113 / 198
第36話『すぐ良くなりますからね。苦しいのも、痛いのも、もう終わりです。終わっても良いんですよ』①
しおりを挟む
マルコさんと共に無事地上へ帰り、リアムさん達へ風の精霊と最上位契約を結んだという話をすると、リアムさんはやや呆れた様な表情をしながら私の頭を軽く三度叩いた。
そして、次なる精霊を求めて私たちはオークさん達に情報を聞く。
「ふむ。強い火の精霊が居る所か。なら、テナシア山脈の辺りにドワーフ共が住んでいてな。ソイツらなら何か知ってるかもしれん。奴らは火口近くで生活しているからな」
「わざわざありがとうございます」
「いや。構わん。色々と面白い話を聞かせて貰ったしな」
「来年もまた来ると良い。今度はマルコの船に乗りな」
「はい! その時は是非! では、マルコさん! またお会いしましょう!」
「……あぁ」
私たちはそれから草原を離れ、飛行機に乗った時い見えたドラゴンの多く住むという山へ向かう事にした。
オークさんの住んでいた草原を離れ、一日ほど歩いて、私たちは山の近くにある人間の村にたどり着いた。
その村の近くで大物の魔物を討伐したからか、私たちは村の人たちに歓迎され、倒した魔物の肉を共に食べながら宴会を行うのだった。
「いやー。まさか聖人様御一行だったとは! 長生きはするものですな!」
「これから闇を封じる為に世界の果てまで向かわれるのでしょう? 是非この村でゆっくりと休んでください」
「お肉も沢山食べて!」
「こらこら。これは聖人様に倒していただいた魔物の肉だろう?」
「あ、そうでした!」
「「ワハハハハハ」」
何とも賑やかな村の人たちに私たちは笑顔を返しながら、この場を楽しんでいた。
しかし、どんな時間にも終わりは来るもので。
すっかり夜も遅くなった時間に、宴会は終わりへと向かい、私たちは食後のお茶を頂いてのんびりとしているのであった。
「あまり、大きな村ではないモノですから。良い宿は用意出来ませんが、ゆるりと休んでください」
「いや。ありがたい。最近はずっと野宿だったからな。貸していただけけて感謝している」
「おぉ、それは大変でしたな」
「それが使命だからな」
いつも通り、ぶっきらぼうな態度で話すリアムさんだったが、村の長と思われる人は特に気にした様子も見せずニコニコと笑っているのだった。
しかし、そんな笑顔が不意に無表情へ変わる。
「あー。一つ言い忘れておりました。この村の外れに、小さな家があるのですが、そこには決して近づかぬよう」
「何かあるのか?」
「はい。それはそれは恐ろしい病にかかった娘がおります。両親はその恐ろしさからあの子供を捨てました。そして我らも同じ村に住むという事で、食料の援助等は行っておりますが、近づくだけで体を蝕むその病に我らはそれ以上何も出来ません。どうか聖人様方も決して近づかれぬよう、よろしくお願いいたします」
私は窓の外に目を向けながら、村の中がどうなっていたか考える。
そして、おそらく家があると思われる場所を頭の中に描いて、また視線を部屋の中に戻した。
「あぁ。了解した。俺たちは近づかん。お前らも良いな?」
「あぁ。女の子が苦しんでるってのは見過ごせないが、やるにしても封印の後だな」
「そういう事だ。分かったな? アメリア」
「はい! 分かっています!」
「……なら、良い。そういう訳だ。俺たちは近づかん。だが、旅が終わってからはその病を癒す方法を俺たちも探そう」
「おぉ……! 何と言う。心まで素晴らしい方々なのでしょう。オリヴィアもこれできっと救われます」
オリヴィアちゃんか。
私はその名前を心に刻み込んで、小さく頷いた。
そして、次なる精霊を求めて私たちはオークさん達に情報を聞く。
「ふむ。強い火の精霊が居る所か。なら、テナシア山脈の辺りにドワーフ共が住んでいてな。ソイツらなら何か知ってるかもしれん。奴らは火口近くで生活しているからな」
「わざわざありがとうございます」
「いや。構わん。色々と面白い話を聞かせて貰ったしな」
「来年もまた来ると良い。今度はマルコの船に乗りな」
「はい! その時は是非! では、マルコさん! またお会いしましょう!」
「……あぁ」
私たちはそれから草原を離れ、飛行機に乗った時い見えたドラゴンの多く住むという山へ向かう事にした。
オークさんの住んでいた草原を離れ、一日ほど歩いて、私たちは山の近くにある人間の村にたどり着いた。
その村の近くで大物の魔物を討伐したからか、私たちは村の人たちに歓迎され、倒した魔物の肉を共に食べながら宴会を行うのだった。
「いやー。まさか聖人様御一行だったとは! 長生きはするものですな!」
「これから闇を封じる為に世界の果てまで向かわれるのでしょう? 是非この村でゆっくりと休んでください」
「お肉も沢山食べて!」
「こらこら。これは聖人様に倒していただいた魔物の肉だろう?」
「あ、そうでした!」
「「ワハハハハハ」」
何とも賑やかな村の人たちに私たちは笑顔を返しながら、この場を楽しんでいた。
しかし、どんな時間にも終わりは来るもので。
すっかり夜も遅くなった時間に、宴会は終わりへと向かい、私たちは食後のお茶を頂いてのんびりとしているのであった。
「あまり、大きな村ではないモノですから。良い宿は用意出来ませんが、ゆるりと休んでください」
「いや。ありがたい。最近はずっと野宿だったからな。貸していただけけて感謝している」
「おぉ、それは大変でしたな」
「それが使命だからな」
いつも通り、ぶっきらぼうな態度で話すリアムさんだったが、村の長と思われる人は特に気にした様子も見せずニコニコと笑っているのだった。
しかし、そんな笑顔が不意に無表情へ変わる。
「あー。一つ言い忘れておりました。この村の外れに、小さな家があるのですが、そこには決して近づかぬよう」
「何かあるのか?」
「はい。それはそれは恐ろしい病にかかった娘がおります。両親はその恐ろしさからあの子供を捨てました。そして我らも同じ村に住むという事で、食料の援助等は行っておりますが、近づくだけで体を蝕むその病に我らはそれ以上何も出来ません。どうか聖人様方も決して近づかれぬよう、よろしくお願いいたします」
私は窓の外に目を向けながら、村の中がどうなっていたか考える。
そして、おそらく家があると思われる場所を頭の中に描いて、また視線を部屋の中に戻した。
「あぁ。了解した。俺たちは近づかん。お前らも良いな?」
「あぁ。女の子が苦しんでるってのは見過ごせないが、やるにしても封印の後だな」
「そういう事だ。分かったな? アメリア」
「はい! 分かっています!」
「……なら、良い。そういう訳だ。俺たちは近づかん。だが、旅が終わってからはその病を癒す方法を俺たちも探そう」
「おぉ……! 何と言う。心まで素晴らしい方々なのでしょう。オリヴィアもこれできっと救われます」
オリヴィアちゃんか。
私はその名前を心に刻み込んで、小さく頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
追放された聖女は旅をする
織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。
その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。
国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました
小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。
しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!?
助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、
「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。
幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。
ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく!
ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました
藤原遊
ファンタジー
魔力不足、財政難、人手不足。
逃げ場のない没落領地を託された転生令嬢は、
“立て直す”以外の選択肢を持たなかった。
領地経営、改革、そして予想外の縁。
没落から始まる再建の先で、彼女が選ぶ未来とは──。
※完結まで予約投稿しました。安心してお読みください。
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる