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第9話 バカな二人
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「今度王都で、二人の婚約を記念したパーティが行われるみたいなんだ」
固いパンをかじりながら、ランドがオリーブに言った。
ここへ連れて来られてから、食事は毎回、ほぼ水のようなコーンスープと、この固いパンである。
「婚約パーティ……。浮かれていますわ」
「そう思うだろう? だから僕たちで、めちゃくちゃにしてやらないか?」
「めちゃくちゃに?」
先ほどまで固いパンと格闘して、表情が沈んでいたオリーブが、ウキウキとしながら、ランドに笑顔を向けた。
「なんだかとっても楽しそう!」
「うん。君ならそう言ってくれると思ったよ。僕たちがするべきなのは、反省じゃなくて復讐! あんな馬鹿令嬢とバカ王子の婚約なんて、めでたくもなんともないのにさ!」
「本当にその通りですわ! だいたいマキナのヤツ、ランド様と別れたばかりなのに、もう次の男って……。相当見境がないんですわね!」
「本当だよ! 僕の浮気グセを責めておきながら、結局あいつも尻軽女だったんだ!」
マキナとランドの婚約は、ランドが一方的に持ち掛けたものであり、元々マキナはランドのことが好きではなかったので、尻軽というわけではない。
しかし、オリーブはランドのイエスマンでしかなかった。
「ランド様! どうやってあいつらのパーティをめちゃくちゃにしてやるおつもりですか?」
「色々考えたんだけど……。やっぱり僕たちの現状を活かすのがありじゃないかなぁって思ってさ」
嬉々としてそう言いながら、ランドは牛を指差した。
「奴らの糞を使うんだ!」
「糞ですか?」
「そう! 糞をたくさん溜めて、あいつらに一気にぶちまける! 糞まみれになった令嬢と王子の婚約って、ものすごく滑稽だろ!?」
「面白そう! あ~パーティが待ち遠しくなってきましたわ!」
そんな二人の、大声での会議を、農家が聞いていないわけがなかった。
にも関わらず、さらに話を続ける。
何時にどこへ行くだとか……。
どの道を通って行けば、見張りの兵にバレないかだとか……。
全て、農家の耳に筒抜けである。
「僕は王子! 君は公爵家の令嬢! こんな汚い牛小屋にいる意味がわからないだろう? 今回の件で二人に復讐すれば、きっとみんな僕らを怖がって、ここから解放してくれるさ!」
「賢いですわ! さすがランド様! 一国の王子はこのようでなくては!」
……そんなことをすれば、貴族会や国王の神経を逆なでし、ここを出るまでの期間がさらに伸びるだけである。
しかし、二人は気が付くことができなかった。
固いパンをかじりながら、ランドがオリーブに言った。
ここへ連れて来られてから、食事は毎回、ほぼ水のようなコーンスープと、この固いパンである。
「婚約パーティ……。浮かれていますわ」
「そう思うだろう? だから僕たちで、めちゃくちゃにしてやらないか?」
「めちゃくちゃに?」
先ほどまで固いパンと格闘して、表情が沈んでいたオリーブが、ウキウキとしながら、ランドに笑顔を向けた。
「なんだかとっても楽しそう!」
「うん。君ならそう言ってくれると思ったよ。僕たちがするべきなのは、反省じゃなくて復讐! あんな馬鹿令嬢とバカ王子の婚約なんて、めでたくもなんともないのにさ!」
「本当にその通りですわ! だいたいマキナのヤツ、ランド様と別れたばかりなのに、もう次の男って……。相当見境がないんですわね!」
「本当だよ! 僕の浮気グセを責めておきながら、結局あいつも尻軽女だったんだ!」
マキナとランドの婚約は、ランドが一方的に持ち掛けたものであり、元々マキナはランドのことが好きではなかったので、尻軽というわけではない。
しかし、オリーブはランドのイエスマンでしかなかった。
「ランド様! どうやってあいつらのパーティをめちゃくちゃにしてやるおつもりですか?」
「色々考えたんだけど……。やっぱり僕たちの現状を活かすのがありじゃないかなぁって思ってさ」
嬉々としてそう言いながら、ランドは牛を指差した。
「奴らの糞を使うんだ!」
「糞ですか?」
「そう! 糞をたくさん溜めて、あいつらに一気にぶちまける! 糞まみれになった令嬢と王子の婚約って、ものすごく滑稽だろ!?」
「面白そう! あ~パーティが待ち遠しくなってきましたわ!」
そんな二人の、大声での会議を、農家が聞いていないわけがなかった。
にも関わらず、さらに話を続ける。
何時にどこへ行くだとか……。
どの道を通って行けば、見張りの兵にバレないかだとか……。
全て、農家の耳に筒抜けである。
「僕は王子! 君は公爵家の令嬢! こんな汚い牛小屋にいる意味がわからないだろう? 今回の件で二人に復讐すれば、きっとみんな僕らを怖がって、ここから解放してくれるさ!」
「賢いですわ! さすがランド様! 一国の王子はこのようでなくては!」
……そんなことをすれば、貴族会や国王の神経を逆なでし、ここを出るまでの期間がさらに伸びるだけである。
しかし、二人は気が付くことができなかった。
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