馬鹿すぎる王子に婚約破棄され、国外追放が決まりましたので、しっかり復讐させていただきます。

冬吹せいら

文字の大きさ
3 / 12

第3話 運命の出会い

しおりを挟む
 夕食後、わがまま令嬢が、美味しい果物が食べたいなどと馬鹿なことを言い出したので、商店へと向かいました。
 だったらさっきの果物ジュースを、なんで断ったんだと怒鳴りつけてやりたくなりましたが、ぐっと我慢です。

 すでにほとんどの店は閉まっていましたが、なんとか果物を買うことに成功。
 本当なら、腐った果物を食わせてやりたいところでしたが、我慢です。

「ん……?」

 わがまま令嬢への復讐方法を考えながら歩いていると、見覚えのある美少年が、商店の店主と話しているのが見えました。
 この国の王子である、カシオ・マーズスター様です。

 ……このチャンスを活かさない手はありません。どうやら私にも、運が回ってきたようです。
 
 私は、カシオ様の目に留まるように、わざと果物を落とします。
 ごろごろと転がった果物が、カシオ様の足に当たり、止まりました。

「あぁっ! 申し訳ございません!」

 自分で言うのは良くないかもしれませんが……。容姿には、自信があります。
 カシオ様が、果物を拾い上げてくださったのと同時に、私の姿を確認しました。
 そして……。
 
「綺麗な方だ……」

 果物を私に手渡しながら、そんなことを呟きました。
 どうやら、好印象のようです。一安心。

「私は隣国の伯爵令嬢、マキナ・ティアベルでございます」
「えっ、伯爵令嬢……? なぜメイド服を?」

 私はこれまでの経緯を全て説明しました。
 わざと、泣きそうな顔をしながら……。

「酷い話だ。僕が何とかしよう」
「えっ、よろしいのですか?」
「当たり前さ。……彼女にはみんな、手を焼いてるからね。ここらで一発、痛い目に遭わせておかないと、王族としても示しがつかない」

 想像をはるかに超えるスピードで、復讐の準備が整ってしまいました。

 ◇

「ちょっと! 離しなさいよ!」

 すっかり日も暮れて、人目を気にする必要もない時間帯。
 私は無理矢理、オリーブを外へ連れ出しました。

「こんなことして、タダで済むと……」
「うるさい」
「あぶっ!」

 オリーブの頬を引っ叩きました。
 ……仕返しです。これ以上は叩きませんよ?

「なにっ、するのよぉ」

 半ベソをかきながら、少しだけオリーブの威勢が弱まりました。

 そのまま、外で待機していた馬車に乗せ、目指すは……王宮です。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

婚約破棄した王子が見初めた男爵令嬢に王妃教育をさせる様です

Mr.後困る
恋愛
婚約破棄したハワード王子は新しく見初めたメイ男爵令嬢に 王妃教育を施す様に自らの母に頼むのだが・・・

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

平手打ちされたので、婚約破棄宣言に拳でお答えしました

Megumi
恋愛
婚約破棄を告げられ、婚約者に平手打ちされた——その瞬間。 伯爵令嬢イヴの拳が炸裂した。 理不尽に耐える淑女の時代は、もう終わり。 これは“我慢しない令嬢”が、これまでの常識を覆す話。

醜貌の聖女と呼ばれ、婚約破棄されましたが、実は本物の聖女でした

きまま
恋愛
王国の夜会で、第一王子のレオンハルトから婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リリエル・アルヴァリア。 顔を銀の仮面で隠していることから『醜貌の聖女』と嘲られ、不要と切り捨てられた彼女は、そのまま王城を追われることになる。 しかし、その後に待ち受ける国の運命は滅亡へと向かっていた——

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

【 完結 】「婚約破棄」されましたので、恥ずかしいから帰っても良いですか?

しずもり
恋愛
ミレーヌはガルド国のシルフィード公爵令嬢で、この国の第一王子アルフリートの婚約者だ。いや、もう元婚約者なのかも知れない。 王立学園の卒業パーティーが始まる寸前で『婚約破棄』を宣言されてしまったからだ。アルフリートの隣にはピンクの髪の美少女を寄り添わせて、宣言されたその言葉にミレーヌが悲しむ事は無かった。それよりも彼女の心を占めていた感情はー。 恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい!! ミレーヌは恥ずかしかった。今すぐにでも気を失いたかった。 この国で、学園で、知っていなければならない、知っている筈のアレを、第一王子たちはいつ気付くのか。 孤軍奮闘のミレーヌと愉快な王子とお馬鹿さんたちのちょっと変わった断罪劇です。 なんちゃって異世界のお話です。 時代考証など皆無の緩い設定で、殆どを現代風の口調、言葉で書いています。 HOT2位 &人気ランキング 3位になりました。(2/24) 数ある作品の中で興味を持って下さりありがとうございました。 *国の名前をオレーヌからガルドに変更しました。

処理中です...