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不安要素・一華
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千尋と別れた後、ルイにさっきの封筒のことを尋ねた。
「それは俺じゃないな。俺が余計なことしないのは知ってるだろう?」
「そうね。じゃあ誰が……」
「見張ろうか?」
「そうねえ……」
即答できなかった。
それが確実だが、ルイにはいろいろやってもらうことがある。どうしようか?
「今まで千尋を見ていて、誰かがつけ回してたり、家の周りを窺うようなことはあった」
「いや。俺がいた範囲では見たことがないな」
「そう……」
ルイには千尋と村重が会っているところを監視してもらわないとならない。
千尋に対して能動的なアクションが成されてない今なら、まだ緊急ではないと見ていいかも。
「いいわ。今まで通りにして」
「わかった」
運転するルイの横顔に目をやった。
ルイは私と出会ったことで、人生が変わった。
私はルイを引き取ってから毎晩洗脳した。
安定剤とライトを使い、朦朧とした意識に私を刷り込んでいく。
繰り返すうちにルイは私の崇拝者になった。
このことは誰にも話していない。
そこでさっきの会話を思い出した。
私は千尋にルイとの出会いを正直に言う必要はなかったのではないか。
今になって僅かな不安の波紋が広がる。
「どうかした?俺の顔見つめてるけど」
ルイが前を見ながら聞いてきた。
「さっき千尋にあなたとの馴れ初めを聞かれてね。それで思い出していたの。会ったころを」
「行倒れのアル中を助けたって」
笑いながら聞くルイ。
「ええ。それだけ話しといた」
「これからどこかへ行く?」
「家に帰りましょう」
ルイは返事をすると高速の入口に進路を変えた。
その晩は千尋からもらったトマトでサラダを作った。
格別な味だった。
「それは俺じゃないな。俺が余計なことしないのは知ってるだろう?」
「そうね。じゃあ誰が……」
「見張ろうか?」
「そうねえ……」
即答できなかった。
それが確実だが、ルイにはいろいろやってもらうことがある。どうしようか?
「今まで千尋を見ていて、誰かがつけ回してたり、家の周りを窺うようなことはあった」
「いや。俺がいた範囲では見たことがないな」
「そう……」
ルイには千尋と村重が会っているところを監視してもらわないとならない。
千尋に対して能動的なアクションが成されてない今なら、まだ緊急ではないと見ていいかも。
「いいわ。今まで通りにして」
「わかった」
運転するルイの横顔に目をやった。
ルイは私と出会ったことで、人生が変わった。
私はルイを引き取ってから毎晩洗脳した。
安定剤とライトを使い、朦朧とした意識に私を刷り込んでいく。
繰り返すうちにルイは私の崇拝者になった。
このことは誰にも話していない。
そこでさっきの会話を思い出した。
私は千尋にルイとの出会いを正直に言う必要はなかったのではないか。
今になって僅かな不安の波紋が広がる。
「どうかした?俺の顔見つめてるけど」
ルイが前を見ながら聞いてきた。
「さっき千尋にあなたとの馴れ初めを聞かれてね。それで思い出していたの。会ったころを」
「行倒れのアル中を助けたって」
笑いながら聞くルイ。
「ええ。それだけ話しといた」
「これからどこかへ行く?」
「家に帰りましょう」
ルイは返事をすると高速の入口に進路を変えた。
その晩は千尋からもらったトマトでサラダを作った。
格別な味だった。
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