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「何だか屋敷内の雰囲気が明るくなったな?ベン。どうしたんだ?」
朝食時にグレイン様がたずねる。
「ソフィア様の要望で、屋敷内に薔薇を飾っております。あとは、そうですね、カーテンやテーブルクロスなどを、色が明る目の物に変更しました」
「グレイン様、もし前の方がよろしければ戻します」
茶色やグレーなど、少し重い色が多かったので、グレーだった所はベージュ系にし、茶色だった所は差し色でオレンジ色を加えてみたのだ。
「いや、この方がいい。暖かみがある。それに、薔薇が飾ってあるのも久しぶりだな」
「左様でございますね。華やかになってよろしいと思います」
ベンが嬉しそうに呟いた。
そう、このお屋敷、布や調度品などはとても良い物なのに、寒々しい感じがしたのだ。さすがに全部を変える訳にはいかなかったが、差し色を加え、かなり明るい印象になったと思う。
それに薔薇。沢山飾らなくても大輪の花はかなり華やかだ。
グレイン様が出勤すると、その足でローズガーデンと温室を周り、花を愛でのんびりお茶を飲むのが午前の習慣になりつつある。まあ、月曜に限ってはお菓子やパンを焼き、午後には孤児院に持って行くのだが。その他の午後には、刺繍、読書、紅茶のブレンドなど趣味の時間に当てている。刺繍は趣味の域を超えた腕前で、協会のバザーでも人気があるので、毎年沢山出品するようにしている。
「そうだわ、グレイン様のハンカチにも刺繍をしてみようかしら?」
早速ベンにお願いして刺繍用のハンカチを5枚程用意してもらう。図柄はどうしようかな?無難にイニシャルにしておいた方がいいかな。
数日で3枚完成させ、残りのハンカチは次回ようにとっておいた。しかし、どのタイミングで渡そうかな?朝だと忙しいだろうし。
う~ん、夜ベッドの枕元辺りに置いておけば気づいてもらえるかなぁ?
うん、今日の夜にでも置いてみよう。
翌朝、ベッドの上からハンカチはなくなっていた。
そして朝食時、
「ソフィアは刺繍が得意なのだな、ありがとう、早速使わせてもらうよ。それで、遅くなったのだが、コレをーーー」
グレイン様小箱を手にソフィアの元にやってきて、ソレを薬指に嵌めてくれる。
「グレイン様っ、ありがとうございます。うわぁ、何だか前よりも輝いてますねっ。素敵だわっ!」
「喜んで貰えて何よりだ」
薄っすらとグレイン様が微笑む。
わわっ、いつもは余り表情を出されないから分からなかったけど。笑われた方が素敵だわ。もっと笑って頂ける様に頑張ろうっ!
そう思い微笑んだソフィアに、グレイン様は更に目を細めるのだった。
朝食時にグレイン様がたずねる。
「ソフィア様の要望で、屋敷内に薔薇を飾っております。あとは、そうですね、カーテンやテーブルクロスなどを、色が明る目の物に変更しました」
「グレイン様、もし前の方がよろしければ戻します」
茶色やグレーなど、少し重い色が多かったので、グレーだった所はベージュ系にし、茶色だった所は差し色でオレンジ色を加えてみたのだ。
「いや、この方がいい。暖かみがある。それに、薔薇が飾ってあるのも久しぶりだな」
「左様でございますね。華やかになってよろしいと思います」
ベンが嬉しそうに呟いた。
そう、このお屋敷、布や調度品などはとても良い物なのに、寒々しい感じがしたのだ。さすがに全部を変える訳にはいかなかったが、差し色を加え、かなり明るい印象になったと思う。
それに薔薇。沢山飾らなくても大輪の花はかなり華やかだ。
グレイン様が出勤すると、その足でローズガーデンと温室を周り、花を愛でのんびりお茶を飲むのが午前の習慣になりつつある。まあ、月曜に限ってはお菓子やパンを焼き、午後には孤児院に持って行くのだが。その他の午後には、刺繍、読書、紅茶のブレンドなど趣味の時間に当てている。刺繍は趣味の域を超えた腕前で、協会のバザーでも人気があるので、毎年沢山出品するようにしている。
「そうだわ、グレイン様のハンカチにも刺繍をしてみようかしら?」
早速ベンにお願いして刺繍用のハンカチを5枚程用意してもらう。図柄はどうしようかな?無難にイニシャルにしておいた方がいいかな。
数日で3枚完成させ、残りのハンカチは次回ようにとっておいた。しかし、どのタイミングで渡そうかな?朝だと忙しいだろうし。
う~ん、夜ベッドの枕元辺りに置いておけば気づいてもらえるかなぁ?
うん、今日の夜にでも置いてみよう。
翌朝、ベッドの上からハンカチはなくなっていた。
そして朝食時、
「ソフィアは刺繍が得意なのだな、ありがとう、早速使わせてもらうよ。それで、遅くなったのだが、コレをーーー」
グレイン様小箱を手にソフィアの元にやってきて、ソレを薬指に嵌めてくれる。
「グレイン様っ、ありがとうございます。うわぁ、何だか前よりも輝いてますねっ。素敵だわっ!」
「喜んで貰えて何よりだ」
薄っすらとグレイン様が微笑む。
わわっ、いつもは余り表情を出されないから分からなかったけど。笑われた方が素敵だわ。もっと笑って頂ける様に頑張ろうっ!
そう思い微笑んだソフィアに、グレイン様は更に目を細めるのだった。
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