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第29話『シーラ幼稚園はじまるよー』②
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表情の読めない顔で、マイペースにそう呟くリズちゃんに私は苦笑いをしながら、リズちゃんのすぐ隣に座った。
幼女エルフと幼女が一緒に座った程度では、椅子に問題はない。
椅子には……。
「おい! リザベル! シーラ様にご迷惑をかけるとは、貴様! 何様のつもりだ!」
「リズ様」
「貴様ァ!」
「まぁまぁ。落ち着いてください。ラウル君」
私は何とか噛みつき合う二人をなだめながら、場を収める。
そして、一応リズちゃんに浮遊魔法を使って、ちゃんとした生徒の椅子に座ってもらうのだった。
非常に不満そうであったが。
ちなみに、この教室でいがみ合う二人は、おそらくこの中で最も才能がある二人であり、ゲームでは将来学園の教師となる存在である。
感慨深い。
まだまだ若いが、既に才能は輝いており、同年代はおろか、大人に混じってもおかしくないくらいの力を持っている恐ろしい子供たちだ。
まぁ、言うて、まだまだ可愛い姿なのだけれど。
「という訳で、実際に試してみましょうね。魔法は理論も大事ですが、実践も大事なので」
私はてくてくと教室の中を歩きながら、話をする。
子供たちが頑張って何もない所から水を生み出し、コップに入れようとしているのを見ながら。
「分からない事があれば、何でも聞いてくださいね」
前世での授業を思い出しながら、それと同じように私は先生の真似事をするのだった。
「はい! シーラ様」
「どうしました? ラウル君」
「見てください! 水を生み出す魔法が使えました」
「おー。素晴らしいですね。流石はラウル君です」
私は褒めて欲しいと顔に書いてあるラウル君の頭を撫でて、笑う。
そして、ラウル君は私に褒められた事で、心の底から嬉しそうに笑い、すぐ横に座っているリズちゃんを見て、ドヤる。
「なんだ? まだ出来ていないのか。リザベル。シーラ様にご迷惑をおかけしている割には、大した事無いんだな! ワッハッハ!」
「む」
「あ、リズちゃん。コントロールを」
「むー!! あっ」
リズちゃんがコップを見ながら魔法を使った瞬間、コップから水が一気に溢れ出し、机から床へと零れ……落ちて大惨事になる前に私が水を圧縮して、コップの中に適量落とす。
「……ふふん。出来た」
「シーラ様に助けてもらっておいて! 図々しいぞ!」
「ラウルはうるさい。お前なんて、ちょっとコントロールが上手いだけ。力は全然ない」
「力があれば良いってモンじゃないんだぞ! いつもいつもシーラ様にご迷惑をおかけして!」
「それでも、リズが困ってたら、助けてくれるから、良い」
「どこが良いんだどこが!」
幼女エルフと幼女が一緒に座った程度では、椅子に問題はない。
椅子には……。
「おい! リザベル! シーラ様にご迷惑をかけるとは、貴様! 何様のつもりだ!」
「リズ様」
「貴様ァ!」
「まぁまぁ。落ち着いてください。ラウル君」
私は何とか噛みつき合う二人をなだめながら、場を収める。
そして、一応リズちゃんに浮遊魔法を使って、ちゃんとした生徒の椅子に座ってもらうのだった。
非常に不満そうであったが。
ちなみに、この教室でいがみ合う二人は、おそらくこの中で最も才能がある二人であり、ゲームでは将来学園の教師となる存在である。
感慨深い。
まだまだ若いが、既に才能は輝いており、同年代はおろか、大人に混じってもおかしくないくらいの力を持っている恐ろしい子供たちだ。
まぁ、言うて、まだまだ可愛い姿なのだけれど。
「という訳で、実際に試してみましょうね。魔法は理論も大事ですが、実践も大事なので」
私はてくてくと教室の中を歩きながら、話をする。
子供たちが頑張って何もない所から水を生み出し、コップに入れようとしているのを見ながら。
「分からない事があれば、何でも聞いてくださいね」
前世での授業を思い出しながら、それと同じように私は先生の真似事をするのだった。
「はい! シーラ様」
「どうしました? ラウル君」
「見てください! 水を生み出す魔法が使えました」
「おー。素晴らしいですね。流石はラウル君です」
私は褒めて欲しいと顔に書いてあるラウル君の頭を撫でて、笑う。
そして、ラウル君は私に褒められた事で、心の底から嬉しそうに笑い、すぐ横に座っているリズちゃんを見て、ドヤる。
「なんだ? まだ出来ていないのか。リザベル。シーラ様にご迷惑をおかけしている割には、大した事無いんだな! ワッハッハ!」
「む」
「あ、リズちゃん。コントロールを」
「むー!! あっ」
リズちゃんがコップを見ながら魔法を使った瞬間、コップから水が一気に溢れ出し、机から床へと零れ……落ちて大惨事になる前に私が水を圧縮して、コップの中に適量落とす。
「……ふふん。出来た」
「シーラ様に助けてもらっておいて! 図々しいぞ!」
「ラウルはうるさい。お前なんて、ちょっとコントロールが上手いだけ。力は全然ない」
「力があれば良いってモンじゃないんだぞ! いつもいつもシーラ様にご迷惑をおかけして!」
「それでも、リズが困ってたら、助けてくれるから、良い」
「どこが良いんだどこが!」
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