聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第20話『私たちは悲しいすれ違いがありましたが、その事で誰か恨んだり、憎んだりする事は無いですよ』②

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どうしたいのだろう。

私はどうありたいのだろう。

そういえば、かつて私の心を求めていた王も同じ様な事を言っていた気がする。

『アメリア。君の心はどこにある』

あの時は、何を言っているのだろうかと思っていたけれど、もしかしたら占い師さんと同じ様な事を聞きたかったのかもしれない。

アルマも、シャーラも、出会ってきた多くの人たちも、皆、私に何かを求めていた。

いや、違うのか。

私が、何を求めているのか気になっていた。

でも、私の心は変わらない。

私は……。

『アメリア。君は私たち人を恨んでいるだろう』

『いえ』

『そうか。それはそれで寂しい物だな』

『そうなのですか?』

『それはそうさ。知っているか? アメリア。心とは不思議な物でな。愛情に相対する感情は憎しみではなく、無関心なのだそうだ』

『無関心……』

『そうだ。つまり、これから私は君の心を反対側まで持っていかねばならないようだ』

『それは、大変ですね』

『く、はははは。本当に、涙が出るほどに悔しいよ。君が人であれば良かったと思わない日はない』

『人であれば……?』

『そうさ。例えどの様な生まれでも良い。君が人として生まれていたのであれば、同じ時間を共有出来た。同じ様に喜び、怒り、哀しみ、楽しんだのであろう。それが私は悔しく思うよ』

『……同じ様に』

『しかし、まぁ君が女神であったからこそ、こうして出会う事が出来ているのだから、そこに文句を言うべきでは無いな』

『はぁ』

『という訳だ。せめて私が死ぬまでに君の記憶に残れるくらいには努力してみせよう。人とはこの様に良い物なのだと知ってもらう為にね』

暗い闇に閉ざされた部屋の中で、私にそう言った王はどの様な人であっただろうか。

独特な人だった様に思う。

顔も、名前も思い出せないけれど……それでも、あの王の言葉があったからこそ、私はアルマを抱きしめようと思ったのだ。

それだけは間違いない。

だから……。

「私は、私の気持ちは変わりませんよ。大切な人が生きていた、そして生きてゆくこの世界を護りたい。ただそれだけです。それ以上の何かなんてありませんよ」

「……」

「お話はこれで終わりですか?」

「……あぁ、そうだね。僕は、ただそれだけだ」

「では元の部屋に帰りましょうか」

「そうだね」

そして私は、占い師さんに再びリアムさん達が居る部屋に転移してもらうのだった。
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