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「スミレっ!!お前は何てことをしてくれたんだっ!!相手は第2王子だぞっ!?少しくらい我慢出来なかったのか!?」
「何てことも何もいきなり抱きついてくる奴なんか、強制わいせつ罪で捕まえてやればいいんだ。何で私が我慢などしなくてはいけないんだ?おかしいだろっ!?」
ふんっ!!
1時間ほど前、歓迎パーティーに賊が侵入し、自警団・騎士達で賊を退治した直後、スミレはガイナード殿下に抱きしめられたのだ。
スミレはとっさに身を守る為、無防備な相手の鳩尾に拳をクリティカルヒットさせ、怯んだ隙に股間を蹴り上げたのだった。
「大体、『マイ エンジェル』って何だ!?目腐ってるのか?頭沸いてるのか!?そんなおかしな奴が王子って、この国大丈夫なのかっ!?」
執務室で父とスミレがギャーギャーと騒いでいるとデイジーがやってきた。この部屋にデイジーが来るのは珍しい。
「お2人とも、よろしいでしょうか?」
「ああっ?何、デイジー。よろしくないけど、話しは聞く」
「ふふっ、お姉様ったら。私昨日番の話しをしましたわよの?お姉様はガイナード殿下の番なんじゃありませんの?ほら、甘い匂いがするって仰ってたじゃありませんか?それにガイナード殿下の『マイ エンジェル』発言。ふふっ、お出迎えに行った時には騎士らしく硬派な印象でしたのに、情熱的な方のようね?お姉様は恋愛事に関しては全くなので、押された方がよろしいのかもね?」
うふふっ、とデイジーは楽しそうだ。
「番だとっ!?冗談じゃない!!」
私は思わず叫び、旅の用意をし、馬で屋敷を後にした。
番、番だとっ!?
何とか逃げ切ればいいのかっ!?
しばらく身を潜めれば諦めるかっ!?
スミレは夜通し馬を走らせ、王都に向かった。身を隠すなら1番人が多い所だろう。
王都なら何度か来た事もあるし、兄も王都の騎士団勤めだ。何かあった際には頼りにはあまりならないが、頼ることも出来る。しばらくは宿を転々としよう。
明け方王都に着いたスミレは余り高くないがそれなりに綺麗な宿を取り、疲れた身体を休める事にした。
「何てことも何もいきなり抱きついてくる奴なんか、強制わいせつ罪で捕まえてやればいいんだ。何で私が我慢などしなくてはいけないんだ?おかしいだろっ!?」
ふんっ!!
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スミレはとっさに身を守る為、無防備な相手の鳩尾に拳をクリティカルヒットさせ、怯んだ隙に股間を蹴り上げたのだった。
「大体、『マイ エンジェル』って何だ!?目腐ってるのか?頭沸いてるのか!?そんなおかしな奴が王子って、この国大丈夫なのかっ!?」
執務室で父とスミレがギャーギャーと騒いでいるとデイジーがやってきた。この部屋にデイジーが来るのは珍しい。
「お2人とも、よろしいでしょうか?」
「ああっ?何、デイジー。よろしくないけど、話しは聞く」
「ふふっ、お姉様ったら。私昨日番の話しをしましたわよの?お姉様はガイナード殿下の番なんじゃありませんの?ほら、甘い匂いがするって仰ってたじゃありませんか?それにガイナード殿下の『マイ エンジェル』発言。ふふっ、お出迎えに行った時には騎士らしく硬派な印象でしたのに、情熱的な方のようね?お姉様は恋愛事に関しては全くなので、押された方がよろしいのかもね?」
うふふっ、とデイジーは楽しそうだ。
「番だとっ!?冗談じゃない!!」
私は思わず叫び、旅の用意をし、馬で屋敷を後にした。
番、番だとっ!?
何とか逃げ切ればいいのかっ!?
しばらく身を潜めれば諦めるかっ!?
スミレは夜通し馬を走らせ、王都に向かった。身を隠すなら1番人が多い所だろう。
王都なら何度か来た事もあるし、兄も王都の騎士団勤めだ。何かあった際には頼りにはあまりならないが、頼ることも出来る。しばらくは宿を転々としよう。
明け方王都に着いたスミレは余り高くないがそれなりに綺麗な宿を取り、疲れた身体を休める事にした。
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