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「わかりました。お話ししますが、3人は今日は帰って貰ってもいいかしら?また明日、朝の祈りの時間に会いましょう」
セイラが言い終わると、不服そうな見習い聖女達3人をデュークは店の外に促した。それを見届けたセイラは、ふうっと溜息を吐いた。
「突然押しかけてすいませんっ!でも、なぜ冷静に受け入れたのか納得出来ないんです!!その場に居た聖女達は皆一様に『セイラ様は冷静に受け止めて納得していた』としか話してくれないし」
「でも、あくまでも自伝ではなく小説なのでしょう?事実は貴方や読者をガッカリさせる事かも知れないわ?それでも貴方は聞きたい?」
後から文句を言われたくないから先に言質を取る事にした。
「勿論聞かせて欲しいわっ!!」
ジュディさんは期待に満ち満ちた声で返事をするが・・・。
「冷静だったのは、事前に知っていたからよ」
「はい?」
答えたのに理解してくれない。
「だから、事前に元王子から『俺から婚約破棄させて欲しい』って頼まれたのよ」
「えっ!?それで納得して受け入れたのですか!?」
ジュディさんは、机に両手を突き前のめりになりながら声を荒げる。
「だから条件を付けて了承したのよ。条件は教えないわ。因みにその場にはデュークもいたわよ。ね?」
横に座っているデュークにも話しを振る。
「ああ。元王子からセイラに話しがあるから一緒にいて欲しいと頼まれたからな。婚約者だからと言って部屋に2人きりと言うのはよろしくないからな。だが、話しの内容を聞いて、喜びを出さずにいるのはかなり辛かったな。しかもその後、国外追放に俺が従者として同行するなんて、俺的には元王子が天使に見えたさ」
「私もイヤだった婚約者を降りる事が出来て、聖女にもこだわりは無かったから、内心は『はいっ、喜んでっ!!』て、握り拳で答えそうだったわ。まあ、その結果、デュークと結ばれる事になったのだから、一応元王子には感謝はしているわ」
「な、成る程」
「あ、因みに婚約破棄の場面で冷静な顔をしていたって皆さんが話したようだけど、私の出した条件が元王子はちょっと気に入らなかったみたいで、『ミシェルを虐めた』みたいな事を言ったから呆れてただけよ?
悪女っぽいなって」
「そうなんですね・・・。ありがとうございます。帰ります」
そう言うと、ジュディさんはフラフラと足取り重く帰って行った。
「事実を話したんだけど?」
「だよな、何か気に入らなかったのか?」
「まあ、過ぎた事だからね。さっ、朝食を急いで食べないと開店時間が近いわっ!!」
急いで立ち上がったセイラはバランスを崩し、転びそうになる。デュークはサッとセイラを抱きしめた。
「ありがとう、デューク」
「怪我をしたら大変だからな。セイラもこの子も」
セイラのお腹をゆっくりと撫でるデュークは優しい顔し、啄む様なキスをする。
「ふふっ、そうね」
ゆっくりと甘い朝食を食べた2人のお店の開店時間は少し遅くなり、お客さんに冷やかされとか。
後日発売されたジュディさんの第5版は、結局文章の変更無しで重版されたとか・・・。
完
セイラが言い終わると、不服そうな見習い聖女達3人をデュークは店の外に促した。それを見届けたセイラは、ふうっと溜息を吐いた。
「突然押しかけてすいませんっ!でも、なぜ冷静に受け入れたのか納得出来ないんです!!その場に居た聖女達は皆一様に『セイラ様は冷静に受け止めて納得していた』としか話してくれないし」
「でも、あくまでも自伝ではなく小説なのでしょう?事実は貴方や読者をガッカリさせる事かも知れないわ?それでも貴方は聞きたい?」
後から文句を言われたくないから先に言質を取る事にした。
「勿論聞かせて欲しいわっ!!」
ジュディさんは期待に満ち満ちた声で返事をするが・・・。
「冷静だったのは、事前に知っていたからよ」
「はい?」
答えたのに理解してくれない。
「だから、事前に元王子から『俺から婚約破棄させて欲しい』って頼まれたのよ」
「えっ!?それで納得して受け入れたのですか!?」
ジュディさんは、机に両手を突き前のめりになりながら声を荒げる。
「だから条件を付けて了承したのよ。条件は教えないわ。因みにその場にはデュークもいたわよ。ね?」
横に座っているデュークにも話しを振る。
「ああ。元王子からセイラに話しがあるから一緒にいて欲しいと頼まれたからな。婚約者だからと言って部屋に2人きりと言うのはよろしくないからな。だが、話しの内容を聞いて、喜びを出さずにいるのはかなり辛かったな。しかもその後、国外追放に俺が従者として同行するなんて、俺的には元王子が天使に見えたさ」
「私もイヤだった婚約者を降りる事が出来て、聖女にもこだわりは無かったから、内心は『はいっ、喜んでっ!!』て、握り拳で答えそうだったわ。まあ、その結果、デュークと結ばれる事になったのだから、一応元王子には感謝はしているわ」
「な、成る程」
「あ、因みに婚約破棄の場面で冷静な顔をしていたって皆さんが話したようだけど、私の出した条件が元王子はちょっと気に入らなかったみたいで、『ミシェルを虐めた』みたいな事を言ったから呆れてただけよ?
悪女っぽいなって」
「そうなんですね・・・。ありがとうございます。帰ります」
そう言うと、ジュディさんはフラフラと足取り重く帰って行った。
「事実を話したんだけど?」
「だよな、何か気に入らなかったのか?」
「まあ、過ぎた事だからね。さっ、朝食を急いで食べないと開店時間が近いわっ!!」
急いで立ち上がったセイラはバランスを崩し、転びそうになる。デュークはサッとセイラを抱きしめた。
「ありがとう、デューク」
「怪我をしたら大変だからな。セイラもこの子も」
セイラのお腹をゆっくりと撫でるデュークは優しい顔し、啄む様なキスをする。
「ふふっ、そうね」
ゆっくりと甘い朝食を食べた2人のお店の開店時間は少し遅くなり、お客さんに冷やかされとか。
後日発売されたジュディさんの第5版は、結局文章の変更無しで重版されたとか・・・。
完
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