結婚式に代理出席したら花嫁になっちゃいました

ゆきりん(安室 雪)

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 美希は『ふうっ』と溜息を吐く。

 これまでの人生、はっきり言ってモテた経験は無い。なのに、鷹夜さんと出会ってから美希の周りにはイケメンが増え、何故かキスされたり押し倒されたりするのが多い気がする。いや、『気』だけじゃないか、実際さっきも押し倒されたり。無表情男・斎藤さんがいなかったら、あれ以上の事をされたかも知れない・・・。

 ううっ、早く家に帰りたい。

 鷹夜さんに抱きしめてもらいたい・・・。

 まだ、鷹夜さんに出会って数ヶ月なのに。最初は無理矢理抱かれ、少しづつ好きになって結婚してしまった。鷹夜さんを知る前の自分がどうやって1人の時間を過ごしていたのか分からない程、鷹夜さんはもう、美希にとっては側にいて当然の人だ。

 鷹夜さんに会いたい・・・。




 その日の夕方、美希は車に乗せられどこかに向かっている。車には運転手・斎藤さん・正樹様・美希の4人が乗っている。斎藤さんは助手席だ。美希の手は何故か正樹様に握られている。

「あの・・・、手を離してもらえませんか?」

 車内は無言で返事はない。それどころか、逆に強く握られてしまった。

「あの・・・」

 再び美希は言おうとしたが、正樹様がグッと美希を引き寄せ抱きしめてしまう。

「きゃ!?」

「今から、京極 樹との交換場所に向かう。もし、お前が俺の元に残るのなら、樹に出した条件は無効にしてもいい。樹にとってはかなり痛手になる事だからな。どうする?お前次第だ」

「そんな・・・」

「ま、とりあえず帰ってもいいが。3日やろう。連絡先はスマホに入れておいた」

 正樹様がいい終わり、しばらくすると車が停まる。停まった車の前には樹さんが佇んでいる。1人だ。美希は正樹様に促され車を降りる。

「美希っ!!無事か!?」

 美希の顔を見た瞬間、樹さんが美希に手を伸ばすが、正樹様は美希をグイッと引っ張り、腕の中に囲う。

「どういうつもりだ、酒田っ!」

 樹さんが正樹様を睨みつける。酒田は正樹様の事のようだ。

「ん?こういうつもりだ」

 正樹様は美希の顎を掴み、見せつける様なキスをする。突然の事に美希は一瞬反応出来なかったが、我に返り、キスから逃れようと必死で暴れるが、顎は固定されているし、もう片方の腕でガッシリと抱きしめられているので身動きが取れない。

「やっ・・・、いやっ!」

 自分で立っていられなくなった所で、唇は解放されたが、姫抱きにされ、樹に渡される。

「美希、いつでも俺の所に来いよ」

 ニヤリと正樹様は言い、樹にしがみつく美希の頭を撫でていく。

 ギリッと樹は歯を食いしばり、何も言わずその場を離れる。



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