私の心臓をつかむあなたの手が冷たくも温かい~収穫祭~

秦江湖

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殺害・千尋

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ホテルへ戻り同窓会の通知をメモした手帳を開いた。

返信先は津島由利。

住所から察するに実家ではないようだ。


一華をいじめていたクラスメイトで唯一生きている由利。

同窓会を一華に知らせたのも由利。

間違いない。由利と一華はそれ以前から繋がりがある。


多分、中学のときからだろう。

騎士がルイ君で、ジョーカーが由利か。


「一華ちゃん……私に内緒でこんな札を隠していたなんてね」


思わず口の端がつり上がった。



津島由利……。

こいつは致死量の毒薬だ。

私の一華の、実も葉も、根まで腐らせる毒薬。

私と一華の間に入りこむ邪魔者。



準備を整えると、すぐに外出した。

目的地は由利の家だ。


電車が帰宅時間にぶつかって混んでいるのには辟易するが、どうしても夜の状態を見ておく必要があった。
昼間の状態は明日見にいけばいい。

電車に中から一華にLINEでメッセージを送った。

内容は近所にバラまかれた村重との写真と庭のことに関係しているのかどうかというものだった。

そして今は家を出てホテルにいるということも書いておいた。

場所を伝えるのは不自然だが、一華は私のSNSもチェックしているだろうから、そちらにさっき頼んだケーキの写真をホテル名と一緒に載せておいた。



電車を降りてからGoogleを頼りに由利の家まで辿り着いた。

防犯カメラの類はない。

周りを歩いてみると、さして人通りも多くない。


マンションの中に入り、同窓会の通知にある部屋番号とポストを照らし合わせてからで由利の部屋へ行った。部屋は二階の角にあり、外から見る分には明かりが消えていて、時間的に帰宅前ということが分かった。

ここまでの道のりで防犯カメラは見当たらなかった。


「今晩にしてしまおうかな」と、思いながら駅に戻ると、ちょうど目の前にカフェがある。ここなら駅から出てくる人をみることができる。ここで由利を待つことにした。


店に入って一時間後に駅から出てくる由利を見た私は、店を出ると後を追った。


由利は途中でコンビニに入っていったので、そのまま追い抜いてマンションに着くと由利の部屋の前で待った。

やがてエレベーターが動き出し、二階に止まると由利が降りてきた。


「こんばんは!」


満面の笑みを向けて由利に声をかけた。


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