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10 〜グレイン視点2〜
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『しまった』としか言いようが無い。双子だったとは。あの場で妹のソフィアに変更を頼んでも、あの男爵は素直に応じなかっただろう。どうしたら・・・。
「おぼ・・・、旦那様おかえりなさいませ」
「あ?ああ。屋敷か」
俺はどうやら無意識に屋敷に帰って来たようだ。習性とは怖いな。
「どうなされたのですか、出かける時はスキップでもしそうな位にご機嫌だったのに」
「ベン、俺は一生に一度の大切な時にあり得ないポカをやらかしてしまった。双子だったなんてっ!しかも名前をキチンと知らせなかったから、彼女じゃない姉さんの方との婚約になってしまった」
「どう言う事かご説明下さい」
冷静なベンの言葉に俺は1から説明する。
「何故その場で、妹の方だと言わなかったのですか?」
「唖然とし過ぎて何も出来なかった」
「旦那様、実は私は奥様になられる方の人となりを知りたく、情報屋に調べさせていました。コレが報告書です。グレイス家のメイドにも探りをいれております。カレン様は、旦那様の事をイヤがっておられるようです。それで何とか逃げる方法は無いかと思案して、学友にも相談しているようですね。しかし、またまだ子供です。なすすべは見つからなかったようですよ」
「嫌われているのは今日、よく分かった。ソフィアもだろうな」
「それが、ソフィア様は何度もカレンを説得しようとしてるみたいですよ」
「まあ、自分の婚約・結婚じゃないからな」
「そうとも言いますが。お2人は性格が正反対のようでして、カレン様は自我を突き通すタイプ、ソフィア様は周りに合わせるタイプです。例えば式当日にカレン様がいらっしゃらなくて、ソフィア様を代わりの新婦役にします。そして旦那様が、『もう嫁はお前でいい』と言ったら、ソレに従うタイプですよ」
ベンが企み顔をした。
「その状況をワザと作り出すのか?」
「若い方は愛の逃避行とかしそうですからね?特にカレン様の様な気の強そうな方は」
「分かった。ベン、それで任せてもいいか?多少金はかかってもいい」
「畏まりました」
ベンは恭しく礼をして部屋から出て行った。
「おぼ・・・、旦那様おかえりなさいませ」
「あ?ああ。屋敷か」
俺はどうやら無意識に屋敷に帰って来たようだ。習性とは怖いな。
「どうなされたのですか、出かける時はスキップでもしそうな位にご機嫌だったのに」
「ベン、俺は一生に一度の大切な時にあり得ないポカをやらかしてしまった。双子だったなんてっ!しかも名前をキチンと知らせなかったから、彼女じゃない姉さんの方との婚約になってしまった」
「どう言う事かご説明下さい」
冷静なベンの言葉に俺は1から説明する。
「何故その場で、妹の方だと言わなかったのですか?」
「唖然とし過ぎて何も出来なかった」
「旦那様、実は私は奥様になられる方の人となりを知りたく、情報屋に調べさせていました。コレが報告書です。グレイス家のメイドにも探りをいれております。カレン様は、旦那様の事をイヤがっておられるようです。それで何とか逃げる方法は無いかと思案して、学友にも相談しているようですね。しかし、またまだ子供です。なすすべは見つからなかったようですよ」
「嫌われているのは今日、よく分かった。ソフィアもだろうな」
「それが、ソフィア様は何度もカレンを説得しようとしてるみたいですよ」
「まあ、自分の婚約・結婚じゃないからな」
「そうとも言いますが。お2人は性格が正反対のようでして、カレン様は自我を突き通すタイプ、ソフィア様は周りに合わせるタイプです。例えば式当日にカレン様がいらっしゃらなくて、ソフィア様を代わりの新婦役にします。そして旦那様が、『もう嫁はお前でいい』と言ったら、ソレに従うタイプですよ」
ベンが企み顔をした。
「その状況をワザと作り出すのか?」
「若い方は愛の逃避行とかしそうですからね?特にカレン様の様な気の強そうな方は」
「分かった。ベン、それで任せてもいいか?多少金はかかってもいい」
「畏まりました」
ベンは恭しく礼をして部屋から出て行った。
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