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今日は朝から姉の結婚式に行き、代わりに嫁ぐ事になった。バタバタと新居に連れて行かれ、そして今ーーー。広いダイニングで1人ぼっちの夕食だ。
グレイン様はソフィアと別れた後、騎士団に行ったとベンから聞いた。
いつもなら、家族4人で主にカレンがギャーギャー騒いでいる時間帯だ。それなのに、1人で食べる食事は、豪勢ではあるが味気ない。
「ソフィア様、お口に合いませんか?」
食事をサーブしてくれる者が、ソフィアがあまり食が進んでいないのを見て声をかける。
「いいえ、とても美味しいのだけど。1人で食べるのに慣れていなくて」
「左様でございますか。公爵様は毎日遅くのお戻りですので・・・」
「ええ、聞いています。気にしないで」
ようやく食べたお皿を下げられ、次の料理が準備された。
あまり進まない食事ではあったが、朝以降まともに食事をしていなかったので、完食し自分の部屋に戻ってきた。湯浴みをし、さて、どちらのベッドで寝るべきか?夫婦のベッドか自分の部屋か・・・。
う~ん、世間一般で言う初夜だから夫婦のベッドかしら?とりあえずはコッチで寝ておこう。
翌朝起きると、隣に人が寝た形跡はあったが、グレイン様本人はいなかった。寝ていた辺りも冷たくなっていた。ソフィアの着衣も通常の寝乱れ程度だ。
朝もダイニングで1人の朝食。しかし、先程まではグレイン様はコーヒーを飲んでいたらしい。それなら明日から少し早く起きればグレイン様に会えるかもしれない。ベンにグレイン様の朝の行動を聞き、明日からは朝食を共にすべく、朝起きる宣言をしたのだった。ベンには苦笑いされたけど。
さて、午前中やる事がない。
ベンを呼び、
1、男爵家にいた頃と同じように教会と孤児院に、パンや焼き菓子を作って差し入れしたい事
2、友達と街でお茶をしたり買い物をしたい事
3、ラインハルト家について知りたい
と、3点をお願いした。
すると、1,2についてはラインハルト家の馬車があるので、ソレを使い、侍女を1人つけるのであれば構わない。3については、ベンが教えてくれる事になった。
「じゃあ、今日の午後から教会・孤児院に行ってもいいかしら?毎週月曜日の午後に行っていたの。簡単なクッキーを焼きたいのだけど」
「分かりました、今から厨房を使えるように指示し、馬車も午後使えるように言っておきます」
午前中にナッツ入りクッキーを作り、午後には孤児院にやってきた。月曜日の午後、この孤児院には親友の子爵令嬢もやってくるのだ。孤児たちの相手をしつつ、自分達もおしゃべりするのが、いつのこれからか習慣になっていた。
「ちょっとソフィア!!あなた、カレンがやらかしたせいでお嫁に行ったってホントなの!?説明しなさいよっ」
顔を見るなりサリューが詰め寄ってくる。
「さ、サリュー、ご機嫌よう。昨日のカレンの結婚式にカレンが来なくてね?親戚に取り敢えず式は代理でやれって言われて、式を挙げたら相手に私が結婚相手でもいいって言われちゃって。双子だから顔は一緒だしね?で、結婚させられちゃった」
「ちゃったじゃないでしょうよ!カレンはどうしたのよ!?」
「う~ん、どこに行ったんだろうね?」
グレイン様はソフィアと別れた後、騎士団に行ったとベンから聞いた。
いつもなら、家族4人で主にカレンがギャーギャー騒いでいる時間帯だ。それなのに、1人で食べる食事は、豪勢ではあるが味気ない。
「ソフィア様、お口に合いませんか?」
食事をサーブしてくれる者が、ソフィアがあまり食が進んでいないのを見て声をかける。
「いいえ、とても美味しいのだけど。1人で食べるのに慣れていなくて」
「左様でございますか。公爵様は毎日遅くのお戻りですので・・・」
「ええ、聞いています。気にしないで」
ようやく食べたお皿を下げられ、次の料理が準備された。
あまり進まない食事ではあったが、朝以降まともに食事をしていなかったので、完食し自分の部屋に戻ってきた。湯浴みをし、さて、どちらのベッドで寝るべきか?夫婦のベッドか自分の部屋か・・・。
う~ん、世間一般で言う初夜だから夫婦のベッドかしら?とりあえずはコッチで寝ておこう。
翌朝起きると、隣に人が寝た形跡はあったが、グレイン様本人はいなかった。寝ていた辺りも冷たくなっていた。ソフィアの着衣も通常の寝乱れ程度だ。
朝もダイニングで1人の朝食。しかし、先程まではグレイン様はコーヒーを飲んでいたらしい。それなら明日から少し早く起きればグレイン様に会えるかもしれない。ベンにグレイン様の朝の行動を聞き、明日からは朝食を共にすべく、朝起きる宣言をしたのだった。ベンには苦笑いされたけど。
さて、午前中やる事がない。
ベンを呼び、
1、男爵家にいた頃と同じように教会と孤児院に、パンや焼き菓子を作って差し入れしたい事
2、友達と街でお茶をしたり買い物をしたい事
3、ラインハルト家について知りたい
と、3点をお願いした。
すると、1,2についてはラインハルト家の馬車があるので、ソレを使い、侍女を1人つけるのであれば構わない。3については、ベンが教えてくれる事になった。
「じゃあ、今日の午後から教会・孤児院に行ってもいいかしら?毎週月曜日の午後に行っていたの。簡単なクッキーを焼きたいのだけど」
「分かりました、今から厨房を使えるように指示し、馬車も午後使えるように言っておきます」
午前中にナッツ入りクッキーを作り、午後には孤児院にやってきた。月曜日の午後、この孤児院には親友の子爵令嬢もやってくるのだ。孤児たちの相手をしつつ、自分達もおしゃべりするのが、いつのこれからか習慣になっていた。
「ちょっとソフィア!!あなた、カレンがやらかしたせいでお嫁に行ったってホントなの!?説明しなさいよっ」
顔を見るなりサリューが詰め寄ってくる。
「さ、サリュー、ご機嫌よう。昨日のカレンの結婚式にカレンが来なくてね?親戚に取り敢えず式は代理でやれって言われて、式を挙げたら相手に私が結婚相手でもいいって言われちゃって。双子だから顔は一緒だしね?で、結婚させられちゃった」
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