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本編
6 二日目 夜
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そのまま午後も森を動き回ることになった。
今度は僕は真ん中あたりに入り、ガルフ様とレオン様が先頭、後をヴァネッサ様がついて進むのだが……この人たち、とんでもなく強い。
僕の鉄棒の威力を『ポコン』だとしたら、ガルフ様の盾は『ドカンッ!』と爆発でもしたかのような威力で敵を吹き飛ばす。
レオン様の剣はパスン、キンッ!と小気味よい音をたてて、まるで紙でも切っているように軽やか。
ゴブリンのちょっとした集落なんか、ヴァネッサ様の落とした小隕石で瞬く間に壊滅し、同情を禁じ得ない程。
「……みなさま、僕なんか要らないのでは……?」
と、そう僕が呟いてしまったのも仕方のないことだ。だってあんまりに楽勝な様子を見てしまったもの。
「まさか!今はフェリスくんに良いところを見せようと思って少し格好を付けすぎただけだ。ははっ、いつもはもっと怪我をしているのだけどね」
「とてもそんなふうには見えません!みなさま、本当に格好良いです!」
「ああっ……浄化されるわ……!ああんっ、あたくし、もっと褒められたい……!」
「頑張ることだな。フェリス、盾役は本当に身体を傷めることが多いからな。即座に癒してもらえると思えばこそ、強気で前に出れるんだ」
そうなのか……。そっか。南方の迷宮踏破を目指すなら、今後はもっと強い魔物と戦うことになるのか。
皆さんが怪我をするなんて、想像すらしたくない。無事に帰ってきて欲しい。
その時、僕は……何をしているのだろう。
夕方になって帰ってくると、村の人たちは僕に向かって一目散に駆けてきて、勇者様たちから引き剥がした。
家に押し込まれ、『もう家から出るな!明日は謹慎していろ!』と言いつけられてしまった。
「そんな……!勇者様たちは、」
「こちらでもてなす。お前はもう会うんじゃない」
「アノン!村長に言ってよ、あの人たちはとても良い人たちなんだ……!」
「……もう洗脳されたのか。クソッ!絶対に許さない……!」
「アノン!」
バタン。僕の部屋の扉を閉められ、更に、カンカンと板を張り付けられる音がする。
本格的に外へ出さない気だ。窓すら板で固定されてしまった。
扉の向こうが静まって、お母様の声がした。
『ごめんよ、フェリス。……今は人目があるけど、夜になったら、外してあげるからね。勇者様たちに会いたいんだろう?』
「お母様……っ!」
会いたい。あの楽しくて強くて、優しい三人に会いたい。
会いたいけど……僕は、一緒には行けないんだ。会いに行ったって、何も出来ない。
そう思えば、お母様が危険を冒すことなど勧められなかった。
「お母様、いいのです。僕が、勝手なことをしたから……、おとなしくしておけば、皆んなも納得してくれるでしょう」
『あんた……、馬鹿な子だね。あんたが納得しなくちゃ、なんの意味もないんだよ』
「……いいんです。僕は、僕は……お母様たちが何か言われる方が辛いから!」
それきり、僕は寝台へ潜った。泣いてなんかいない。僕は、人を傷付けてまで、自分の道なんか選べない。
固定されているはずの、窓がふと明るくなった。
板を外されたらしい。ぼんやりと浮き上がるのは、やはり、何度もみたアノンのシルエット。
今日のアノンは昨日以上に怒っていた。怖くて堪らないけど、彼にされるがままに手を引かれ、またあの村の隅へと連れていかれる。
「フェリス。どういうつもりだ?まさか、絆されたんじゃないだろうな。俺というものがいるのに!」
「ち、違うよ!だって、勇者様たちだよ?この村に来る前は、みんな『すごい人だ』って言ってたじゃないか!それなのに……っ」
「だからなんだ?お前を連れて行こうとする不届者だ。守ってやっているのに、何故気付かない!」
アノンはものすごい力で僕の服を破いた。雑巾みたいにぼろぼろになった服で両腕を縛られて、呆気に取られるうちに、アノンは僕を上から押さえつけ、早急に陰茎をずっぷりと差し込んだ。
「ひぐっ!いっ……~~!」
「あの顔の良さか?金か?そんなものでお前は俺を捨てるのか?」
「ちが……あああ!」
ぶちぃっ!と縁が切れた。激痛に声が漏れると、アノンの手で口を塞がれる。苦しい!
