとその一味か。改めて確認しながら歩いてると通路の奥のある部屋の前で人が立ってるのが見えてくる。あれは間違いなくサムゼンさんの部下で、あの部屋は間違いなくゼビリランのいる部屋だ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
僕が今日の予定をどうするか考えていると地下への入り口が目に入った。…………そうだ。ダメ元でサムゼンさんに聞いてみよう。
「サムゼンさん、地下牢のある場所って見学できる?」
「……少し待っていてくれ」
「わかった。あ、絶対に見たいわけじゃないから無理しなくて良いから」
たぶん王様に確認を取るために離れていくサムゼンさんに向かって一応言っておいた。
「ヤートは同調と界気化で王城の構造はわかってるだろ。それなのに見たいのか?」
「ラカムタさん、構造を知ってるのと実際に見るは全然違う」
「だからって、わざわざ地下になんて行かなくても良いでしょ……」
「姉さん、大神林には絶対にない場所だから見れるなら見たいなって思っただけ。完全に僕の趣味だからラカムタさん達は食事に戻っても大丈夫だよ?」
「俺達はヤートの護衛だぞ。ヤートを一人にできるか」
「ディグリとミックがいるから心配はないと思う」
「「「えっ⁉︎」」」
僕が指差した方に二体は立っている。実は広間の外で光合成をしていた二体は、僕を追ってラカムタさん達が走り出した後に窓から室内に飛び込み僕達の後ろについてきていた。もちろんサムゼンさん達が、あとから追いついてきた時にもいたんだけど二体には気がついてなかったよ。やっぱりも元々は植物だからなのか、存在感をその場の空間に馴染ませて風景の一部になれるのはすごいね。
「いつの間に……」
「気づきませんでした……」
「兄さん達は、ここに来るまでものすごく急いでて意識が前に向いてたから気づかないのもおかしくないよ。でも、ラカムタさんと父さんは気づいてたよね?」
「ああ、見事な無音移動だった」
「そうだな。それと気配も自然で小さく目立たないものだったな」
「ディグリとミック、良かったね。褒められてるよ」
「アリガトウゴザイマス」
「…………ウゴクノニナレタオカゲ」
ディグリとミックが自然に淡々と答えていたら兄さんが歩いて行き二体の前で立ち止まりにらみつける。
「次は気づいてみせるからな‼︎」
「特ニ勝負ヲシテイルツモリハアリマセンガ楽シミニシテイマス」
「…………マッテイル」
兄さんのやる気に触発されて姉さんとリンリーもディグリとミックをにらみ始めた。これは止めたほうが良いなって思っていると、ちょうどサムゼンさん達が戻ってくる。サムゼンさん達はいないと思っていたディグリとミックに気づき一瞬ビクッとしたけど、すぐに気を持ち直して二体へ軽く頭を下げた後に僕の方へ近づいてきた。
「ヤート殿、王から許可が降りた。ラカムタ殿達といっしょに行くという条件を守ってもらえば地下に入ってもらって構わない」
「サムゼン殿、俺達はヤートと同行するつもりだったから安心してくれ」
「そうか……」
「サムゼンさん、何でそんなに安心してるの?」
「あ、いや、これはだな……」
「ヤート、地下に入る許可をもらったんだ。早く行こうぜ」
「……うん、わかった」
なんかモヤっとするけど地下への楽しみをあるから置いておく。サムゼンさんも僕の様子を見て部下の人達にうなずき目線で先に入るよう指示をした。地下の管理の人への伝達と状況確認という事か。
サムゼンさんの先導で地下へと足を踏み入れる。僕達がいるのは地下三階でそれまで見た各階の構造は、全面が金属張りで各階の入り口からまっすぐ奥へと通路が続き、その通路を挟むように収容や隔離のための部屋が並んでいるという一部屋の広さ以外は同じ構造だった。サムゼンさんによると地下一階は軽犯罪者の収容区域で、そこまで警備や扱いは厳しくなく一部屋は五人で余裕がある広さで照明も明るいし匂いも普通だ。
次に地下二階はひどい被害を出した重犯罪者が収監されているところで、一階下がるだけでこうも雰囲気が変わるのかっていうくらい地下一階とは違っていた。一部屋は一人用になり広さは多少歩き回れるくらいだ。収監されている奴らが醸し出してる雰囲気なのか換気ができてないのかわからないけど、階自体の空気がどこかねばっこく淀んでいる。まあ、正道を外れた奴ばかりならこういう感じになるのかもしれないね。
そして地下三階だけど、ここは地下二階よりもさらにひどい国家転覆級や都市壊滅級の犯罪をしたものが隔離される場所だ。はっきり言って環境は悪く、照明はほとんど無くて一部屋は人が寝れる広さしかない。それに地下三階に隔離されているもの達は、金属製の椅子に物理的に拘束され魔力の封印など考えられる限りの制限も行われていた。
「当たり前だけど厳重だね」
「ここにいるもの達は危険という言葉でしか表せないからだ」
「うん、それに強いね。普通ならこんな状況に置かれたら間違いなく壊れるのに、この人達はほんの少しでも隙ができたら食い破ってやろうとギラギラしてる」
「その通り。異質で何かしらに突出しているからこそ厄介極まりない連中だ」
サムゼンさんの声に苦いものが混じる。…………うん、界気化した魔力で記憶を読み取ってみたけど、誰一人自分のやった犯罪に対して後悔のかけらもない。気分は悪いけど冤罪がなくて良かったと安心していたら、サムゼンさんは奥へと進んでいく。
「もしかして一番奥?」
「地下に収監される場合、暗黙の決まりがある。それは、より凶悪なものほど、より奥へ、だ」
「なるほど」
奥へ行くほど、界気化した魔力で感じる気配に覚えのある奴らが多いと思った。一度界気化で調べたゼビリランとその一味か。改めて確認しながら歩いてると通路の奥のある部屋の前で人が立ってるのが見えてくる。あれは間違いなくサムゼンさんの部下で、あの部屋は間違いなくゼビリランのいる部屋だ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
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