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終わりまでのカウントダウン
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「あれからもう、四年経つのね……」
「あぁ……」
泥のようなスープを啜りながら、僕は適当に相槌を打った。
そうか、四年……。
光嫌病の影響で、普段は、小さなろうそくの光ですら、灯すことのできないこの家。
それでも、医者に処方してもらった薬を飲むと、なんとかその程度の光なら、許容できる痛みに抑えられた。
だからこうして、食事の時だけは、僅かな明かりを灯すようにしている。
ケスラは、光嫌病のせいで、働けなくなった僕の代わりに、毎日必死で働いてくれている。
……そのせいか、目に見えてわかるほど、老いが進行していた。
髪をピンクに染める金がなく、みすぼらしい白髪交じりのロングヘアが、食欲を失せさせた。
ところどころ、地肌が見えている。
若い時から、髪を痛めつけていたせいだろう。
それに……。彼女はまだ、三十代にようやく突入したくらいであるはずなのに。
四十代と言われても、おかしくないほどに、肌のしわが目立った。
まるで、皮膚が剥がれ落ちて、彼女自体が崩れ去ってしまうんじゃなかろうか。
そう思ってしまうくらい、ひび割れた、醜い肌になってしまっている。
「明日は病院ね……。光嫌病、良くなるといいわ……」
「あぁ」
なるわけない。
これがいつまで続くのかなんて、誰にもわからないのだ。
もしかしたら、一生付き合っていかないといけないかもしれない。
医者に処方してもらっている薬は、とても強力なもので。
……それを使っていても、この程度の光しか許容できないのだから。
外に出るなんて、夢のまた夢。
「今日は、久しぶりに、一緒に寝ましょうか?」
「……いや、いい」
「そう……」
月に一回ほど、ケスラは僕を誘ってくるようになった。
理由は、はっきりとはわからないが……。
きっと、彼女も心が病んでいるのだろう。
僕意外に、まともに接してくれる異性も、いないだろうから。
ここへ来てすぐのころは、僕の方から、積極的に誘っていたが……。
もはや、そんな元気は残っていない。
それに、今のケスラを抱きたいと思う、モノ好きな男は、きっといないだろう。
ボロボロの肌。
処理されていない体毛。
女性と呼べるかどうかも、疑わしい。
僕たちの関係は、冷え切っていた。
だけど、僕はケスラがいなければ、生活できないし。
ケスラも、ここを出て行ったところで、行く場所なんてない。
終わったような関係でも……。続けていかないといけないんだ。
「あぁ……」
泥のようなスープを啜りながら、僕は適当に相槌を打った。
そうか、四年……。
光嫌病の影響で、普段は、小さなろうそくの光ですら、灯すことのできないこの家。
それでも、医者に処方してもらった薬を飲むと、なんとかその程度の光なら、許容できる痛みに抑えられた。
だからこうして、食事の時だけは、僅かな明かりを灯すようにしている。
ケスラは、光嫌病のせいで、働けなくなった僕の代わりに、毎日必死で働いてくれている。
……そのせいか、目に見えてわかるほど、老いが進行していた。
髪をピンクに染める金がなく、みすぼらしい白髪交じりのロングヘアが、食欲を失せさせた。
ところどころ、地肌が見えている。
若い時から、髪を痛めつけていたせいだろう。
それに……。彼女はまだ、三十代にようやく突入したくらいであるはずなのに。
四十代と言われても、おかしくないほどに、肌のしわが目立った。
まるで、皮膚が剥がれ落ちて、彼女自体が崩れ去ってしまうんじゃなかろうか。
そう思ってしまうくらい、ひび割れた、醜い肌になってしまっている。
「明日は病院ね……。光嫌病、良くなるといいわ……」
「あぁ」
なるわけない。
これがいつまで続くのかなんて、誰にもわからないのだ。
もしかしたら、一生付き合っていかないといけないかもしれない。
医者に処方してもらっている薬は、とても強力なもので。
……それを使っていても、この程度の光しか許容できないのだから。
外に出るなんて、夢のまた夢。
「今日は、久しぶりに、一緒に寝ましょうか?」
「……いや、いい」
「そう……」
月に一回ほど、ケスラは僕を誘ってくるようになった。
理由は、はっきりとはわからないが……。
きっと、彼女も心が病んでいるのだろう。
僕意外に、まともに接してくれる異性も、いないだろうから。
ここへ来てすぐのころは、僕の方から、積極的に誘っていたが……。
もはや、そんな元気は残っていない。
それに、今のケスラを抱きたいと思う、モノ好きな男は、きっといないだろう。
ボロボロの肌。
処理されていない体毛。
女性と呼べるかどうかも、疑わしい。
僕たちの関係は、冷え切っていた。
だけど、僕はケスラがいなければ、生活できないし。
ケスラも、ここを出て行ったところで、行く場所なんてない。
終わったような関係でも……。続けていかないといけないんだ。
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