神木さんちのお兄ちゃん!

雪桜 あやめ

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第7章 未来への一歩

第370話 女装と恋愛対象

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「橘さんの気持ちを、確認すらせず、なんて決めつけないであげてください!!」

「…………………」

 必死に訴えるあかりに、飛鳥はただひたすら沈黙する。

 これは、完全に隆臣が自分を好きだと思い込んでる。だが、隆臣から聞いたと言う証言は、一体どういうことだろう?

(もしかして、本当に?)

 あまりに力説するものだから、ちょっと自信がなくなってきた。

 確かに、あかりの言う通り、同性にも恋愛感情を抱かれたことがある。なぜなら、過去に数回、男子から告白でよびだされたことがあるからだ。

 だが、まさか、隆ちゃんも??

「えーと……ちょっと待っててね」
「え?」

 すると、このまま悩んでいても、埒が明かない!と、飛鳥はスマホを取り出し、手っ取り早く隆臣に聞いてみることにした。

 トゥルルル……

 だが、その後、電話をかけるが、隆臣はなかなか電話に出ず。

「神木さん?」

 すると、いきなり電話をかけだした飛鳥を、あかりが不思議そうに見つめた。

 そのあかりの顔を見ながら、なんともモヤモヤしたものが、飛鳥の心の中に駆け巡る。

 あかりは自分のことを、一切、恋愛対象としてみていない。

 むしろ、隆臣の恋を応援すらしている。
 これは、ある意味由々しき事態だ!

 ハッキリ隆臣に確認して、事実を突きつけてあげなければ、大変なことになりそう!

 トゥルルル……

 と、おもうのだが、その後もコール音は鳴り止まず。

(アイツ、なんで出ないの?)

 いや、わかってる。
 土日の隆ちゃんは、喫茶店でバイト中だ。

 出たくても、出れない。

(……仕方ないか)

 すると、飛鳥は渋々電話をきると、改めてあかりを見つめた。

「あのさ、はっきり言うけど」
「え?」

 あかりの目をみつめ、飛鳥は真っ直ぐに答える。

「俺が、好きなのはだよ」

「え?」

「例え、隆ちゃんが俺のことを好きだったとしても、俺のは女の子」

「……」

 俺の好きな人──それはまるで、今、好きな人がいるかのような、そんな意味合いにも聞こえた。

「そ、そうなんですね……じゃぁ、橘さんとは」

「付き合ってないよ。ちゃんと理解した?」

「……はい」

「そう。じゃぁ、他に聞いておきたいことは?」

「え?」

「これ以上、変な誤解されても困るし、気になることがあるなら、今聞いといて」

「そ、そうですね……じゃぁ、もうひとつ、確認してもいいですか?」

「うん。いいよ」

 ──まだ、なにかあるのか?

 そう思いつつも、この勘違い娘の誤解は、全て解いておきたい。そう思った飛鳥は、すぐさま了承した。……のだが

「神木さんて、があるんですか?」 

「ん?」

 だが、その瞬間、予想外な質問が返ってきて、飛鳥は瞠目する。

「え? 女装?」

「はい。実は、神木さんが、メイド服を着て、橘さんと一緒に遊んでいたと聞いて」

「…………」

 その言葉に、飛鳥は酷く狼狽えた。

 女装!
 しかも、メイド服!?

 たが、それには覚えがあった!

 遊園地のチケットを奢ってもらったお礼として、大河の望みを叶えた、あの時だ!!

「え! なんで知って!?」

「あ、やっぱり着たんですね、メイド服」

「……っ」

 だが、誤魔化すどころか墓穴を掘ってしまい、恥ずかしさで頬が赤らむ。

 ていうか、好きな女の子に、女装をしていたことがバレるなんて、どんな悪夢だ!? 

 しかも、寄りにもよってメイド服!!

「そ……それ、誰から聞いたの?」

「美里さんです」

 美里さぁぁぁぁん!!!
 なにやってんの!?

 ていうか、面接受けながら、なんの話してたんだ、この2人!?

 だが、残念なことに、美里にすこぶる弱い飛鳥は、美里だけは責められず。

「そ、そう……美里さんにね」

「はい、橘さんに、とも言っていて」

「あー……」

 うん、そういえば、押し倒されたな。

 でも、アレは、俺が滑って、隆ちゃんを巻き込んだだけなんだけどね?

「あの、メイド服を着て、男性に押し倒される遊びって一体……っ」

 あ、なんかとんでもない想像をされてる気がする。これは、しっかりていておかないと、やばい事になる!

 すると、飛鳥はすぐさま弁解する。

「た、確かに着たけど、別に女装が趣味ってわけじゃないよ! 押し倒されてのも、ただ一緒に転んだだけだし! それに、あれは、お願いされたから着ただけで……っ」

「お願い?」

「そうだよ。俺、高校生の時に劇で女装したことがあるんだけど、友達に、また女装姿が見たいって言われたから、着てあげただけで」

「それって、お願いしたら着てくれるんですか?」

「は?」

 瞬間、ちょっと変わった反応が帰ってきて、飛鳥は目を見開いた。

 だが、その後、思いの外、目を輝かせたあかりは

「だったら、!」

「ん?」

 その返事には、一瞬あっけに取られた。

 まさかまさかの、見てみたい!?
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