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第48話『恋の予感』(レナ視点)③
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結局ナルシス君とぶつかってしまった後、私達は出会った魔物に敗北し、コピーシーラちゃんに助けられて学園に戻る事になった。
それでも、私達は結構上位だったらしく、私達よりも上に残っていたのは冒険者希望のチームくらいの物だった。
だから何だという話では無いけれど、野外研修の続きを学園で行っている間に、いくつものチームが帰ってくるのを見ると、私達ならもっと頑張れたのに。という思いが無くはない。
まぁ、結局私たちは途中で喧嘩をしてしまったからどうしようもないのだけれども。
そして、全てが終わり、私は寮にある自分の部屋に戻ってベッドに倒れ込んだ。
「……あー」
「どうしたの? レナ。ご機嫌ナナメじゃん」
「まぁーね」
「特別教室は野外活動に行ってたんでしょ? そこで何かあった感じ?」
「そう。あった感じ」
「駄目だこりゃ」
私はベッドにうつ伏せで倒れたままヤスミンに適当な返事をしていたのだが、ヤスミンは呆れた様な声を出しながら、私が寝ているベッドに座った。
「どうする? シーラ様、呼ぶ?」
「呼ばないで」
「あら。そりゃ珍しい。普段は何が何でも会いたいって言ってるのに」
「今日は会いたくない」
「反抗期かねぇ」
「そんなんじゃないよ」
そうだ。だってシーラちゃんは関係ないもの。
これは私が友達になれたかもしれない人と喧嘩をして駄目になってしまった。
ただ、それだけの話なのだから。
だから、あの人の事は忘れようと私は目をぎゅっと閉じた。
慰める様に私の背中を撫でるヤスミンの手の感触を感じながら。
そう。忘れるのだ。嫌な事は全部。
全部。
全部……。
それから私は何でもない日常を過ごし、穏やかな日々を過ごしていた。
今までと同じ様に。
いや、違うか。
以前は廊下ですれ違うだけで言い争いをしていたナルシス君とも、今はすっかり別々の道だ。
互いに姿を見つけても視線をかわす事もなく逸らしてゆく。
それが少し寂しい様な気もしたが、こんな風になってしまった時、どうすれば良いかも分からなかったから。
私はこのまま何も無かったと自分の心を偽って学校で生きていく事にしたのだ。
だというのに。
「ねぇ。聞いた? キッフレイ聖国の王子様。国が大変みたいよ」
「……今の話。どういう事!?」
どうして貴方は私の前に残り続けるのだろう。
それでも、私達は結構上位だったらしく、私達よりも上に残っていたのは冒険者希望のチームくらいの物だった。
だから何だという話では無いけれど、野外研修の続きを学園で行っている間に、いくつものチームが帰ってくるのを見ると、私達ならもっと頑張れたのに。という思いが無くはない。
まぁ、結局私たちは途中で喧嘩をしてしまったからどうしようもないのだけれども。
そして、全てが終わり、私は寮にある自分の部屋に戻ってベッドに倒れ込んだ。
「……あー」
「どうしたの? レナ。ご機嫌ナナメじゃん」
「まぁーね」
「特別教室は野外活動に行ってたんでしょ? そこで何かあった感じ?」
「そう。あった感じ」
「駄目だこりゃ」
私はベッドにうつ伏せで倒れたままヤスミンに適当な返事をしていたのだが、ヤスミンは呆れた様な声を出しながら、私が寝ているベッドに座った。
「どうする? シーラ様、呼ぶ?」
「呼ばないで」
「あら。そりゃ珍しい。普段は何が何でも会いたいって言ってるのに」
「今日は会いたくない」
「反抗期かねぇ」
「そんなんじゃないよ」
そうだ。だってシーラちゃんは関係ないもの。
これは私が友達になれたかもしれない人と喧嘩をして駄目になってしまった。
ただ、それだけの話なのだから。
だから、あの人の事は忘れようと私は目をぎゅっと閉じた。
慰める様に私の背中を撫でるヤスミンの手の感触を感じながら。
そう。忘れるのだ。嫌な事は全部。
全部。
全部……。
それから私は何でもない日常を過ごし、穏やかな日々を過ごしていた。
今までと同じ様に。
いや、違うか。
以前は廊下ですれ違うだけで言い争いをしていたナルシス君とも、今はすっかり別々の道だ。
互いに姿を見つけても視線をかわす事もなく逸らしてゆく。
それが少し寂しい様な気もしたが、こんな風になってしまった時、どうすれば良いかも分からなかったから。
私はこのまま何も無かったと自分の心を偽って学校で生きていく事にしたのだ。
だというのに。
「ねぇ。聞いた? キッフレイ聖国の王子様。国が大変みたいよ」
「……今の話。どういう事!?」
どうして貴方は私の前に残り続けるのだろう。
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