私の心臓をつかむあなたの手が冷たくも温かい~収穫祭~

秦江湖

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排除・千尋

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再び二階から様子を見ていると、早速、物好きなお隣さんがお隣さんを呼んで外に出てくると、小野寺に声をかけた。

一人はスマホで撮影している。


私がなにごとかと思って様子を見に来た風を装って外に出ると、小野寺を囲む主婦はさらに一人増えていた。


警察手帳を見せてなにか話している小野寺と目が合った。


「小野寺さんでしたか。不審者がいると聞いたのでみんなに教えたんですけど、不審者って小野寺さんだったんですね」

私は満面の笑みを向けた。

「いや、これは参りましたな」

小野寺が短く刈り込んだ頭をかく。


「橋本さん、この方知っているの?」

「ええ。例の連続失踪事件を調べている刑事さん。被害者が私の同級生だったので、一度家に来られたの」

私はお隣さんの問いに答えてから小野寺に言った。

「今日も事件の捜査ですか?」

「いえ、今日は別件でして、もちろん橋本さんには関係ないです」

「ではどうしてここに?」

「それは捜査上のことでして」


歯切れの悪い回答。これで確信した。これは正式な捜査活動ではない。


「わかった!私の家に変な手紙が来てるから、その捜査ですか?でもおかしいなあ、それは警視庁の滝川さんに相談したのに、どうして所轄の小野寺さんが?もしかしてそれとも違います?こんなところで見張っているから私はてっきり」


その場にいた全員が小野寺に疑惑の目を向けたとき、パトカーが到着した。

警察官が降りてきて小野寺に声をかけると、小野寺は手帳を見せてなにやら話し出した。


その様子を見ていると、思った通り正式な捜査ではないようだ。

さらに自転車に乗った警察官も来て、野次馬も増えて一時騒然となった。

小野寺は私たちに騒がせたことを謝罪すると、パトカーに乗ってきた警察官と一緒にこの場を去った。



自転車に乗ってきた警察官が集まったみんなをなだめるように説明しているが、しばらくは収まらなかった。


私の方も事件のことを親しいご近所さんに改めて説明しなくてはならず、想定はしていたけど面倒くさかった。

面倒くさかったが、あの小野寺に一泡吹かせてやることができた。


あれは疑っている。友人を亡くし、ストーカー被害にまであっている私を過去の印象だけで疑っている。


小野寺に対して強い衝動が湧き上がるのを感じた。



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