その状態で、怒りをぶつけるように、何度も何度も犯される。頬や胸が地面にこすれて痛いし、無理やり乗られて腕も動かせないためにどこかがおかしくなりそう。
草の潰れた青臭い臭い。それから、アノンの汗と、鼻につく精液の臭い。
気持ち、悪い。
「あいつらに着いていったら、俺は今度こそ死を選ぶ。お前がいないなんて耐えられない。死んだ方がマシだ」
「そん、な……こと、言わないで……っ」
「お前がふらふらしているからだ。いいか?あいつらだって、村からフェリスを引き離したらすぐに態度を変えるぞ。フェリスを性奴隷みたいに扱うかもしれないし、迷宮の中で捨てられるかもしれない」
「……っ」
そんな、酷いことを。
僕の大好きな人たちを、貶さないで欲しい。
「分かったなら、明日は家にいるんだ」
涙や汗や白濁で全身を汚した僕は、怒ったままのアノンの背中をぼうっと見ていた。
家に……帰らないと。
今度は僕は真ん中あたりに入り、ガルフ様とレオン様が先頭、後をヴァネッサ様がついて進むのだが……この人たち、とんでもなく強い。
僕の鉄棒の威力を『ポコン』だとしたら、ガルフ様の盾は『ドカンッ!』と爆発でもしたかのような威力で敵を吹き飛ばす。
レオン様の剣はパスン、キンッ!と小気味よい音をたてて、まるで紙でも切っているように軽やか。
ゴブリンのちょっとした集落なんか、ヴァネッサ様の落とした小隕石で瞬く間に壊滅し、同情を禁じ得ない程。
「……みなさま、僕なんか要らないのでは……?」
と、そう僕が呟いてしまったのも仕方のないことだ。だってあんまりに楽勝な様子を見てしまったもの。
「まさか!今はフェリスくんに良いところを見せようと思って少し格好を付けすぎただけだ。ははっ、いつもはもっと怪我をしているのだけどね」
「とてもそんなふうには見えません!みなさま、本当に格好良いです!」
「ああっ……浄化されるわ……!ああんっ、あたくし、もっと褒められたい……!」
「頑張ることだな。フェリス、盾役は本当に身体を傷めることが多いからな。即座に癒してもらえると思えばこそ、強気で前に出れるんだ」
そうなのか……。そっか。南方の迷宮踏破を目指すなら、今後はもっと強い魔物と戦うことになるのか。
皆さんが怪我をするなんて、想像すらしたくない。無事に帰ってきて欲しい。
その時、僕は……何をしているのだろう。
夕方になって帰ってくると、村の人たちは僕に向かって一目散に駆けてきて、勇者様たちから引き剥がした。
家に押し込まれ、『もう家から出るな!明日は謹慎していろ!』と言いつけられてしまった。
「そんな……!勇者様たちは、」
「こちらでもてなす。お前はもう会うんじゃない」
「アノン!村長に言ってよ、あの人たちはとても良い人たちなんだ……!」
「……もう洗脳されたのか。クソッ!絶対に許さない……!」
「アノン!」
バタン。僕の部屋の扉を閉められ、更に、カンカンと板を張り付けられる音がする。
本格的に外へ出さない気だ。窓すら板で固定されてしまった。
扉の向こうが静まって、お母様の声がした。
『ごめんよ、フェリス。……今は人目があるけど、夜になったら、外してあげるからね。勇者様たちに会いたいんだろう?』
「お母様……っ!」
会いたい。あの楽しくて強くて、優しい三人に会いたい。
会いたいけど……僕は、一緒には行けないんだ。会いに行ったって、何も出来ない。
そう思えば、お母様が危険を冒すことなど勧められなかった。
「お母様、いいのです。僕が、勝手なことをしたから……、おとなしくしておけば、皆んなも納得してくれるでしょう」
『あんた……、馬鹿な子だね。あんたが納得しなくちゃ、なんの意味もないんだよ』
「……いいんです。僕は、僕は……お母様たちが何か言われる方が辛いから!」
それきり、僕は寝台へ潜った。泣いてなんかいない。僕は、人を傷付けてまで、自分の道なんか選べない。
固定されているはずの、窓がふと明るくなった。
板を外されたらしい。ぼんやりと浮き上がるのは、やはり、何度もみたアノンのシルエット。
今日のアノンは昨日以上に怒っていた。怖くて堪らないけど、彼にされるがままに手を引かれ、またあの村の隅へと連れていかれる。
「フェリス。どういうつもりだ?まさか、絆されたんじゃないだろうな。俺というものがいるのに!」
「ち、違うよ!だって、勇者様たちだよ?この村に来る前は、みんな『すごい人だ』って言ってたじゃないか!それなのに……っ」
「だからなんだ?お前を連れて行こうとする不届者だ。守ってやっているのに、何故気付かない!」
アノンはものすごい力で僕の服を破いた。雑巾みたいにぼろぼろになった服で両腕を縛られて、呆気に取られるうちに、アノンは僕を上から押さえつけ、早急に陰茎をずっぷりと差し込んだ。
「ひぐっ!いっ……~~!」
「あの顔の良さか?金か?そんなものでお前は俺を捨てるのか?」
「ちが……あああ!」
ぶちぃっ!と縁が切れた。激痛に声が漏れると、アノンの手で口を塞がれる。苦しい!
その状態で、怒りをぶつけるように、何度も何度も犯される。頬や胸が地面にこすれて痛いし、無理やり乗られて腕も動かせないためにどこかがおかしくなりそう。
草の潰れた青臭い臭い。それから、アノンの汗と、鼻につく精液の臭い。
気持ち、悪い。
「あいつらに着いていったら、俺は今度こそ死を選ぶ。お前がいないなんて耐えられない。死んだ方がマシだ」
「そん、な……こと、言わないで……っ」
「お前がふらふらしているからだ。いいか?あいつらだって、村からフェリスを引き離したらすぐに態度を変えるぞ。フェリスを性奴隷みたいに扱うかもしれないし、迷宮の中で捨てられるかもしれない」
「……っ」
そんな、酷いことを。
僕の大好きな人たちを、貶さないで欲しい。
「分かったなら、明日は家にいるんだ」
涙や汗や白濁で全身を汚した僕は、怒ったままのアノンの背中をぼうっと見ていた。
家に……帰らないと。
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